ごめんなさいは負けではない

私の知人に絶対に謝らない人がいます。

真摯なごめんなさいはもとより、軽い感じでごめんねと言うことすらできません。

だから知人はしょっちゅう他人を怒らせ、小さないさかいを大きな喧嘩に発展させてしまうのです。

私は腹の中でどう思っていようが、その場を円くおさめることができるのなら、ごめんなさいねと何の気兼ねもなく言えるのですが、その知人曰く、悪いと思ってないのに謝る必要はないし、心からの謝罪の言葉ではないものを言われて相手も嬉しいわけがないと言うのです。

なんだかなぁ…

と私は思うのですが、以前少しだけお付き合いしていた某空手家の先生は

「男が簡単に謝ってはいけない。」

と私に言いました。

確かに安易に謝るのも要らぬ誤解を招いたり、己が不利に立たされたりするのでわからないでもないのですが、やはり私はごめんなさいの一言はとても大切なものだと思います。

因みに上述の空手の先生は、明らかに自分が悪いことをしたのにもかかわらず最後までごめんなさいは言わなかった。有言実行と賞賛すべきことかと言えばそうは思えません。自分が犯した悪いことに対して謝罪ができないその先生を、私は傍で見ていてとてもかっこ悪い自分勝手な人だと思いました。

私は妻と喧嘩しても、必ず自分の方から折れます。夫婦喧嘩の原因はいつも些細なことなので、互いに言葉を選び、言いたいことを我慢できれば喧嘩にもならないのでしょうが、なかなか理想通りの言動ができないのが歯がゆくもあります。とにかく妻はプライドが高く、喧嘩後も暫くは苛立った姿をみせるので、早く普段の妻に戻ってもらいたいと思う私は、自然と自分の方から折れるのです。

男の方から妻に謝るなんて、侍の時代(武家階級の世界)では考えられないことなのかもしれませんが、私は自分からごめんねと言う言葉をかける姿を子供に見せることで、子供達に素直にごめんねが言える大人になってもらいたいと思っています。そんな理想を掲げているつもりですが、子供たちから見ると妻に頭が上がらないダメ亭主に見えているかも(笑

私はごめんねの一言が、心からの謝罪ではないものだとしても、その場を円く収めるために必要であればそれは意味がある一言だと思います。

そうですね…

例えば、燃えやすい物の近くに火がついたタバコの吸殻があったとしましょう。自分は絶対に悪くないから軽いノリのごめんねも言えない人と言うのは、

「自分が捨てた吸殻でもないのに、どうして自分が消さなきゃいけないの?」

と言う人のようだと思います。

小さな火種がボヤになり、やがて大火事に発展してしまうことを防ぐには、ごめんなさいという言葉の水をかけることも必要ではないでしょうか?

火種を消したあとに誰が捨てた吸殻なのかを特定すればいい。それが最善の方法だと私は信じてやみません。

 

私が幼い頃には素直に謝ろうとか素直に感謝しようというのを啓蒙するテレビCMがよく流れていたものですが、最近はそう言う道徳を説くCMもめっきり減りましたね。

町井家の端午の節句

長男、次男、三男までは本歌甲冑と陣太刀や弓、鉄砲などを飾って端午の節句を祝っていたのですが、子供の数が増え、四男以降になると、甲冑を出して飾るのも億劫になり、また、店内には常に五領の甲冑を飾っていることもあって、本格的なお祝いをすることがなくなっていました。

ましてや妻にしてみれば甲冑を部屋に飾るのは、なんだか怖い… という女性ならではの反応も…

そうして長らく行われていなかった町井家の端午の節句が、数年振りに蘇ったと言う今回のお話。

 

妻に頼み込んでようやく「5月中だけね。」と、床の間に甲冑を飾る許可を得たのが一昨日のことでした。

実は六年前、松代藩真田家臣、神戸家の子孫の方から、直接家伝の甲冑一式をお譲り頂きまして、いつかは飾りたいと夢見ていたのです。因みにご子孫の方、お子様がおられなかったため、私にお譲り下さった次第です。

骨董市場に出たことがない家伝の甲冑ですから、巷で見かける各部寄せ集めや、三具がすりかえられたものではなく、完全なオリジナル。これ、今の時代には本当に貴重なのです。

業者が集う交換会(競り市)を覗いたことがある人ならご存知でしょうが、一式揃った甲冑が、売り手の都合によって躊躇無くバラ売りされています。これは兜や面頬だけを収集する数寄者にも原因があります。

