刀 陸奥運寿兼友作 慶応三丁卯秋

刀 陸奥運寿兼友作 慶応三丁卯秋
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刀 陸奥運寿兼友作 慶応三丁卯秋

会津兼友は銘鑑を紐解くに、元禄から明治まで七代に渡ってその名跡が続いており、この作品は幕末に活躍した五代兼友の作と鑑せられます。
この頃、会津藩は悲劇的な運命を辿ります。戊申戦争では一ケ月にもおよぶ会津城籠戦を凌ぎ、兼友、長道、道辰ら会津の刀匠達は弾丸の製造に尽力。十一代会津兼定は城外に討って出たとも伝えられ、一藩総力戦ともなった戦いは、白虎隊はじめ多くの悲劇を生み、敗れた会津藩士やその家族の多くと、そして六代兼友は北海道へ移住したと伝えられています。

兼友は兼定に似た美濃伝の沸が少ない直刃か互の目乱れを焼き、本刀はよく練れた杢目に地沸がついて地景入った精美な肌が少しく肌立ち、匂口締まりごころの中直刃に小沸がつき、鼠足入り、ほぼ等間隔に小足を交え、金筋が現れるなど、細やかな刃縁の働きが上品で見所多い出来口です。

裸身重量724グラム。