刀 肥州八代住吉次作 昭和五十六年二二月日 ~まるで短刀や脇指を手にするような手持ちバランスの良さ!~

cm1410

肥州八代住吉次作 昭和五十六年二二月日
– Hishu Yatsushiro ju Yoshitsugu –
 
山田純次。昭和6年生まれ。八代萩原町住。昭和27年より県重要無形文化財、無鑑査であった谷川盛吉刀匠の下で作刀を学び、新作名刀展では数々の賞を受賞しています。
 
元先の幅差程好く開いて中切先延びごころ。小板目肌柾交じりよく練れた地鉄に匂口明るい直刃を焼き上げた作品で、刃縁は地鉄に絡んで長い砂流や金筋が随所に見られ、鋩子は直ぐに先丸く返っています。
現状では総体に変色程度の薄錆が見られますが、再研磨を施すことで見違える程良くなります。何よりも手持ちバランスが最高に良く、鞘を払って構えてみると、まるで脇指か短刀を手にしたような錯覚すら覚えます。まさに片手操作を重視して鍛えられた一刀で、居合稽古に最適な一刀と言えます。
 
附属の拵は居合稽古時の鞘割れにも強いように、栗形下迄藤で巻き、その上から塗りを施した手が込んだ造りで、金具は鐔以外は全て時代物を使用しており、柄糸は鹿革による上撮巻で、切羽は銀無垢で綱目模様を刻んだ高級品。本刀の拵を誂えた先の所有者の思い入れがひしひしと感じられる逸品です。柄にガタツキも無く、非常にしっかりとしています。

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