長船宗久 ~中心尻に隠し鏨?~

長船宗久 ~中心尻に隠し鏨?~
長船宗久
– Osafune Munehisa –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/tantou/160/00.html

宗久は室町中期永正頃に備前國で活躍した刀工。
当店にて白鞘を新調。上銀はばき、極上研磨を施しました。
宗久銘に関しては現在の日本美術刀剣保存協会鑑定基準にはそぐわない可能性がございますので、保存刀剣合格の保証は致しかねますが、出来が良い無銘短刀と割り切ってお求め頂きたく思います。

杢目肌が良く錬れて肌立ち、地鉄に絡んで刃中に景色豊かな働きを見せる作品。中心尻には隠し鏨のような四角い彫りがあり、一概に偽銘と決め付けるのもどうかと個人的には考えますが、偽物だからこそ敢えて中心尻に四角い彫りを刻むという逆のパターンも考えられます。
いずれにせよ出来頗る良く美術観賞刀として存分に楽しめる一刀です。

裸身重量259グラム。

以南蛮鉄有壽作之 享保四年十二月 ~皆焼刃~

以南蛮鉄有壽作之 享保四年十二月 ~皆焼刃~
以南蛮鉄有壽作之 享保四年十二月
– Aritoshi –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/tantou/159/00.html

有壽は江戸後期文政頃に活躍した刀工です。この短刀の銘に関しては力が弱く、有壽正真作としては首肯できかねますので、無銘短刀としてお求め下さい。

刀身は変わり鉄を交えた柾目肌に小杢目を交え、上半分は皆焼刃となり、様々な景色を楽しませてくれる秀作です。特筆すべき鍛錬疵はありません。

旧所有者が白鞘に手を加え、拵を作ろうとしていたようです。ご興味がある方は是非拵を完成させ、末永く可愛がってあげて下さい。

裸身重量153グラム。

長光

長光
長光
– Nagamitsu –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/tantou/158/00.html

細身で内反りの鋭い造り込み。俗に言う鎧通しと呼ばれる短刀です。
長光と言えば備前の長光が有名ですが、この短刀は備前長光ではございません。古来より長光の偽物は多々散見されますが、同銘の刀工は備前だけでも多数居り、他国にも同銘工が複数確認されています。
無鑑につき銘の真偽については判りかねますが、正真銘であったとすれば別人長光となり、柾気が強く見られますので、大和系の長光の可能性も否めませんので、ご興味ある方は保存刀剣審査を御受審下さい。

裸身重量110グラム。

無銘 ~特注九八式陸軍刀拵入り~

無銘 ~特注九八式陸軍刀拵入り~
無銘
– Mumei –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/388/00.html

兵庫県豊岡市の旧家(冒険家、故植村直己氏の御親戚)から出たうぶ品で、蔵の中にありました刀剣類を一手に当店が引き受けさせて頂きました。
中心に朽ち込みがあり、刃区に刃欠けが見られますが、匂口明るい直刃を焼いた作品で、附属する軍刀拵は、九八式の後期型特注品で、縁頭は片切彫の唐草図を新調して用いられています。鞘は元々革覆で包まれ、ストッパー付きの革切羽が装着されていたものですので、金属製の切羽は元から一枚しかございません。はばきには発見当初から「2才」と読める文字が書かれていますが、その意味は解りません。
鞘は糊付けが弱まっているため二つに割れていますが、再接着することで直せます。手先の器用さに覚えがある方、愛情を込めながらこの脇指を修理なさっては如何でしょうか? 勿論当店にご用命頂いても結構です。研磨等もお気軽に御相談下さい。

