ギネス世界記録六冠達成 ~Most martial arts sword cuts in one minute (rush straw)~

昨年、6つ目のギネス世界記録に挑む旨、こちらのブログでも記載していましたが、その後一切記録に関する記述を致しておりませんでした。

これは今回ギネス社の動画公開に合わせた配慮であり、記録更新失敗のためではなかったことをここに明言させていただきます。

同種目の記録保持者であるギリシャ人の方が、挑戦日を過ぎても一向にギネス記録に関して私が記載しないことに対し、「町井はギネス更新に失敗した」と早とちりされ、ギリシャの地では一部のマスコミが、「現代の侍、町井勲がギリシャ人が保持するギネス記録更新に挑み失敗した!」と大々的に報じる事態を招いてしまいました(苦笑

本日改めまして昨年11月20日に、私が“ギネス世界記録六冠達成”したことをご報告致します。

今後も己の目指す居合術の極みを求め、精進して参ります。

ギネス公式サイトでも大きく御紹介頂いております。

http://www.guinnessworldrecords.com/news/2017/3/video-japanese-martial-arts-master-attempts-katana-world-record-464271

ギネス世界記録六冠達成

明日でGuinness World records6冠になります

明日、Guinness World records認定員立会いのもと、1分間速斬り“Most martial arts sword cuts in one minute”に挑みます。

現在の記録は、ギリシャ人のAGISILAOS VESEXIDIS氏が本年6月25日に更新した73。

ただ、この記録に関してはGuinness World recordsで正式認定されているものの、ルールにのっとっていないと疑問視する声もあり、今後一連の記録に関して検証が行われ、更に改訂が必要とされた場合には、記録カテゴリーを再度整理することになるとのことです。

ギネスルールでは使用する仮標を稲藁と定めるとのことで、今回私が使用するのは稲藁よりも斬りづらい古畳表です。これはAGISILAOS VESEXIDIS氏の記録も藺草製茣蓙であったため、“Most martial arts sword cuts in one minute”の世界記録に関しては、稲藁部門と畳表部門に分かれる可能性があるとのことです。

明日の私のチャレンジで記録を更新した場合、“Most martial arts sword cuts in one minute(rush straw)”として認定されるため、現記録保持者の名は“Most martial arts sword cuts in one minute(rice straw)”部門の記録保持者として残る可能性がありますが、明日の挑戦では彼が挑戦した時より、更にルール改正されて難しくなっているため、事実上私が両部門の記録を更新することになります。

今回定められたルールでは、日本製古畳表、最小直径8センチ以上、15センチ間隔で縛り、紐と紐の間を斬らなければならず、紐を切った場合はノーカウントとなります。

このルール改正、新記録120以上を狙っていた私にとっては大打撃ですが、明日の目標は90以上を目指し、ギネス記録6冠達成を宣言します。

ご期待下さい。

尚、今回のGuinness World records挑戦のために持ち運び便利な分解式試斬台を15台用意しました。

美術刀剣 刀心でこれまで販売してきたものより、更にコンパクトに収納でき、ホームセンターで販売しているベランダボックスにも場所をとらずに収納可能!

桧無垢材で製作しております白木製で1本~3本用としてお使い頂けます。

Guinness World records 6冠達成記念として、明日より限定15台、税・送込み3万円にて販売します。ご希望の方にはギネス挑戦時使用品である旨を記載し、署名させていただきます。

※動画の中で使用している試斬台が該当の品です。

 

居合稽古に真剣を用いる不合理

各居合の連盟では昔から何故か不思議なことに

“○段以上は真剣使用。”

つまり高段者になると真剣で居合稽古をしなければならないという決まりがあります。

私は日本刀を保存愛護する側の人間ですので、常々この真剣を必ず使わなければならないという決まりに対しては嫌悪感しかありません。

これまでの私の経験から言わせて頂きますと、真剣を使って居合を稽古される場合は、形を一本~三本抜く度に油を引くのがベストであり、稽古終了後にしか油を引き換えないというのは、錆を招くため絶対に宜しくありません。

