脇指 無銘 ~保存状態が良い拵に映り立つ刀身!~

cm752

焼き出し部分を見るに磨り上げのようです。現状でも元先の幅差が開いた優雅な姿が印象的で、地鉄は杢目がよく練れて刃縁柾がかり、肌立って美しく、直ぐ映りが立っています。刃文は直刃で匂口は明る目。刃縁に細く肆なやかな金筋が見られ、鋩子は直ぐに先丸く返っています。

附属の拵は金着切羽や鐔に至るまで全てがオリジナルで、今や貴重な存在。現状では柄に極僅かに遊びがありますが、さほど気にならない程度の物で、簡単に直すことが可能です。水車図の鐔には金覆輪がかけられており、面白いことに鐔の表裏を逆にして、通常なら笄用として用いられる穴を小柄用の穴ととしています。
鞘に大きな凹みや傷みも見られず、総じて保存状態が良い。植物や花に関連する粋な小柄を添えて更に本刀の価値を高め、末永くお楽しみ頂きたく思います。

製作年代を室町後期から江戸前期と表記しましたが、再研磨の上更に地刃を確認すれば、もう少し時代が上がるかも知れません。
内外共に保存審査を是非御受審頂きたい一刀です。

裸身重量320グラム。  拵に納めて鞘を払った重量579グラム。

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