剣舞ではない古武術としての居合

私の居合の技術を知らない人や、私のことを良く思わない人達が、「町井は全日本居合道連盟のたった五段。」とか「無雙直傳英信流を破門にされた奴だ。」などと言います。

以前にも記述しましたが、私は英信流も所属道場からも破門はされていません。私の方から離れました。何故なら現行の英信流に多々疑問を持つようになったからです。

この所作にどのような意味があるのか尋ねても、私が納得できる答えを述べる先生方は居られず、当時若かった私の眼から見ても、「この人は!」と思える先生は見当たりませんでした。

今年八月には全日本剣道連盟居合道部の金銭授受問題が明るみになり、世間をほんの少しだけ騒がせたのは皆様の記憶にもあるかと思います。

私は居合界の異端児とされていますが、スポーツ化してしまい、武術色を失った居合に警鐘を鳴らしているだけです。

伝統や肩書きに固執される英信流系居合修行者は、私の居合を認めようとはしませんし、私も現行の英信流居合を居合とは認めたくありません。そうして相反するものですから、私の居合術講習に参加される方に各連盟居合修行者は来られません。私の居合は居合修行者ではなく、むしろ合氣道や合気柔術、体術を学び、研究されている方々が殆どです。中には指導者クラスの方も居られます。

これらの事実から見ても、刀の抜き差しばかりに固執する各連盟居合と、私が提唱する居合術の間には、深い溝があるのが解ります。

これまで何度も書いてきましたが、各連盟の英信流系居合は武術ではなく剣舞。刀を使った健康体操?でしかありません。

では何が居合なんだ? そう反論される方に向け、修心流居合術兵法の居合形稽古の動画を公開します。これを機に、各連盟の英信流系居合修行者の意識が変わり、武術色を取り戻してくれると嬉しく思います。また、私の居合に興味を持つ方が増えて下さることも淡く期待します。

全居連、全剣連他、各連盟居合修行者の方々、特に指導側の高段者の方々には、当流、当道場の稽古を体験頂き、健康体操と武術の違いを肌を以って知って頂きたく思います。

では、私の指導による武術としての居合形稽古を是非御覧ください。

連盟居合は居合じゃない! 武術としての居合術指導風景

剣舞ではない古武術としての居合」への1件のフィードバック

  1. 現在、「土佐直伝英信流居合」を修行している者です。私も町井先生と全く同感で、現在の連盟等の居合は武道・武術の要素を失っていると感じています。そもそもまるで新体操のように、表演で採点し競い合う、あるいは段位を取得すること自体がスポーツ化していると思うのです。私も剣道をはじめ、様々な武道・武術を経験してきました(中国武術、剛柔流空手、合気道、柔道、ボクシング)それは武器を扱うためには体術的な要素が不可欠だと考えてのことです。私が居合をはじめるにあたって、全剣連等の居合には全く興味が沸かなかったのも言わずもがな、です。現在の土佐直伝英信流御宗家は第21代 村永秀邦先生ですが、村永先生からは「居合体を創ることを念頭に置いてしっかり稽古しなさい」と叱咤激励を受けます。「居合体」とは武器を持っていない状態での姿勢、腰の据わりや力の強弱などのことで、それを日常生活でも実践できれば日本刀に振り回されることもなく身体の一部とさせることが可能になるのではと考えます。町井先生の稽古にも機会があればぜひ参加させていただきたいですが、ともあれ、近代において形骸化しがちな武道・武術が多い中、古武術の業と心法を次代に引き継ぐべく一流を創始された町井先生にはただただ頭が下がる思いです。今後ともよろしくお願いいたします。

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