刀 岡田兼定作

刀 岡田兼定作
刀 岡田兼定作
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/521/00.html

栗原彦三郎先生は、現代刀の普及啓蒙と多くの現代刀匠達の、たっての強い希望により、昭和17年(1942)に現代刀匠の暫定位列表を定められました。帝展、共進会、新作日本刀展覧会などの得点表・受賞歴などを基礎に300余名の現代刀匠が掲載されており、作位は「神品の列」「貴品上位」「貴品の列」「上工の上位」「上工の列」「良工の上位」「良工の列」の七段階に分けられました。
この刀を鍛えた岡田兼定は、その位列の中で 【 良工の上位 】 良業物 小結格に名を連ねる刀工で、美濃伝らしい尖りごころの互ノ目乱れを、二つ一つ一組に、規則正しく、且つ、匂口明るく冴えた刃を焼いています。
当時の軍刀寸法で打たれた刀だけに、現代人には短い寸法ですが、しっかりとした拵に納まってこの価格なら大変お求め易いはず。これから刀剣趣味を始められる方や、短寸の居合武用刀をお探しの方に、期間限定にて応援価格で御紹介致します。是非この機会にお求め下さい。

裸身重量777グラム。 拵に納めて鞘を払った重量1,034グラム。

刀のメンテナンス

刀のメンテナンス
~渓流詩人さんのブログから~
http://blog.goo.ne.jp/kelu-cafe/e/39a5d111e4f01336c38cd46030518cec

今回の記事も大変勉強になる内容ですので、是非ご一読ください。

尚、渓流詩人さんの記事に私なりの補足を加えさせていただきますと、経木を鯉口内部(はばき袋)に貼る場合は、必ずしも棟方とは限定せず、刃方も減っているようであれば刃方にも貼ると言った、臨機応変な対処が好ましいです。
どういう事かといいますと、刃方も減っているのに棟方ばかりに経木を貼ると、鞘と柄に段差が出来てしまい、見栄えも悪いばかりか、減った刃方に負担をかけてしまうのです。
渓流詩人さんのように上手な居合をされる方は、専ら棟方のみが磨耗するので棟方のみに経木を貼られていますが、下手な人の居合は刃方をよく減らすので、経木貼りには上下のバランスを見る注意が必要です。
文面だけでは解り辛いかもしれませんので、以下に掲げます拙い手書きの図解を御参照ください。

経木貼りの注意点

また、素人ならまだしも、居合を嗜む人に多いのが、経木をはばき袋の表裏に貼ってしまう無知な修理です。これは絶対にしてはいけません。ははばきは上下(もっと厳密に言うと四つ乃至五つの角)で鞘に納まっています。それなのにはばき袋の表裏側に経木を貼ると、鞘の合わせ目に大きな負担がかかり、糊付け面がパックリと開いてしまったり、白鞘の場合ですと、それが原因で糊付け部分から真っ二つに割れてしまいます。

自分でメンテナンスが出来ない人は、しかるべき職人に任せて修理してもらってください。
くれぐれも素人や無知な人は、いきなり刀のメンテナンス作業は行わないことです。正しい知識と技術を持った人からちゃんと教わって修理のいろはを覚えましょう。

凄まじい将平刀の切味


動画、ご覧になれますでしょうか?
6月18日、19日の両日に行われたテレビ収録後の将平刀の切味です。

番組が放送されるまで、どのような物を斬ったのかはまだ発表できませんが、通常の日本刀なら刃こぼれをきたし、物によっては一撃で折損しているものと思われます。
そんな難物に斬り込む事数十回。

テレビスタッフの皆さんも、将平刀の凄まじい切味に驚かれていました。

「日本刀って強いんですね~」

確かに日本刀は強いのですが、全ての日本刀が強いわけではありません。
将平の刀が優れすぎているのです。

正直私と将平自身が一番驚きました。

斬り込む物が物だけに、刃こぼれは免れないだろう。場合によっては折れるかもしれない。
私も将平も、そしてテレビスタッフもそう考えていましたので、リハーサル用、本番用と、今回の収録では三振の刀を用意していたほどですから。

御様御用の山田浅右衛門も将平を試せば驚きを隠せないことでしょう。最上大業物より更に上の業物指定をするのではないでしょうか?
益々将平に惚れました。

将平刀の御注文は美術刀剣 刀心へどうぞ。
※将平は美術刀剣 刀心お抱え工につき、将平刀匠個人への直接の御注文はできません。

美術刀剣 刀心ご利用のお客様へお願い

刀剣の買い付け、写真撮影、編集、掲載、荷造り、発送、居合教授、テレビ出演、刀剣研磨等、全ての作業を私一人で行っております。
本来、もっとしっかりとしなければならないのですが、同時平行して多数の物事を進行することができない性質です。
何か作業をしていて、他の作業を優先すると、先ほどまでしていた作業のことを完全に失念してしまいます。

