伯州吉幸 ~千変万化の働きを楽しめる優刀~

伯州吉幸 ~千変万化の働きを楽しめる優刀~
無銘(伯州吉幸)
– Mumei(Hakushu Yoshiyuki) –
 
吉幸は生国出雲能義郡小佐村で、山崎平右衛門吉広の子として生まれ、後に清水正吉(吉行)の養子となり、名を清水藤四郎と称し、米子に住しました。作刀に関しては初銘を吉行、後に吉幸と改銘。号を曙峯軒と称し、生国である雲州に於いても作刀しています。明治19年9月21日75歳で没しました。
 
この刀は元先の差が程好く開き、江戸後期に一世風靡した復古論に乗じた先反り(先反り=腰元から少し上で反りが付き始める姿)で、刃物でありながらどことなく優しさを感じさせます。地鉄は小板目肌よく練れて少しく肌立ち、地沸付いて地景入る。刃文は匂口明るい小沸出来の大湾れで、匂口締まり、湾れの山の部分には小足が頻りに入って細かな丁子乱れを呈し、刃縁には細かな砂流や金筋、稲妻が見られ、葉入り、指裏の元の方には食違刃の如き働きも見られ、千変万化の景色を楽しませてくれます。帽子は表裏共に直ぐに小丸に返っています。
 
特筆すべき鍛錬疵が無く、美術鑑賞刀として申し分ない出来口を誇っており、銀無垢のはばきには丸に違い鷹ノ羽紋が刻され、大切にされていた様子が窺えます。
既成鞘に綺麗に納まりますので、税込み66,000円にて簡易武用拵製作可能です。
 
裸身重量833グラム。

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