酷い方になると、稽古終了後も油を引き換えることをせず、そのために棟が発錆すると、今後はピカールや耐水ペーパー等で錆を摺り落とす方もおられます。

こうした現実を見聞きする度、私は現代居合に関して実に残念に思うのです。

武士の魂とまで言われた日本刀を、そんなぞんざいに扱って何が居合でしょう? 何が伝統文化の継承でしょうか? 日本刀を損なう稽古しか出来ないのであれば、居合や侍の真似事は即中止すべきです。

私が常々現代居合界に警鐘を鳴らすのは、こう言った無作法が当たり前としてまかり通っている点です。

物を斬る稽古であれば真剣は必要でしょうが、単に居合形を稽古するのであれば真剣は不要です。むしろ刃がついていないメッキ刀身の模擬刀の方が、安全且つ存分に稽古できます。

また、居合を嗜む者全てが経済的に恵まれた者ではありません。真剣を所持したくても買えない人もおられます。そう言う人は居合をしたらダメなのでしょうか? いえ、居合を学び、楽しむ権利はどなたにも平等にあります。高段者になったは良いが、真剣を買う余裕が無い人に、真剣使用を義務付けるのは酷な話だと考えます。

勿論、生活を切り詰めるなど何の努力も無く、お金がないないと言う人は論外です。

現代居合界はまともな刀剣取扱作法を身につけていない方々の集まり。表現がきついようですが、これは事実です。

私が英信流修業時代に通っていた道場の先生方も、約3時間の稽古の中で、油を引きかえる人は皆無に近い状態でした。時折油を引く姿があっても、それは刀身の保護が目的ではなく、納刀時の滑りを良くする為だけの行為でした。

そんな稽古をするものですから、館長はしょっちゅう刀を研ぎに出されていました。微々たるものとはいえ、着実に刀は痩せ、身幅が細くなっていきます。

 

修心流居合術兵法では斬り稽古以外での真剣使用は禁じています。稽古はあくまで技術向上が目的であって、道具自慢の場ではないのです。まともに真剣の手入も出来ない者が真剣を持つこと自体が間違いであり、手入作法すらまともに教えられない者が人の上に立って教えることもおかしいことなのです。

そもそも真剣と模擬刀、居合稽古に使って何の違いがありますか?

模擬刀だと振ったときに左右に刀身がぶれる… 等という人がおられますが、はっきりと言わせて頂くと、それはその人自身がヘタクソだからです。道具のせいにする前に、自身の技量を鑑み、技量不足を反省すべきです。

私は居合稽古に於いて模擬刀で不都合を感じたことはありません。技術があれば模擬刀ですら真剣のように見せることができるものと考えます。

しかし、居合形の撮影に於いては、不本意ながら真剣を使わざるをえない場面があります。模擬刀ではどうしても真剣に及ばない問題があるためです。

それは寄り。つまり刀身のアップ。地鉄や刃文はどうしても模擬刀では再現できません。それからもう一つ、刃を横に向けての刺突時に模擬刀と真剣の違いが明瞭に現れるので、こうした所作の撮影時も真剣を使わざるをえません。模擬刀では材質が柔らかいため、どうしても平に向けた刀身の先が上下に揺れるからです。それ以外では不憫を感じたことはありません。

真剣を使うか模擬刀を使うかは、単なる見栄とエゴであると私は考えています。

油を引き換える時間を惜しんで稽古に没頭したいのなら、真剣は使わず、錆の心配が不要な模擬刀を使うべし。

 

私が連盟のTOPなら、高段者は真剣使用と言う馬鹿げた決まりを即排し、段位とは別に“真剣使用許可”の審査を行います。

鯉口や鞘を削る事無く、正しく居合が出来る者、刀を錆びさせぬ正しい知識を持ち合わせる者だけが、希望するなら真剣で稽古しても良いというものに変えるわけです。

 

今一度居合を嗜む方々に問います。

貴方はまともな刀剣取扱作法(手入作法含)が出来ますか?

貴方は鞘や鯉口を削ってはいませんか?

必要以上に刀身にヒケをつけていませんか?

 

上記一つでも該当するなら、あなた自身の身の安全と刀剣保護のために、即真剣の使用をおやめになってください。

居合稽古は模擬刀で