於播州手柄山麓氏繁以瀑(以下切) 寛保甲子二月吉日

於播州手柄山麓氏繁以瀑(以下切) 寛保甲子二月吉日
– Oite Banshu Tegarasanroku Ujishige Motte sarashi –
 
 
「手柄山氏繁」は、播磨国(現在の兵庫県)の手柄山(現在の姫路市西南にある小山)で槌を振るった刀工です。武士に於いて手柄を立てるということは、この上ない誉れであることから、氏繁の銘に見られる手柄山の銘は、縁起が良く、立身を目指す士にとって人気が高かったと言われています。
初祖は「氏重」で、大和大掾を受領して3代まで続きましたが、藩命により「氏繁」と改名。その後、四代氏繁(正繁)は別家を樹立しました。その四代氏繁(正繁)の作刀は、新撰組「永倉新八」の愛刀として有名です。
 
本刀は年紀から初代氏繁と鑑せられる太刀で、身幅細めで元先の幅差がさほど開かず、切先大きく延びて豪壮な姿を誇っており、地鉄は小板目肌よく練れて詰むも所々肌が立ち、地沸付き、刃文は匂口明るく冴えた互ノ目を、三つ乃至四つ一組に焼き上げ、刃縁には大粒の沸が絡み、乱れの谷には砂流が見られ、帽子は直ぐ調に気持ち乱れごころを交えて先丸く長く焼き下げています。
磨り上げられていることが惜しまれますが、銘文にあります『瀑』は『さらし』と読み、本刀は『以瀑鍛(もってさらしぎたえ)』と銘切られていたものを推測されます。尚、瀑鍛えとはどのような鍛法なのか明確には知られていませんが、細川正義が「鍛えては水に浸けを繰り返す」と記していることから、そのような鍛法を指すものと考えられています。
 
付属する拵には現岡山県の備前藩主池田池の所謂備前蝶があしらわれており、柄前には鮫を着せず、鞘同様の変わり塗りが施され、そこに黒糸にて平巻きに仕上げられています。鞘には経年に伴う小さな凹みは見られるものの、致命的な傷や凹みは見られず、保存状態は良好。
鞘を払って構え見ると、手元重心でバランスが非常に良く、質実剛健な一刀であることがすぐにお判りいただけることでしょう。
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裸身重量701グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,018グラム。
 
 
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