骨董市でもたまに見かけますが、「胴は要らんねん。場所とるし飾る場所ないからなぁ。兜だけ売ってくれへんか?」と交渉する人が結構多いのです。

また、一式揃っているものに対しては付加価値をつけるべきところが、何故か骨董の世界でも家電のセット売りの如く逆に安く販売されているのも、甲冑がバラされてしまう要因の一つ…

そうした現在ですから、尚のことこの神戸家の具足は貴重であり、私は売却することなく、町井家の家宝として後世まで遺し伝えたいと考えている次第です。

さて、この甲冑への想いを熱く語ってしまいましたが、節句祝いに話を戻します。

神戸家の具足は一荷櫃と呼ばれる二個一組の鎧櫃に納まっています。

まずはバランスよく床の間の中央に二つ並べて行きます。写真は鎧櫃を置くための台で、こうした付属品もしっかりと残っていることは非常に好ましいですね。

鎧櫃から各部を取り出し、梱包を解いていきます。

籠手に施された繊細な仕事。鎖の編み込みも丁寧。何よりも鉄味が良い。ただならぬ甲冑であることが籠手を見るだけで判ります。

飾り付けの準備をしていると、三男が「お父さん、面頬つけていい?」と言ってきたので、記念に一枚パチリ!

鎧櫃に同梱されていた采配も添え、甲冑飾り完了!!

しかし、最後の最後にとんでもないミスが発覚。

鶴首と呼ばれる前立を兜の祓立に装着するための金具を、鎧櫃の中に残したままでした(愕然

折角飾り付けたのに、鎧櫃の蓋を開けるためにだけにまた飾りつけし直し…

悪魔が囁きました。

「このままでいいじゃない?」

と(笑

 

台所から割箸を持ち出し、適当な大きさに加工して、即席鶴首(鶴首状ではないが)を造って前立を装着。

 

そのため前立が本来の位置より2~3センチ上になってしまいました…

が、まぁ、そういうミスもあるということで…

 

では、以降劇的ビフォーアフター口調でお読み下さい。

 

 

♪BGM

なんということでしょう。

掛軸しかかかっていなかった床の間が匠の手によって荘厳な空間へと変貌を遂げました。

 

 

床の間に佇む神部家の甲冑。

赤備えで名を馳せた真田家。その家臣である神戸家の甲冑も、胴を赤の萎革包としています。

甲冑を気持ち悪がっていた町井さんの奥様も、この甲冑が織り成す荘厳な空気に、きっと考えを改めてくれるに違いありません。

兜の祓立には、匠自ら割箸を削って造った鶴首モドキが…

一気に華やかになった町井家の和室。来年からは、毎年子供達が甲冑に眼を輝かせる節句が送られることでしょう。

弓も飾ろうと思いきや、将平刀匠に二張とも預けていることに気付いた町井さん。

せめて太刀だけでも飾ろうと思うも、家伝の太刀はショーケースの中、どうしたものかと思っているところへ、新たな匠(うぶ出し骨董商)が飾るに相応しい糸巻陣太刀をタイミング良く売りにやってきました。これには町井さんも大喜び。欲しい金額に気風良く2万円つけてお買い上げ。

早速店内(美術刀剣 刀心)から太刀を飾るに相応しい金梨地塗牡丹蒔絵の太刀掛を持ち出し、神戸家甲冑の左脇へ。

そして厳かに陣太刀を立て掛けました。

 

♪BGM

なんということでしょう

太刀を掛けたとたん、まるで昼間のように和室がパッと明るくなったではありませんか。

※実際には甲冑を飾りつけた夜から日が変わり、五月五日のお昼になっただけです(笑

采配は右側に置いた方がいいんじゃないの? と言った野暮なことは言ってはいけません。

こうして匠による立派な飾りつけで和室が豪華になったところで、町井さんの六男さんが戻ってきました。

「うわぁ めっちゃかっこいい!!」

立派な甲冑と陣太刀の飾り付けに六男さんも大喜びです。

こうして四男以降、長年催されることがなかった町井家の端午の節句も、無事再開されることになりました。

 

 

さて、このまま放置しておいて、六月になっても甲冑をそのまま床の間に飾り続けてやろう…

などと匠(町井)が目論んでいることは奥様には内緒です。

 

 

 

