浅井安綱 ~直刃の中に互ノ目を焼いた珍しい作品~

浅井安綱 ~直刃の中に互ノ目を焼いた珍しい作品~
浅井安綱
– Asai Yasutsuna –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/381/00.html

本名浅井保。刀銘は「一刀斎」「安綱」

いよいよ敗戦色が濃くなった当時の日本。物資の不足が軍刀にも大きく影響し、九八式軍刀の末期型にもなると、鐔の桜花が判然としない物が現れます。
この刀もそんな時代に鍛えられた一刀で、鐔の桜花が判然としていません。急な派兵でよほど納期がなかったのか、刀にはばきを合わせるのではなく、はばきに合わせて中心や刀身が削られ、無理矢理に加工されています。それ程までに切羽詰る状況だったのでしょう。

刀身の出来は非常に面白く、直刃の中に互ノ目を焼き込んでいます。互ノ目は水面に水滴が落ちたような情景を示し、焼頭は丸く、また、足によって二つに割れたような様を見せています。

尚、この刀は当店にて美術観賞用上研磨を施しました。研ぎあがったばかりの地刃の冴えと、前述の直刃の中に現れた互ノ目乱れの妙を存分にお楽しみ下さい。※鞘は鉄鞘です。指裏中程の鎬際に二箇所、斜めに鍛え筋がありますが、観賞の妨げにはなりません。

裸身重量617グラム。  拵に納めて鞘を払った重量976グラム。

直刃の中の互ノ目
この刃文が面白い!!

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