宇多 ~大切先の豪壮な一刀~

宇多 ~大切先の豪壮な一刀~

無銘(宇多)
– Mumei (Uda) –
https://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/701/00.html

宇多派は鎌倉時代末期の文保頃に、大和国宇陀郡から古入道国光が越中に移住したことによって興り、以後室町時代に渡って繁栄しました。
中でも鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての作品を古宇多、室町期の作品を宇多と、それぞれ称呼しています。

この脇指は腰元より上で強く反り、地鉄は板目に杢交じって柾がかり、大和の系譜を感じさせる出来口を示した作品で、元先の差がさほど開かず、切先が大きく延びた鋭く力強い姿が印象的。
刃文は小湾れ調子に互ノ目乱れを焼き上げ、匂口は柔らかい感じで刃中刃肌に絡んで豊かな景色を見せ、砂流随所に現れ、帽子は表裏共に直ぐに先丸く短く返っており、豪壮さと、古刀ならではの地鉄の美と刃中の働きを堪能できる一刀です。

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