無銘(信國吉政) ~藍鮫研出鞘海軍太刀型軍刀拵入り~

無銘(信國吉政) ~藍鮫研出鞘海軍太刀型軍刀拵入り~

無銘(信國吉政)
– Mumei(Nobukuni Yoshimasa) –
 
京の信國派から應永頃に筑紫に移住した「定光」は、筑紫に移住後「信國」に改銘しました。この「信國」が筑紫信國の祖となり、この一派を総称して筑紫信國と呼称し、後の新刀期の筑前信國に続きます。
信國吉政には初・二代(稀に三代も経眼する)がありますが、本作は代別極め迄はなされていません。尚、二代は初代吉政の弟で新藤氏。初代同様に平四郎と称し、貞享五年八月に六十七歳で没したといいます。作風は初代同様に備前伝を得意とし、初代の作風を継承していますが、銘振りは初代に比してやや太鏨となるのが通例で、初代は銘文に「作」の字を用いますが、二代にはそれが見られません。
 
この刀は大きく磨り上げられて銘を失っています。一般的な寛文新刀体配よりはやや反りが強いところを見ると、寛永頃の初代とも鑑ることも、寛文から少し下がった延宝・天和・貞享頃の二代の作とも鑑ることができます。
切先はやや延びごころで、小板目良く練れて詰んで地沸付き、地景入って淡く映りごころがあり、刃文は下半を小振りの丁字乱れ、上半を同じく小振りな互ノ目丁字を共にこずんで焼き上げており、刃中には足が盛んに入り、細かな砂流かかり、湯走風の刃を交え、匂口は明るく、鋩子は表乱れ込んで丸く返り、裏は返りの下で互ノ目を一つ焼いて突き上げるように返っています。
指表物打辺りの鎬地に鍛筋がありますが、他には目立つ疵も無く、再研磨で見違える程良くなることでしょう。
 
附属の海軍太刀型軍刀拵は、長年使用されていたのでしょう。金具の山吹色の鍍金がかすれて使用感はありますが、兜金(頭金具)や石突(鐺金具)の桜花葉は摩耗が少なく健全。柄にガタツキがありますが、ご自身でも経木を用いて簡単に直すことが出来ますし、有償になりますが、ご用命頂ければ当店で直してお納め致します。
 
裸身重量682グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,095グラム。

國次 ~藍鮫研出鞘海軍太刀型軍刀拵入り~

國次 ~藍鮫研出鞘海軍太刀型軍刀拵入り~
國次
– Kunitsugu –
 
宇多派は國光を祖とし、南北朝時代に國房、國宗、國次等の刀工が活躍し、室町期に亘って栄えました。
國次は銘鑑によると國光の弟、時代南北朝、延文頃、現存作は未見という)を初代とし、室町時代後期まで同名で数代存在します。
 
この脇指は刃長の割に反りが深く、地鉄は板目肌よく練れて肌立ち、地景入り、刃文は表は直刃調子に小互ノ目を交え、裏は湾れ調子に互ノ目と互ノ目丁字を焼き、刃中には足や葉が入り、細かな砂流かかり、金筋現れ、鋩子は表裏直ぐに先丸く返っています。
※棟に鍛筋、指裏区上10センチ位上の棟角に撓が在ります。研磨ご希望の方は、中上研磨9万円(税込)にて承ります。
 
附属の海軍太刀型軍刀拵は、藍鮫の研出鞘。山吹色の鍍金の残存も良好で、相対的に保存状態が良く、柄にガタツキも無くしっかりとしています。
 
裸身重量525グラム。  拵に納めて鞘を払った重量937グラム。

無銘 ~在りし日の大日本帝国海軍の威光を現代に伝える名品~

無銘 ~在りし日の大日本帝国海軍の威光を現代に伝える名品~

無銘
– Mumei –
 
元先の幅差程好く開いて中切先。杢目肌よく練れて少しく肌立ち、地景入った綺麗な地鉄に、匂口明るい尖りごころの互ノ目を焼き上げ、刃中には金筋や砂流が看取され、鋩子は現状では判然としないものの、直ぐに丸く返っているようです。
 
附属の拵は在りし日の大日本帝国海軍の威光を今尚輝かしく放つ太刀型軍刀拵で、ご覧の通り未使用と称しても過言ではない保存状態の良さ。旭日を連想させる大切羽は二色仕上げで気品漂い、刀緒の状態も頗る良い。
時代物の刀身を軍刀として仕込んでいることからも、高級将校の所有であったことが窺え、鞘を払って構えてみると、手元重心でバランスが良く、当然のことながら柄には一切のがたつきがありません。
京都の旧家からのうぶ出しの名品!! これだけ保存状態が良い高級海軍刀はそうそうお目にかかることはありません。見つけた今が御購入のチャンスです!!
 
裸身重量675グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,098グラム。