兜割
若州大掾藤原冬廣
– Kabutowari Jakushu daijo Fujiwara Fuyuhiro –
巷で稀に経眼する兜割の多くは、刀身に大楠公の名や、五郎入道正宗と言った大銘が切られていますが、この兜割は若州冬廣の手による珍しい真面目な作です。
又部と物打先端が尖った鋭い造り込み。元部には三つ割り羽団扇紋が銀象嵌されており、出自の良さを物語っています。手元資料乏しく、この紋を用いた武家に辿り着くことができませんでしたので、お買い求めになられた方御自身で、この兜割りのルーツを探ってみるのも一興でしょう。
肉眼で読み取れるまま、若州大掾藤原冬廣と銘表記しましたが、若狭大掾銘は経眼しても、若州大掾銘はこれまで未見につき、冬廣研究に於いても面白い珍品です。
附属の拵も特殊な形状が眼を惹く造り込みで、一部に破損したような個所が見られます(※最下写真参照)が、漆剥離部分を仔細に観察するに、綺麗に楕円形の木材が貼られているので、元々は何かしらの金具が添えられていたのではないかと推測され、これもまた想像を掻き立てます。
※三つ割り羽団扇紋を用いた武家の情報を御存知の方、是非とも情報を御提供下さい。
裸身重量402グラム。 拵に納めて鞘を払った重量476グラム。
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