源祐近 文政十一子年正月日 ~ 銘鑑漏れの珍品 ~

源祐近 文政十一子年正月日 ~ 銘鑑漏れの珍品 ~
源祐近 文政十一子年正月日
– Minamoto Sukechika –
 
杢目鍛えに柾交じり、良く練れて少しく肌立ち、一際黒い地景が縮緬状に見られ、焼き出しの刃縁上には淡く棒映りも看取され、刃文は直刃基調に所々節や打除風の飛焼を交え、小足入り、匂口は元は締まり、先に行くに従って沸豊かに付いて沸出来となり、砂流かかって刃縁の変化に富んでいます。
 
手持ちの銘鑑には、源祐近なる刀工について一切の記述が見当たらず、銘鑑漏れの刀工と考えられます。元先の差が開き、反り深めの優しい姿で、破綻無く鍛えられた出来良い一刀で、目釘穴付近に銘を切らず、中心尻寄りに遠慮がちに切っているところに、なんとも言えぬ愛嬌を感じさせます。
 
裸身重量686グラム。

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