とだ鍼灸指圧治療院

とだ鍼灸指圧治療院

昨年の11月の中頃からでしょうか、右肩に痛みを感じ、デスクワークをしていても、右腕に強い違和感を感じずには居れませんでした。

ジムでの筋トレにおいても、左腕に比べて右腕が力を出せない状態で、思うようにトレーニングもできません。

近頃では居合稽古にも支障が出てきたため、住数年ぶりに川西市内にある「とだ鍼灸指圧治療院」に行きました。

戸田先生は私のことを覚えて下さっていて、懐かしい話に華を咲かせつつ、右腕の筋肉をほぐして下さいました。痛みを招いた原因は、就寝時の姿勢にあるとのこと。

実は私、テレビを見ながら寝る習慣がありまして、リビングでいつも右側を下にしているものですから、おのずと右腕に無理がかかっていたようです。

1時間の施術を終えた私の身体はかなり軽くなり、腕の痛みもかなりひきました。

思い返せば、近所だからというだけの理由で通った戸田先生のところですが、ドイツでの演武を前に腰を痛めてしまった私を、渡航直前まで毎日治療して下さったお陰で、私は無事にドイツでの初演武を行うことができました。たまたま看板を見て入ったわけですが、しっかりとした腕を持つ先生のところだったことは、本当に奇跡だと思います。

 

とだ鍼灸指圧治療院

兵庫県川西市中央町17-22-1

 

身体に異常を感じたら、一度訪ねてみられると良いですよ。

 

吹田市方面ではこちらもおすすめ

木下カイロリサーチ
吹田市泉町4丁目38番24号

 

ダメだ… ~何があった!?~

天才 藤安将平

先ほどまたもや将平刀匠から電話が…

どうしました?

と応答するや、深い溜息と共に

「ダメだ…」

 

!!??

 

先程の作品に刃切などの致命的な欠点でも出たのか!?

束の間の喜びだったのか!?

落胆しそうになった私に将平刀匠がこう続ける…

 

「ダメだ… これはどっからどう見ても現代刀には見えないよ…」

 

嬉しさと驚きによる溜息だった。

 

「あぁ、早く町井さんに見せたい。」

「僕も早く手にとって見たい!」

 

そんなやり取りで10分程会話。

前回、「これまでの最高傑作!」と言っておられた作品をまたもや越えた将平刀匠。

今後の作品が益々楽しみです。

天才

藤安将平刀匠と平成の侍町井勲

写真:天才藤安将平刀匠と私。手にするのは愛刀“BB弾斬将平”

 

 

天才

この言葉は藤安将平刀匠のためにあるのではないか?

そう思うことが多々あります。

皆様も周知の通り、私は藤安将平刀匠の作品とその人柄に惚れ、時には借金を重ねてまで将平師の作刀を応援し続けています。

その甲斐があり、将平師の作品は古刀に紛う域に達したと言っても過言ではないでしょう。

私が古い刀や将平師の作品を売って資金を作り、将平師には思いのままに作刀をして頂いています。

いつか将平師の作品を展示する将平刀剣美術館を作りたい。その思いも日々増しています。

今日はつい先ほど将平師から

「とんでもないものが出来てしまった!」

との朗報がありました。

過去最高の地鉄、焼刃とのこと。

「今夜徹夜で仕上げるから! 町井さんに早く見せたい!」

受話器の向こうから聞こえる将平師の明るい声。私も早く実物を拝見したくてうずうずしています。

町井家の重宝として発注した小烏丸写しも、今回と同じ手法で鍛えて下さるとのこと。立派な太刀拵を誂え、子々孫々伝えて行きたい。

宗近写し…

五条兼永写し…

熱田神宮蔵の大兼房写し…

続々と名刀の写しが出来上がりつつあります。

いつか皆様とこれらの作品を将平刀剣美術館で眺めたいものです。

 

今後も将平師の作刀を応援すべく、順次将平刀を御紹介してまいります。乞うご期待。

愛刀 BB弾斬将平

 

愛刀 BB弾斬将平

 

愛刀 BB弾斬将平

写真は私の武用愛刀、“BB弾斬将平”

