兼光

兼光
兼光
– Kanemitsu –
 
兼光と名乗る刀工中、最も有名なのは備前の兼光ですが、同工以外にも同銘を切る刀工は多数居り、美濃や加賀、因幡の国にも見られ、本脇指は美濃の兼光かと思われます。
 
この脇指は杢目鍛えの地鉄に大人しい直刃を焼いた作品で、仔細に見ると刃縁には細かな働きがちらほらと見られます。
写真では光線の加減で鍛え筋が目立って見えますが、肉眼では写真程気にはならないと思います。反り深く立派な体配で、拵は合わせものの切羽ではなく、この脇指のために造られた真面目な物。鞘に添えられた小柄は、痛みこそあるものの、魚子が磨地になるほど使い込まれた製作年代が遡る古金工による品。鞘も綺麗な状態で、特筆すべき凹みや疵もなく良好です。
 
裸身重量489グラム。  拵に納めて鞘を払った重量688グラム。