裸身重量510グラム。  拵に納めて鞘を払った重量743グラム。

北京支部

修心流居合術兵法中国北京支部で直伝講習会を最後に開催したのが昨年の12月。
もうすぐ一年が経過しようとしているが、未だに北京支部は次の講習会の日程を組まない。
そのため門弟達のモチベーションが下がり、定例稽古には2-3人しか出席していないという報告を門弟から受けた。
北京で二日間講習会を開催するには、移動にかかる日数も加えると四日間日本を留守にしなければならない。
勿論美術刀剣 刀心は休業となる。息子もアルバイトのS君も刀の対応ができないからだ。
大家族を養う私の立場としては、四日間の休業補償がなければ北京へ出稽古はできない。
現在北京支部在籍者は約50名いると聞いているが、正確な人数は支部から報告すらない。
1日1万円の参加費で2日間だから2万円。30名もあつまればじゅうぶん開催できるはずなのだが、北京支部はそれを実行しない。
支部長や指導員が初伝すら印可されていないのだから、まともなことは教えられない。
ここは私か柳原が出張して教える以外には上達の道はありえない。
初回の私の直伝講習の参加費は8万円相当だったという。これは北京の平均月収に相当する。
それでも25名程が集まってくれたことには嬉しさを隠せないが、私は暴利を貪るつもりは一切ない。
何故それほど高い金額設定になったのか?
その後の講習会も高額だったと聞く。
アメリカシアトル支部は、支部長である尾中氏自身が献身的に行動しているので、定期的に直伝講習が開催できている。
この差はなんだろうか?
日々通う門弟を増やすことを第一にせず、講習会で利益を出そうとするからではないか?
教えたいのに教えられないこのもどかしさ…
いくら北京の不動産賃料が高いとは言え、二日間の講習会開催で、会場費が20万近くというのは納得できない。
私は寒空の下、屋外での講習でも一向に構わないと考えているのだが…
せっかく私の居合を学びたいと真摯に思ってくれている門弟達のやる気を、支部が削いでしまっているのなら、今の支部を潰し、新たに直営の支部道場を作るほうが良いのではないかと考えている。
育つ可能性がある芽を摘むようなことはしたくない。人種や国境を越え、真摯にやる気がある門弟を育てたい。その思いは日々大きくなっている。

薩摩守藤原金高 ~丁子見事な美濃鍛冶の傑作刀~

薩摩守藤原金高 ~丁子見事な美濃鍛冶の傑作刀~
薩摩守藤原金高
– Satsumanokami Fujiwara Kanetaka –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/387/00.html

金高は慶長から寛永頃に活躍した美濃の刀工です。他に播磨守や豊後守等を冠する金高同銘の刀工がおり、この時代の美濃新刀には出来優れたものを多く見かけます。
この脇指は杢目肌がよく練れて肌立った地鉄に、刃文の焼頭に沿って淡く棒映りが現れ、匂口極めて明るく冴えた互ノ目丁子乱れを巧みに焼き上げています。刃中には砂流や葉、金筋、足といった働きが顕著に見られ、頗る出来が良く、まさに金高傑作刀です。

附属の拵は穀物の種を蒔いて模様をつけた変わり塗り鞘で、刀身の出来に相応しい上等な金着はばきが誂えられています。鐔は実戦に於いても頑強なる板鐔で、銘が切られていますが当店では読解できませんでしたので、是非お客様ご自身で銘文についてお調べになってください。縁頭も飾り気がない赤銅磨地。まさに武辺者の好む拵です。

鑑定書を発行している春霞会は、一流刀工のみならず、二流刀工、三流刀工に至るまで眼が利く目利きが多く、そのため春霞会の鑑定書は知名度こそ低いですが、信頼性は非常に高いです。

裸身重量455グラム。  拵に納めて鞘を払った重量693グラム。

加州住藤原信右 ~鑑定書付きの愛らしい稚児刀~

加州住藤原信右 ~鑑定書付きの愛らしい稚児刀~
加州住藤原信右
– Kashu ju Fujiwara Nobusuke –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/386/00.html

信右は江戸中期の元文頃二活躍した刀鍛冶で、元は鋳物師と伝えられています。俗名を永井与三兵衛と言い、本国は越中福野ながら、加賀や江戸でも作刀しており、本作は加賀にて鍛刀した一振で、短めの打刀をそのまま縮小し、稚児刀として鍛えられた作品。
身幅細く、重ねが薄いにもかかわらず、小板目杢混じりの肌立った地鉄に匂口明るく冴えた互ノ目乱れを巧みに焼き上げており、加賀の士の子息のために別注にて鍛えたことが窺がい知れます。
子の為に誂えた親心が籠められているせいか、刃物であるにもかかわらず恐怖感は無く、むしろ子に注がれた愛情をひしひしと感じられる逸品です。