神速の居合術DVD発刊に至る経緯

私がツイッター等、ネット上でその存在と系譜に関してかねてより警鐘を鳴らしてきた天心流兵法。

ここ最近では特に陰湿なる天心流兵法擁護者とのネット上での議論(議論とも言えないくだらない嫌がらせだが)にいささか疲れていました。

ネット上では大多数が善であり、少数派は悪と言う構図も自然と出来上がるものだと、今回天心流兵法に触れてみてつくづく実感した次第です。

一部のツイッターユーザーに、「なにより、修心流の批判に賛同する人がほとんどいない。当然の結果だと思う。」と記述されたことは、私個人的にとても悔しい思いでいっぱいでした。

昔から長い物に黙って巻かれることができない性分であり、真摯に古武術としての居合を今も研究している私には、天心流が紹介する記事の内容、動画、どれをとっても首肯できるものは無く、むしろ嘘もつきとおせば真実になるとの言葉があるように、事実、天心流兵法はすでに失伝したであろう三日月藩にあった天心流そのものと、数に勝る天心流擁護派によって既成事実となりかけていました。

更に拍車をかけるようにNHKワールドスポーツが、調査裏取りをつけずに番組内において天心流兵法をとりあげてしまったことは、正統なる日本武術史の観点から見て、NHK最大のミスだと私は考えており、当該番組の責任者及びリサーチ会社は、当該番組中に於いてしっかりと謝罪すべきものだと考えます。

さて、前置きが長くなりましたが、BABジャパン様より発売されました神速の居合術DVD発刊に至る経緯をここに記します。

 

かねてより天心流兵法の動画に見られる基礎が出来ていない単なる早抜き(敢えて速抜きとは記述しません。早と速は意味が異なるからです)と、物理的にありえない形の紹介動画に対し、私はダメ出しをし続けてきました。

私のことを快く思わない方の中には、「町井は天心流兵法に嫉妬している」などと受け取られた方も数多おられたことでしょう。

天心流兵法はネット戦略が巧みで、コスプレを好む方や、漫画を描かれる方、俄かに侍に憧れる方に評判が良く、それらの方々は天心流兵法が発信する情報を鵜呑みにされ、間違った刀法をそのまま自身の漫画やイラストに取り入れてしまうなど、悪意無き武術史、武術の捏造拡散に加担されてしまいました。

私と渓流詩人さんがどれだけ警鐘を鳴らそうとも聴く耳を持っては下さいませんでした。むしろ攻撃的な意見を発する擁護派ばかりだったと言って過言ではないでしょう。

常々口にしてきたように、天心流兵法が江戸前期創流の古武術であるとか、柳生宗矩云々とか、江戸柳生分流だの、宝蔵院流影派だの、三つ葉葵紋並びに柳生笠紋の使用など、度を過ぎぬ広報活動をしていなかったなら、数多散見する系譜捏造流派の一つとして見向きもしなかったと思います。ただ、彼らが踏み越えてはいけない境界線を越え、武術を知らぬ素人や外国人に過大広報活動をしてしまったことは許されざるものと考えます。

「古武術 天心流兵法の写真、動画における創作でのトレス、模写の使用フリーに関して – Togetterまとめ 以前から多くの反響を頂いております天心流の写真、動画について、新たにツイートしたものをまとめました」

の一文に対し、「なんて親切なの」と喜びトレスしてしまった方も、はっきり申し上げて日本古武術史陵辱に加担した一人であることと、事の重大性を自覚されたし。

何気なくトレス使用したその構え、技、作法など、それらが漫画や同人誌という形で広く拡散されてしまうことで、それらの構え、技、作法は古来より伝承されてきたものであるという誤解がどんどん広まってしまうのです。そう、韓国が発信するありもしなかった従軍慰安婦の話が、今や既成事実のようになってしまったのと同じように… 従軍慰安婦問題もたった一人の朝日新聞記者が引き起こした騒動です。嘘は塗り重ねていくと真実と化してしまう恐ろしさに気付いて下さい。「単にトレスしただけ」では済まされないのです。どうか事の重大性に気付いて下さい。

 

さて、実は私の居合術(修心流居合術兵法)に関するDVDの製作に関しましては、もう何年も前から数社が企画提案されてきましたものを、私は悉く断って参りました。

その理由としては、今現在はこう考えているが、数年先にはまた違う考えになっているかもしれないし、今現在の自分の居合を否定しているかもしれない。と考えていたからです。この考えは他の武術家の先生方にも見られ、植芝盛平翁の書の師でもあり、合氣道十段(非公式)であった阿部醒石先生も同じお考えのもと、生涯に渡り合氣道に関する書籍は一冊も出されませんでした。(※私の記憶が確かなら)

 

そんな私が今回、何故BABジャパンさんからの企画を受け入れたのか? それは天心流兵法がネットを駆使して発する早抜き動画や情報に対する警鐘に他なりません。

あれらの動画を見て早いと賞賛される方々はずぶの素人と断言して良いでしょう。彼らの動画をしっかりと見定めたことがありますか?

