修心館 本部道場定例稽古 ~捌く~

2016年6月12日の本部道場定例稽古

 

入門間もない初心者は、後方にて下緒捌きと立ち座り、礼法等を稽古。

僕の著書『最強のすすめ』の中でも少し触れていますが、下緒捌きや礼法一つをとっても、武術としての身体捌きの稽古の一環なのです。

下緒捌きに関しては、誰に教わったわけでもなく、ある日突然 “これはひょっとして…” と言う様に、その意味に気付いた次第ですから、他の居合流派や道場では、僕が指導する理論は御存知ないものと思います。

 

この日の定例稽古は参加者の数が多く、いつもお借りしている自治会館が手狭で稽古しづらい感がありました。

 

上述の初心者以外の者に関しては、巴請左右と中心立てを稽古。

中心立てとは受け止めた相手の刀を捌きながら、相手の中心を取り返すというもの。とてもシンプルな動きではありますが、これがとても難しいのです。

その後は袋竹刀と鐔を付けた木刀とで捌きの稽古を。

何故同じ得物同士で稽古せず、片側は木刀かと言いますと、相手の攻撃をひたすら捌くためです。稽古で使っている袋竹刀は鐔がついていません。そのため本来なら鐔で斬撃を止めることができている捌きであっても、左右の腕や小手に袋竹刀が当ってしまうからです。

木刀を構えた側はひたすら防御に専念し、打ち込んだりはしないので、堅い木刀でも良く、怪我はしないというわけです。

この捌きの稽古で何を見につけさせたいかと言いますと、反射神経はもとより、手で刀を操作しないということ。

小手先で刀を扱っていては、隙ができてしまうのですが、剣をしっかりと己の中心に立て、腕ではなく身体全体で相手の太刀をいなし、捌くことで無駄な動きをどんどんと無くしていくことを身体に覚えさせます。

 

これも一太刀一太刀捌くだけならなんとか対応できるものですが、速い連続での攻撃や斬り返し等に対しては、防御するだけではほぼやられてしまいます。連続で打ち込んで来る相手には、こちらも攻撃することで動きを封じなければなりません。

と言っても、上述の通り、互いに得物が異なるので、木刀で打ち込むと危険です。相手に怪我を負わせないように、攻撃しながら相手の太刀を止めるのですが、これが“間”を取るという稽古につながります。

門弟達は四苦八苦しながらも、楽しみながら攻防の稽古を満喫していました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です