剣心将大 ~居合や抜刀に最適~

剣心将大 ~居合や抜刀に最適~
剣心 将大
– Kenshin Masahiro –
 
将大は京都府亀岡市で槌を振るう若手刀匠で、店主町井勲と共に質実剛健なる作刀に勤しんでおり、剣心将大銘の作品は町井勲プロデュースの武用刀です。
この刀は元先の差が程好く開き、地沸ついた精美な地鉄に広直刃を焼き上げた作品。刃中長い互ノ目足が頻りに入り、葉入り、匂口は締まるも柔らかさを感じさせる。帽子は乱れ込み先丸く返る。
 
附属の拵は店主町井勲監修の下誂えました武用拵で一切の妥協はございません。手持ちバランスもとても良く、居合や抜刀にも扱い易い武用仕様の一刀です。
 
裸身重量743グラム。  拵に納めて鞘を払った重量973グラム。

摂州大坂住吉重 ~柄新調済~

摂州大坂住吉重 ~柄新調済~
摂州大坂住吉重
– Sesshu Osaka ju Yoshishige –
 
江戸前期の寛文頃、大坂ときわ町にて槌を振るった相模守國維の初銘、吉重銘の作品。二代丹波守吉道の下で作刀を学び、源維とも銘切り、後に伊予に移りました。業物として知られる刀工です。
 
この刀は反り浅目で元先の差がさほど開かず、一見手持ちが重い刀に見えるも、実際に手にしてみるとバランスは手元重心気味で実際の重さよりも軽く感じられます。地鉄は小板目肌練れて詰み、刃文は柊の葉を思わせる尖り互ノ目丁子乱れで、足入り、締まった湯走を伴い、帽子は横手で互ノ目を焼き込み、先直ぐに丸く返り、長く棟焼きを形成しています。諸手持ちで使用依頼に基づいたためか、新刀の割に茎は長く造られています。
 
時代物n柄が附属していましたが、柄木の捻じれが気になったため、店主町井勲監修の下鐔等全て構図の良い現代金具を用いて新調しなおしました。安心して存分にお稽古にもお使い頂けます。
現状、刀身に歪が見られます。芯出しご希望の方は別途10,000円~20,000円(税別)にて店主町井勲自ら完璧なる芯出しを行いますのでお気軽に御用命下さい。

町井勲、町井竣哉 親子対決

濃州住亮信作

濃州住亮信作
– Noshu ju Akinobu –
 
 
土岐亮信。岐阜県にて槌を振るった昭和の刀工で、陸軍受命刀匠を拝受。昭和16年新作日本刀展覧会に於いて第2席(準國工)に列せられた名工で、聖代刀匠位列では、( 上工の列 ) 大業物 関脇格に列っせられています。
 
この刀は元先の差が程好く開き、中切先の上品な姿で、手元重心でバランスが良く、実際の重さよりも軽く感じられます。刀身に瑕疵はありませんが、茎に刻されていた刻印を登録時に削り落してあります。地鉄には地沸がよく付き無地。刃文は匂口明るく冴えた互ノ目乱れで、丸みを帯びた三本杉風。乱れの谷に太い足が入る。帽子は表裏共に直ぐに大丸に短く返る。
 
当店仕入時は身鞘ではばきしか付いていない状態でしたので、店主町井勲監修の下、構図の良い金具を用い、武術稽古にも耐えうる武用柄を新調致しました。刀身の歪は店主町井勲自らが槌を振るい、完璧なまでに芯出ししております。柄、刀身共に一切の狂いはございません。
研磨を施してからご紹介しようか迷ったのですが、試斬稽古には影響無い程度の薄錆故、研磨を施さずお求め易い価格でご提供致します。上述の通り手持ちバランスが非常に良い一刀ですので、扱い易さは太鼓判を押させて頂きます。
 
裸身重量791グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,030グラム。
 
 
各種クレジットカード、セディナショッピングローンによる分割購入も承っております。お気軽にお申し付け下さい。

助宗

助宗
– Sukemune –
 
 
元先の差さほど開かず、反り浅目で切先延びた鋭い造り込み。地鉄は小板目杢交じりで良く練れて詰み、少しく肌立つ。刃文は匂口明るく冴えた小湾れ調子の互ノ目乱れで、焼頭に細い足が複数入って互ノ目を細分化している。物打辺りから焼きなましが施されており、現在の研磨状態では少し見辛いものの、然るべき観賞用研磨を施すことでもう少し見易くなります。
 
附属の九八式陸軍刀拵は外地へ持参された形跡が無く、ほぼ未使用の良い状態で、鉄やアルミ鞘が多く経眼される陸軍刀に於いて、本刀の拵は木地に本漆による石目塗が施された高級品で、柄頭には桔梗紋が据えられています。金具は全て132番揃。完璧なるオリジナルです。
※塗に乾燥による罅割が二ヶ所見られますが、殆ど気にならない程度の物です。
 
