素槍 於和州郡山筒井越中守輝邦入道紀充 延享三年八月日行年八十歳

素槍 於和州郡山筒井越中守輝邦入道紀充 延享三年八月日行年八十歳

於和州□□筒井越中守輝邦□□紀充 延享三年八月日行年八十歳
– Oite Washu □□ Tsutsui Ecchu no kami Terukuni □□ Norimitsu –
https://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/nagae/050/00.html

紀充は大和文珠派の鍛治、越中守包國の子として寛文6年に生まれ、俗名を筒井輝邦と云い、始めは父の銘を継いで包國と名乗るも、 元禄の末から宝永の初め頃に入道して銘を紀充と切りました。
大阪初代吉道に師事し、初め大坂に住し、阿波でも作刀し、後に大和国大和郡山の九条に住しました。業物として名高く、銘は「筒井越中守輝邦入道紀充」「於和州郡山筒井越中守入道紀充」等と切り、延享4年1月11日に81歳で没しました。

この槍は平三角造。ケラ首丸形。茎長さ37.2センチ。ケラ首根本幅18.2ミリ。
元先の幅差頃好く槍らしい姿。地鉄は柾気強く、地沸付いて地景入る。刃文は直刃調に極僅かに広狭を見せ、鋩子は直ぐに丸く返る。
銘文の一部が判読出来ず□□としましたが、『於和州郡山筒井越中守輝邦入道紀充 延享三年八月日行年八十歳』で間違いないでしょう。
年紀を見るに亡くなる一年前の80歳時の作品で、奈良県登録であることから鑑ても解るように、長らく外に出る事無く、地元に伝え残されて来た紀充晩年作の貴重な一筋且つ名槍です。

裸身重量206グラム。

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