無銘 ~上研磨し上がったばかり 数珠刃の如き刃文~

無銘 ~上研磨し上がったばかり 数珠刃の如き刃文~
無銘
– Mumei –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/692/00.html

江戸前期作の古身を九八式軍刀拵に納めた高級品で、出自が士族、または当時裕福であった将校の指料です。
無銘ながらも特筆すべき鍛錬疵は無く、緻密に練られた地鉄が精美で、匂口明るく冴えた大互ノ目乱れは数珠刃さながら。太く覇気在る足が新々刀の如く刃先に抜け出さんばかりに頻りに入り、匂口はふわりと柔らかい感じの出来口を示しています。

平成26年に大阪の旧家より譲り受けた時点では、薄錆に包まれていましたものを、当店にて美術観賞用上研磨を施しました。
諸工作にコストをかけると採算がとれない今の時代ではありますが、縁があって当店にやってきたであろう刀剣を、本来あるべき美しい姿に蘇らせ、後世に伝えたいとの思いから、お客様に代わりしっかりとした研磨を施しました。正直表記価格では薄利しかございませんが、店主町井勲の愛刀精神を引き継ぎ、大切に御所時下さる方にお譲りできれば幸いに存じます。
研ぎあがり最上の状態ですので、是非保存刀剣審査を御受審頂き、本刀に極めをつけてあげてください。

附属する拵は九八式軍刀の後期形で、鮫皮部分はセルロイド製。鞘は帯青茶褐色の石目塗りの鉄鞘です。

裸身重量709グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,056グラム。