裸身重量684グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,052グラム。
 
 
各種クレジットカード、セディナショッピングローンによる分割購入も承っております。お気軽にお申し付け下さい。

無銘

無銘
– Mumei –
 
 
元先の差が程好く開き、切先延びごころ。総体に鋭さを感じさせる。地鉄は小板目肌よく練れ、地景入り、刃文は匂口明るい直刃を焼き上げ、刃中に長い金筋や稲妻を伴う。手持ちも良く軽く感じられるので、片手操作の居合稽古にお薦めの一刀です。
 
附属の拵は店主町井勲監修の下で新調致しました武用拵です。柄に捻じれ等一切無く、柄と刀身の芯合わせも完璧。構図が良い現代金具を用いていますので見た目も渋く格好が良く、石目塗りなので鞘引きもし易い。薄手の鐔を装着してありますので、将来お好みの鐔に交換されることも考慮し、切羽を一枚多めに組み上げております。
 
裸身重量686グラム。  拵に納めて鞘を払った重量922グラム。
 
 
各種クレジットカード、セディナショッピングローンによる分割購入も承っております。お気軽にお申し付け下さい。
 

絶対にしないで!! ~鐔鳴りを切羽の加算で抑える間違った方法~

私はこれまで多くの刀を見てきました。

同業者の市場に並ぶ刀、お客様ご所有の刀等色々です。

 

そんな経眼してきた刀の中、とりわけ多いのが居合を嗜む人による目釘穴や柄の損傷なのです。

刀を振ると鐔が動いてカチャカチャと音が鳴る事を“鐔鳴り”と称します。

鐔鳴りがする状態を放置していると、鐔が動く度に刀の茎(なかご)が摩耗し、鐔を装着している部分が細くなってしまいます。(※下写真参照)

鐔鳴りによって摩耗した茎

実用面からも、保存の観点からも、鐔鳴りは早々に直した方が良いです。

鐔のガタツキを直すには“責金(せめがね)”と呼ばれる工作を行います。

鐔の責金

この鐔の刀の茎を通す穴の上下に、素銅(銅)が嵌め込まれています。これが責金です。

刀剣保存の観点から言うと、鐔の茎穴は刀の茎にピッタリに削るのではなく、気持ち一周り大きく削り、上下に責金を噛ませるのが最上です。

刀の銘には鏨枕(たがねまくら)と呼ばれる、銘を切った際に文字の周りが盛り上がった部分があるのですが、少しでも健全に刀剣を保存したい人は、鐔の装着時に鐔が擦れることによって、この鏨枕が削れてしまうことを忌み嫌うのです。

刀剣が今の時代、拵に納められず白鞘に納めて保存する理由には、このように茎の鏨枕を守るためと言うのも含まれています。

特に小柄が装着されている拵の場合は、更に早急なる責金補修が必要です。何故なら鐔が定められた位置に固定されていないため、小柄袋を傷めてしまうからです。

鐔によって傷ついた小柄袋

上の小柄袋の先端をご覧ください。鐔が当たったために変形をきたしています。

また、鐔が正しく固定されていない場合、鐔に施された各種彫刻が損なわれてしまうこともあります。切羽台の際に容彫で象嵌された花や人物、動物など、折角の良い仕事が鐔がずれている状態で組み立てられることにより、切羽と縁金具に押し潰されてしまうのです。

 

さて、居合を嗜む人の多くは、居合を健康のためや侍に憧れてといった動機で嗜まれている方が多いため、刀剣の知識に乏しい方が殆どで、指導する側の道場や先生方も、居合に関する知識はあっても、刀剣の作法については素人であることが多いです。

事実、私が英信流を学んでいた頃の師である故、吉岡早龍師も刀剣作法に関してはずぶの素人でした。

鐔鳴りがする刀に対してどのような方法で鐔鳴りを解決するかと言いますと、切羽を一枚加算するという手法。鐔に圧力をかけることで鐔鳴りをし辛くするわけですが、これは絶対にしてはいけません。

刀の目釘穴と柄の目釘穴はぴったりと合致するように造られています。そこへ仮に厚さ1ミリの切羽を加算したとしましょう。すると刀の目釘穴と柄の目釘穴との間に1ミリのズレが生じることになります。

両者の目釘穴が合致していない状態で目釘を無理矢理叩き込みますと、柄の目釘穴は差し込む側は広がって間延びし、抜ける側の目釘穴は目釘の一部が柄下地に当たるため正しく目釘が装着できず危険です。それでも尚無理矢理に目釘を叩きこめば、柄下地が割れてしまうのです。

当然ながら茎にピッタリと合わせて掻き入れされている柄木に、切羽一枚分浮いた状態で茎が納められることになりますので、この状態で刀を振ると、柄の中で茎が踊って柄木に負担がかかり、今度は切羽を抜いた状態で納めても、柄の中で刀身が遊んでしまうガバガバ状態になってしまい、もはや柄としての用をなさなくなってしまいます。

↑鐔鳴りを切羽加算によって解決しようとした結果、目釘穴が広がってしまった時代物の拵の柄

これでは不安ですので美術刀剣刀心にて柄を新調しました。

柄の目釘穴と刀身の目釘穴が気持ち良く合致しています。

 