刃筋立たぬ抜付と各種の振り。武術に長けた方ならそれだけで武術としてはダメだと結論を出されることでしょう。ところが素人は正否を見極める眼を持っていない。見極める方法の一つとしてお教えしましょう。彼らの動画をコマ送りしながらよくご覧になってください。鞘から抜ける瞬間、模擬刀がしなり、たわんでいることに気付くはずです。それだけではなく、各種の振りの中においても、模擬刀が変形して見える瞬間を見ることができます。これ即ち基礎が出来ていない証拠なのです。

 

しかし素人が圧倒的に多いネット閲覧者はそれに気付けません。天心流兵法の大袈裟で派手な動き、ありえない動きに憧れて門戸を叩き入門された方も多いはず。天心流が殺陣のサークルとして活動していたなら何も文句は言いませんが、真摯に武術に憧れて門戸を叩いてしまう方に対しては、老婆心ながらあの早抜きは全くなっておらず、むしろ正しく居合・抜刀術を身につけたい方には不適切であることを示さなければ、今のままではネットの勢いに乗った天心流の間違った刀法が世界に広まってしまうと言う危機感を覚えた私は、BABジャパンの担当者からのDVD発刊提案に対し、以下の約束を条件に発刊を承諾したのです。

 

月刊秘伝及びBABジャパンにおいて、天心流兵法を取り上げないこと!!

 

そして私は今現在持ち合わせる私の技術を駆使し、正しく居合術を学ぶための指針となるよう、ゆっくり正確に抜く稽古法を紹介すべく、直門以外には教授するつもりが無かった居合形を、初伝形初伝之抜に限りという内容で発刊したのでした。

「私は一切口を開かない。直門以外に詳細を教えるつもりはない。」との意向を汲み取って下さったBABジャパン様が、DVD動画内ではそれを遵守して下さり、私がDVDをご覧になられる方に必要最低限お伝えしたいことのみを短い字幕で紹介して頂きました。

 

そして今回、何故そのいきさつをこのブログに書き綴るに至ったかと申しますと、多勢に無勢で消沈しきっていた私の意見に賛同するかの如きコメントを、さる日本古武術の大家がブログのコメントにて発信されたからです。

私は歯に衣着せぬ物言いしかできない性分のため、うまく立ち回ることができませんが、かの大家は大変解りやすく、また、当たり障りのない内容で天心流が発してきた稽古や形に対する概念を否定され、また、こうはっきりと記述されました。

「現在の天心流兵法と三日月藩の天心流剣術は何の関係もありません。
これ以上は述べると他流批判になるので、控えます。
研究は常識を以て慎重に。」

更にこう付け加えておられます。

「しかし、関係のないことだけはしっかり伝えてやらなければいけません。
たとえ(天心流と)関係がなかろうと、たとえ素人であろうと、武術史において誤解と錯覚はなりません。」

 

ここでお気づき頂きたいことは、「常識を以って慎重に」「たとえ素人であろうと、武術史において誤解と錯覚はなりません」の言葉の真意です。

その秘められし意味を敢えて深くは記述しません。この記事を読まれた皆様自身で一度お考えになってみてください。

 

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誇り高き無銘刀であれ… かまたきみこ“KATANA”

お仕事の休憩時間にでもどうぞ

そう言って渓流詩人さんが私にくれたのが“かまたきみこ”さんが描く漫画「KATANA」でした。

刀剣乱舞など刀の擬人化が流行る昨今。その流行に便乗したものかと思っていたら、このマンガの方が刀剣乱舞よりも古く、刀擬人化の先駆けのようです。

どうせ刀のことを知らぬ素人が書くファンタジーな刀マンガだろうとたかをくくって読み始めたのですが…

 

愛刀家の皆さん、愛刀家ではないけれど家に刀が伝わっている、所持されているという皆さんに、絶対に読んで頂きたいマンガです!!!

