美術刀剣 刀心ご利用のお客様へお願い

刀剣の買い付け、写真撮影、編集、掲載、荷造り、発送、居合教授、テレビ出演、刀剣研磨等、全ての作業を私一人で行っております。
本来、もっとしっかりとしなければならないのですが、同時平行して多数の物事を進行することができない性質です。
何か作業をしていて、他の作業を優先すると、先ほどまでしていた作業のことを完全に失念してしまいます。

18日19日の両日は急に舞い込んできたテレビ収録のため、その二日前から撮影に使用する刀の研磨作業に追われ、お客様へのメール返信も、荷物の発送も、何もかもが頭から消えてしまい、複数のお客様にはご不安と御迷惑をおかけ致しました。
ここに改めてお詫び申し上げます。

このような手一杯の中、更には忘れっぽい性質であることを踏まえていただき、美術刀剣 刀心(私)とお付き合い頂ければと思います。

全て私が悪いのですが、あまりお叱りばかりを受けますと、元来人付き合いが苦手な性分だけに、“このお客様は苦手”となってしまい、今後の対応もギクシャクしたものになってしまいます。
我儘勝手なのは重々承知ですが、上記お踏まえの上、依頼しているものが遅い、返事が遅い、と感じられた時には、
「町井さん、○○のこと忘れてませんか?」
とメールにてご催促ください。

御協力のほど宜しくお願い致します。

収録に向け刀を研ぐ

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刃毀れするかもしれない。

一生懸命した仕事が、一瞬にして無駄になるかもしれない。

そんな虚しさと戦いながら、せっせと収録に備えて刀を研ぐ。

上研磨下地を施す必要は無いと言えばない。

斬れれば良いのだから…

でも、手を抜くことができない性分なもので、ついつい真面目に研いでしまう自分がいます。

 

時間の都合上、半分より上、鎬地は極力いじらず、見せ所はしっかりとキメる。

カメラでのアップにも耐えうるよう、横手際も引き立たせる。

 
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改正砥(#1000)をかけ、横手際を攻めている途中。

まだ横手が定規で真っ直ぐに線を引いたようにはなっていません。これでも充分といえば充分なのですが、自分自身が妥協を許さず…

 

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丁寧に改正砥で横手際を攻める。腕の見せ所である横手、三ツ頭、三ツ角。

徐々に真っ直ぐな線になってきました。
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徹夜で研磨し、朝方少しだけ仮眠をとるつもりが、目覚めると13時…

時間が迫っているので指裏は… 帽子の研磨をここまでしっかりとすることを諦めました。

致し方ありません。

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カメラでのアップはこちらの指表面でお願いすることにします。

 

これで終りではありません…

リハーサル用のもう一振、将大刀の研磨にこれから着手します。

今夜も徹夜で明日は新幹線で仮眠となりそうです。

壊れるかもしれないとわかっていながら刀を研磨

研磨

テレビ番組の企画は突然やってきます。

今回は某実験番組からの依頼。

標的は相当硬いので、流石の日本刀も刃毀れを免れないと思われます。

刃毀れや折損の可能性がある収録に、思い入れある愛刀将平は使えません。

そこで急遽打卸の別の将平2振と将大1振を収録用に酷使することに決定。

酷使と言っても無駄に刃毀れをきたし、壊してしまうわけではありません。

実は今回使用するのは、将平刀匠と将大刀匠が実験的に鍛えた新たな鍛法による刀なのです。

テレビ収録での無茶振りをちょうど良い機会と考え、両者の刀を荒試しするというわけです。

 

折損することはないとは思いますが、私自身も初めて斬り込む対象物だけに、今回の荒試しデータには興味津々です。

 

しかしながら上述の通り、テレビ企画と言うのは突然依頼がやってきますので、日本刀が壊れる恐れある収録にも備え、常に5~6振は使える状態で置いておかなければ…

今回はそう言った刀の用意がなかったために、打卸を将平刀匠と僕とで研磨しています。

打卸に刃を付け、下地を整えるのは一苦労。写真は急刃をつけて刃線を整えた段階の打卸将平です。

願わくば内曇までかけたいところですが時間がありません。

本当は今日から東京入りの予定でしたが、研磨が間に合わないので一日ずらすことにしたものの、それでも間に合うかどうか。

全体を下地研磨から始めると、絶対に明々後日の収録に間に合わないため、裁断に使用する物打を中心に、刀身の半分から上だけを研いでいます。

 

平地と刃の部分だけで良いと言えば良いのですが、カメラアップにも耐えうるよう、いつも通りの丁寧な研磨で横手を立てて行きます。

また後程研磨過程を御紹介いたします。