鐔鳴りは絶対に切羽の加算で対処しようとせず、専門の職方に依頼して鐔に正しく責金を施してください。(※責金を行っても、使い続けているうちに再び鐔鳴りは発生しますので、その時には再び責金を施して下さい。)

責金は概ね5千円~1万円程です。

たったそれだけの金額をケチッたがために無残に壊された柄は数知れず。

「私居合を嗜んでおります。」 と言うのでしたら、せめて最低限の刀剣知識も持ち合わせたいものですよね。

どうしても責金を施す予算がないという方は、鐔と茎との隙間に竹片や木片を詰めると良いでしょう。ホームセンターで入手できるグルーガンを使って、鐔の茎穴の上下に樹脂で責金をされても良いでしょう。

このグル―ガンでの簡易責金を私が提唱したところ、藁斬り抜刀斎と名乗るユーチューバーがとんでもない勘違いをし、直接グル―ガンで茎と鐔を接着する方法をユーチューブに動画で紹介していましたが、これは感心できない行為ですので真似はしないでください。

我が国の刀剣類は貴重な文化財です。正しい知識の下で正しく刀剣を扱い、楽しみ、健全な状態で次の時代に橋渡しできるよう、どうか皆様も御協力ください。

 

無銘 ~地刃完璧なまさに美術鑑賞向けの一刀~

無銘 ~地刃完璧なまさに美術鑑賞向けの一刀~
無銘
– Mumei –
 
元先の差程好く開いて切先延びた如何にも物斬れしそうな造り込み。地鉄は小板目杢交じりで良く練れて詰んで精美。刃文は匂口明るく冴えた互ノ目乱れに互ノ目丁子交じり、刃中よく足入り、雲棚引くかの如く上品なる砂流がかかる。帽子は表裏直ぐに先掃き掛けて丸く横手下迄長く返る。
鍛錬疵皆無で地刃の出来が頗る良い作品です。これだけの出来で何故銘を切らなったのか、何か事情があってのことかもしれませんね。現状では薄錆が見られますが地刃の観賞は可能。出来良い作品だけに上研磨を施して鑑定に出して頂きたいお薦めの逸品です。
 
附属の拵は店主町井勲監修の下新調致しました武用拵です。デザインが良い現代金具を用いました。鐔がやや薄手なので、御購入後に他の鐔に替えられたいと思われた時のために、店主町井勲の粋な計らいで、切羽を一枚多く装着させています。
 
裸身重量813グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,047グラム。

無銘(越前兼則) ~出来華やか~

無銘(越前兼則) ~出来華やか~
無銘(越前兼則)
– Mumei(Echizen Kanenori) –
 
兼則は室町時代後期に美濃関で活躍し、後に越前一乗に移り住んで鍛刀した越前刀工で、銘鑑によると「慶長五年」紀の作品や「関ヶ原御陣作之」と所在地名を添えた作品が残されている事から、その製作時期を窺い知る事が出来ます。兼則の刃味は凄まじく、良業物としてもその名を轟かせる名工です。
 
この刀は磨り上げられても尚、腰元から上で反り始める所謂先反りの姿を留めており、元先の差は程好く、地鉄は小板目杢交じりで柾がかり、よく練れて詰むも所々肌立ち、黒味がかった鉄交じり、刃文は匂口明るく冴えた互ノ目を焼き上げ、尖りごころの刃交じり、互ノ目丁子交え、刃中には金筋や葉が現れ、特に指表の下の方には一際太く長い金筋が顕著に現れている。帽子は表裏共に乱れ込み、先丸く返り、総じて賑やかで出来が良く、手持ちのバランスも良い。
 
裸身重量709グラム。  拵に納めて鞘を払った重量994グラム。

無銘 ~柾目鍛えの手持ちバランス良い一刀~

無銘 ~柾目鍛えの手持ちバランス良い一刀~
無銘
– Mumei –
 
鍛えられた当初は元幅があと2ミリは広かったものと思われるが、総じてやや細身のスラリとした反り浅目の姿が印象的。地鉄は柾目鍛えで、地鉄に絡んで沸付き、幾重にも映りとも、湯走ともとれる地鉄の変化を見せている。刃文は浅い小湾れ主調に腰が低い互ノ目を交え、所々尖りごころの刃を交え、柾目肌が強く現れている。帽子は表裏直ぐに先焼き詰め風に短く大丸となっています。なかなか面白い出来口ですので、上研磨を施して更なる地刃の働きを楽しみたいものです。構えてみると手元重心でバランスが良く、扱いやすさを感じさせる一刀です。
※製作年代を江戸前期と表記しましたが、時代が下がって江戸後期の可能性もございます。
 
附属の拵は縁頭に丸に二つ引き両紋があしらわれ、鞘は黒の刷毛目塗り。鞘尻には鉄地の鐺金具が添えられています。
 
裸身重量695グラム。  拵に納めて鞘を払った重量987グラム。