 

私は“カタリの刀”と言うお話が特に心にジーンときまして、読み終えた時には思わず目に涙が浮かんでいました。

偽銘を切った太刀のお話なのですが、あらすじは皆様のお楽しみのためにここには記しません。是非書店でKATANAの第二巻をお求めになり、このお話をご覧下さい。

 

“誇り高き無銘刀であれ”

かまたきみこ「KATANA」 カタリの刀

 

名台詞中の名台詞ですね!

かまたきみこ「KATANA」 カタリの刀

平成のサムライ、全力でこのマンガを応援します!

かまたきみこ先生、これからも刀に関する正しい知識と心を、マンガを通じて広めて下さい。

半生を振り返る

以前にも記述しましたが、修心流の名は私の妻が命名してくれたものです。

自分で命名したものではないからでしょうか、これまで思ったことは歯に衣着せず口にしてきましたし、やりたいことをやりたいように、己勝手にやってきた半生だったと思います。

聖人君子を演じる気持ちは今後も一切ありませんが、アメリカや北京にも支部ができ、長男も梅田方面で居合指導をするようになった今日となっては、修心流という大家族の大黒柱に相応しい人格を備える必要性を感じるようになりました。

早いもので今年で44歳になります。

最近思うこと、考えることは、死後の世界のこと。

人は死ぬとどうなるのだろう?

悔いのない人生を全うできるだろうか?

80歳まで生きることができたとして、既に折り返しに入った我が人生。

既に悔いることばかりの半生ではありますが、これから先は北斗の拳のラオウのように、「我が生涯に一片の悔いなし」と言える生き方ができるように、今更ながらではありますが、修心流の名に因んで心の修業も少しずつ始めてみようかと思います。

 

あけましておめでとうございます

謹賀新年

新年明けましておめでとうございます。

只今放映中のauの三太郎シリーズCMで、桃太郎役の松田翔太さんが日本刀で桃を真っ二つに斬っておられますが、この収録、実は私が試斬指導をさせていただきました。

松田翔太さんの見事な水平斬りに是非ご注目下さい。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

 

大掃除

若い頃は出したら片付ける。

日頃から几帳面だった私なのですが、いつの頃からか、出したら出しっぱなしが当たり前になり、なんでもかんでも面倒臭がりな性格になってしまいました。

勿論これではいけないことは承知しているのですが、忙しさにかまけて全く店を片付けません。

一昨日から事務所と店内の大掃除をしているのですが、未だ事務所内が片付きません…

鍛冶えもんは将平と将大の両刀匠がいるのでいいとして、家事えもんが一人欲しい(笑

何でも捨てずに残してしまうタイプの性格ですから、あれもこれも記念記念…と、これまでにかかわってきたメディアの香盤表やら各種資料やら、無謀な収録で剥ぎ取られた左拇の爪や斬ったボールなど、様々な雑貨が所狭しと転がっていて、何をどう片付ければ良いのやら全くわかりません…(涙

以前リハーサルで斬った硬球

以前テレビ東京のお仕事の際、リハーサルで斬った硬球が出てきました(笑

 

 

色々と物を移動していると、端の方から「あっ! こんなものが!」って物が出てきて、ある種宝探しのようで楽しくもあるのですが、とにかく片付け上手になりたい。

それに若い頃からなにかと節約してきた私は、封筒一枚ですら捨てられない… 「金具発送の際に使えるだろう」なんて気持ちから、古い封筒をためにためこんで… これでは何も片付かないので、断腸の思いでミスプリントコピー紙(裏面をメモに使う)や封筒に別れを告げることにしました。

それから、捨てちゃうから要るならあげるよ?

と言われると、とにかくなんでもかんでも貰ってくるこの性格が災いし、ご来店されたお客様なら御存知でしょうが、美術刀剣 刀心は現在、完全なる物置と化しています(苦笑

同業者が閉店するというので頂いて来た甲冑を飾るガラスケースも、店の入り口を塞いでしまっています。

頂いた時には、

「あぁ、これで埃をかぶることなく、甲冑を飾れる!」

と喜んでいたのですが… 同業者さん、胴丸のみを飾るために作らせたガラスケースだったものですから、私の自慢の甲冑を飾ろうとしたら…

兜がつっかえて入りません!!(涙

来年の抱負としては…

 

「物を頂戴する時には計画的に!」

 

に決定です。

それでは今年も残り数時間となりましたが、皆様、今年一年ありがとうございました。

来年もまた、宜しくお願い致します。

 

※と、締めくくりつつも、また掃除が疲れたら更新するかもしれませんが(笑