裸身重量138グラム。

備州長船則光 文明三年八月日 ~乱れ映り立つ地鉄、豪華な沙綾形金着はばき~

備州長船則光 文明三年八月日 ~乱れ映り立つ地鉄、豪華な沙綾形金着はばき~
備州長船則光 文明三年八月日
– Bishu Osafune Norimitsu –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/385/00.html

杢目肌少しく肌立ち、乱れ映りが立っています。匂口は明るく冴え、特筆すべき鍛錬疵はありません。刃中もよく働いており、美術鑑賞刀として申し分ない出来口です。
則光銘に関しましては日本美術刀剣保存協会では首肯されないものと思われますので、出来の良い無銘脇指としてお求め下さい。
銘を消せば保存刀剣鑑定はゆうに合格する出来ですので、ご希望の方は銘消し御相談下さい。
映りについて学ばれたい方、刀剣趣味初心者から上級者迄、幅広い層にお楽しみ頂ける美術価値高い一刀です。
※一部薄錆がございます。研磨のご用命もお気軽にどうぞ。

裸身重量335グラム。

刀心 ~町井勲・藤安将平監修 武用刀~

刀心 ~町井勲・藤安将平監修 武用刀~
刀心
– Toushin –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/698/00.html

畳表を斬るだけだから安い刀でいい。
斬るだけだから安い研ぎでいい。
日頃からそのような声をよく聞かされます…
お客様にはそう言った考えを根本から改めて頂きたく思います。
走ればいいから。そんな軽い気持ちで激安の中古車を買うと、あちこち修理しなければならない箇所が頻繁に出てきて、かえって高くつくものです。
これは武用に用いる刀にも言えること。長年居合を研鑽してきましたが、居合や抜刀を嗜む方の殆どが武用刀の選び方を御存知在りません。
床の間飾りの観賞用ならいざ知らず、実用刀こそ吟味が必要!! 刀身の曲がりや捩れ、柄に捩れはないか? 柄に対して刀身が真っ直ぐに入っているか? 研磨は表裏肉置が同じか? このように精査すべき点が多々あります。
百均のカッターと有名メーカーのカッターとでは、切れ味に大きな差があるように、試斬稽古に使う刀だからこそ、しっかりとした下地研磨が必要です。

刀心店主 町井勲がプロデュースする武用刀『刀心』は、町井勲と藤安将平監修の下、上記の厳しい条件をクリアした刀です。
粘りある地鉄、横手もピシッと立てた美術鑑賞用上研磨に相当する最上の武用研磨は、刀身を凜と引き立たせるだけでなく、この刀の斬れ味を最大限に引き出します。
製作にはかなりのコストがかかっていますが、模擬刀の拵を転用することで廉価での御提供を叶えることができました。
居合、試斬抜刀用の刀をお探しの方、一生涯使っていただける武用刀『刀心』は、トータル的に見て頂くと確実に安い買い物だと実感頂けますので、是非この機会に本物の吟味された最上の武用刀を御入手下さい。
精美な地鉄、ふわりと柔らかい感じの明るく冴えた匂口、この刀、大業物です。

裸身重量781グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,064グラム。

家永 ~反り深い優雅な一刀~

家永 ~反り深い優雅な一刀~
家永
– Ienaga –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/384/00.html

家永を名乗る刀工は、加州、越前、大和、備前、筑後等各地に居り、本刀の家永がそのどれにあたるかは然るべき鑑定機関に委ねたい。

寸法の割りに反りが深く、優雅な姿のこの脇指は、地鉄が密に錬れて精美であり、特筆すべき鍛錬疵も無く、古雅な互ノ目丁子を焼き上げています。
現状古研ぎで拭いぼけしていますが、地刃の観賞に支障はありません。然しながら良い脇指だけに是非とも再研磨頂きたい一刀です。

裸身重量346グラム。  拵に納めて鞘を払った重量553グラム。