因州住源寿光鍛之 昭和二十年二月吉日 ~靖国刀匠 二尺三寸四分~

因州住源寿光鍛之 昭和二十年二月吉日
– Inshu ju Minamoto Toshimitsu –
 
本名金崎義一。因州兼先系の刀工で、大正7年6月30日生。
池田靖光、堀井俊秀に師事。昭和12年、靖国神社日本刀鍛錬会入会。ここでは村上靖延に師事し、昭和17年に同会を退会して、昭和18年に鳥取の鳥城鍛刀舎にて鍛刀しました。
昭和18年には陸軍々刀展に於いて会長賞を受賞、戦時下の日本刀匠の序列に於いては入選指定刀匠として名声を博し、昭和19年には陸軍受命刀工に任命。昭和20年1月より2ヶ月の間、京都伏見稲荷神社刀剣鍛錬所に於いても鎚を振るい、終戦迄作刀に従事し、戦後はいち早く伯耆の砂鉄を求め、郷里鳥取に帰り作刀に勤しみました。
号は天日斎、天龍子。
受賞歴
大日本刀匠会名誉会長賞、日本陸軍受命刀匠総裁名誉賞、努力賞など多数受賞。
 
この刀は切先延びた凛とした姿に匂口締まった直刃を焼き上げた作品で、刃中には鼠足が頻りに入り、古雅な作風を示しています。同時代には二尺一寸~二寸の標準的な軍刀刃長の作品が多い中、本刀は特別な註文にて鍛えられた作と思われ、現代人の居合、武用刀としても頃合いな二尺三寸を超える当時としては珍しい長尺で、余力ある方は美術鑑賞用の然るべき研磨を施し、地刃の冴えをお楽しみ頂きたい一刀です。
 
※「靖国刀」は日本刀鍛錬会が靖国神社境内に置かれたことに由来し、主として高級軍刀や陸軍大学校の成績優秀な卒業生に贈られた御下賜刀(所謂恩賜の軍刀)などをてがけました。
 
裸身重量763グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,011グラム。

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