刀の弱点 ~平や棟で攻撃を受けると、折れる確立はかなり高い~



まずはこれらの動画をご覧頂きたい。
上は棟から。下は平から渾身の一撃を受けた日本刀です。

どのように刀が折れたのかをキャプチャー画像で確認してみましょう。

棟からの斬撃

平からの斬撃

日本刀と言えば、「折れず曲がらずよく切れる。」と言うある種都市伝説化した強靭さが世界的に広まっていますが、実は非常に脆い武器でもあるのです。
上で紹介した実験の共通点にお気づきでしょうか?
真っ二つに折れていないということです。
棟からの斬撃では三つに。
平からの斬撃では四つに日本刀が折れているのが確認できますね。

実は刀剣研磨を行うに当り、少しでも研ぎ減らさぬよう、曲がりを直してから研磨します。※曲がったまま研磨する研師も稀にみかけますが…
矯木では部分的に曲がりを矯正することが困難なため、殆どの場合は鎚で鎬地を叩いて曲がりを直すのですが、この作業の際に稀に刀が折れてしまうことがあります。
私が実見したものですと、叩いた箇所から折れるのではなく、叩いた箇所の前後で折れました。
鎚で叩いた振動で違う場所から折れるというわけです。
勿論個体差がある日本刀ですので、折れにくい刀、折れ易い刀はありますが、刀剣の構造上の観点から言えば、平や棟で大きな衝撃を受けると、限りなく折れる確立が高いのです。

近頃では日本刀は鉄をも容易く裁断できると信じ込んでしまった素人や、生半可な腕と知識しか持ち合わせない武術修業者によって、鋼材への斬撃がちらほらと行われています…

刀は鉄を斬るための道具に非ず。
また、竹や畳表を斬るための道具でも非ず。

強靭さを誇る名刀であっても、使い手次第では簡単に折れてしまい、物体を裁断することはできません。

刀は己の心を映し出す鏡であり、己の悪しき心を斬るための神器だと私は考えています。

刃先で斬るつもりであっても、刃筋を立てることができない未熟な者が切り込むと、刃先ではなく、平から畳表や竹を叩くことになり、場合によっては刀が折れてしまいます。
どうか無謀な試し切りや試斬会はお控えくださいますようお願い致します。

未熟な者による試斬は大変危険です。自分が怪我をするだけではなく、他人の生命をも奪いかねないということを忘れないで下さい。
下にご紹介する稽古中の事故動画もご参考に。

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