素槍 於東叡山麓藤原國吉

於東叡山麓藤原國吉

於東叡山麓藤原國吉
– Oite Toei Sanroku Fujiwara Kuniyoshi –
https://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/nagae/052/00.html

國吉は江戸後期の江戸の刀工で、槍の名手山城守國重一虎に作刀を学び、直刃出来の堅実な作を打っています。茎には長曽祢乕徹の鍛刀地と同じ、「於東叡山麓」(現在の上野動物園辺り)を冠した銘文を刻しています。

この槍は刃長二寸弱という非常に小振りながらも、槍の名工國重一虎譲りの高い技量を存分に発揮した作品。茎の長さ約22.5センチ。ケラ首丸形で、ケラ首の元幅が12.0ミリ。ケラ首の元重ねが12.35ミリ。地鉄は柾目でよく練れて詰み、刃文は大粒の小沸出来で匂口は明るく冴え、刃縁には細かな砂流が見られ、先に行くに従って沸が強くなり、鋩子は直ぐ調に先丸く返っています。
登録不要寸法故に現在は槍として登録はされていませんが、保存刀剣鑑定書が交付されていることからも、名槍であることが一目瞭然。
この手の短い穂先が納められた槍としては、籠槍や大名行列時に用いる長大な柄の槍が挙げられます。この槍もその例に漏れず大名や上士の家格を示す槍の穂先として大切にされてきたものでしょう。茎には柄の材料である樫のタンニンによる発錆を防ぐため、漆が塗られています。
上白鞘を新調してお納め致します。

裸身重量80グラム。

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