18日19日の両日は急に舞い込んできたテレビ収録のため、その二日前から撮影に使用する刀の研磨作業に追われ、お客様へのメール返信も、荷物の発送も、何もかもが頭から消えてしまい、複数のお客様にはご不安と御迷惑をおかけ致しました。
ここに改めてお詫び申し上げます。

このような手一杯の中、更には忘れっぽい性質であることを踏まえていただき、美術刀剣 刀心(私)とお付き合い頂ければと思います。

全て私が悪いのですが、あまりお叱りばかりを受けますと、元来人付き合いが苦手な性分だけに、“このお客様は苦手”となってしまい、今後の対応もギクシャクしたものになってしまいます。
我儘勝手なのは重々承知ですが、上記お踏まえの上、依頼しているものが遅い、返事が遅い、と感じられた時には、
「町井さん、○○のこと忘れてませんか?」
とメールにてご催促ください。

御協力のほど宜しくお願い致します。

収録に向け刀を研ぐ

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刃毀れするかもしれない。

一生懸命した仕事が、一瞬にして無駄になるかもしれない。

そんな虚しさと戦いながら、せっせと収録に備えて刀を研ぐ。

上研磨下地を施す必要は無いと言えばない。

斬れれば良いのだから…

でも、手を抜くことができない性分なもので、ついつい真面目に研いでしまう自分がいます。

 

時間の都合上、半分より上、鎬地は極力いじらず、見せ所はしっかりとキメる。

カメラでのアップにも耐えうるよう、横手際も引き立たせる。

 
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改正砥(#1000)をかけ、横手際を攻めている途中。

まだ横手が定規で真っ直ぐに線を引いたようにはなっていません。これでも充分といえば充分なのですが、自分自身が妥協を許さず…

 

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丁寧に改正砥で横手際を攻める。腕の見せ所である横手、三ツ頭、三ツ角。

徐々に真っ直ぐな線になってきました。
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徹夜で研磨し、朝方少しだけ仮眠をとるつもりが、目覚めると13時…

時間が迫っているので指裏は… 帽子の研磨をここまでしっかりとすることを諦めました。

致し方ありません。

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カメラでのアップはこちらの指表面でお願いすることにします。

 

これで終りではありません…

リハーサル用のもう一振、将大刀の研磨にこれから着手します。

今夜も徹夜で明日は新幹線で仮眠となりそうです。

壊れるかもしれないとわかっていながら刀を研磨

研磨

テレビ番組の企画は突然やってきます。

今回は某実験番組からの依頼。

標的は相当硬いので、流石の日本刀も刃毀れを免れないと思われます。

刃毀れや折損の可能性がある収録に、思い入れある愛刀将平は使えません。

そこで急遽打卸の別の将平2振と将大1振を収録用に酷使することに決定。

酷使と言っても無駄に刃毀れをきたし、壊してしまうわけではありません。

実は今回使用するのは、将平刀匠と将大刀匠が実験的に鍛えた新たな鍛法による刀なのです。

テレビ収録での無茶振りをちょうど良い機会と考え、両者の刀を荒試しするというわけです。

 

折損することはないとは思いますが、私自身も初めて斬り込む対象物だけに、今回の荒試しデータには興味津々です。

 

しかしながら上述の通り、テレビ企画と言うのは突然依頼がやってきますので、日本刀が壊れる恐れある収録にも備え、常に5~6振は使える状態で置いておかなければ…

今回はそう言った刀の用意がなかったために、打卸を将平刀匠と僕とで研磨しています。

打卸に刃を付け、下地を整えるのは一苦労。写真は急刃をつけて刃線を整えた段階の打卸将平です。

願わくば内曇までかけたいところですが時間がありません。

本当は今日から東京入りの予定でしたが、研磨が間に合わないので一日ずらすことにしたものの、それでも間に合うかどうか。

全体を下地研磨から始めると、絶対に明々後日の収録に間に合わないため、裁断に使用する物打を中心に、刀身の半分から上だけを研いでいます。

 

平地と刃の部分だけで良いと言えば良いのですが、カメラアップにも耐えうるよう、いつも通りの丁寧な研磨で横手を立てて行きます。

また後程研磨過程を御紹介いたします。