無銘
– Mumei –
元は刀であったものを大きく磨り上げて脇指に仕立て直したものと鑑せられます。現状では元先の幅差さほど開かず、中切先やや延びごころ。錆のため詳細なる地刃の解説は難しいですが、刃文は匂口締まった互ノ目乱れで、互ノ目の中を丸くくり抜いたような、所謂蛇の目刃が見られます。鋩子も現状では判然としないものの、直ぐに先丸く返っているようです。
附属の拵は切羽一枚に至るまで、すり替えられることなく今日に残ってきた完全なるうぶ拵で、柄巻きのみ経年劣化により傷んでいたため、当店にてしかるべき職方の手で巻き直しました。柄にがたつきはありません。
特筆すべき疵欠点も無さそうですので、研ぎ上がりが期待でき、内外共に保存審査を御受審頂きたい一刀です。
研磨代金参考価格
並研磨… 85,250円(税込)
中上研磨… 136,400円(税込)
上研磨… 165,000円(税込)
裸身重量431グラム。 拵に納めて鞘を払った重量620グラム。