誇り高き無銘刀であれ… かまたきみこ“KATANA”

お仕事の休憩時間にでもどうぞ

そう言って渓流詩人さんが私にくれたのが“かまたきみこ”さんが描く漫画「KATANA」でした。

刀剣乱舞など刀の擬人化が流行る昨今。その流行に便乗したものかと思っていたら、このマンガの方が刀剣乱舞よりも古く、刀擬人化の先駆けのようです。

どうせ刀のことを知らぬ素人が書くファンタジーな刀マンガだろうとたかをくくって読み始めたのですが…

 

愛刀家の皆さん、愛刀家ではないけれど家に刀が伝わっている、所持されているという皆さんに、絶対に読んで頂きたいマンガです!!!

 

私は“カタリの刀”と言うお話が特に心にジーンときまして、読み終えた時には思わず目に涙が浮かんでいました。

偽銘を切った太刀のお話なのですが、あらすじは皆様のお楽しみのためにここには記しません。是非書店でKATANAの第二巻をお求めになり、このお話をご覧下さい。

 

“誇り高き無銘刀であれ”

かまたきみこ「KATANA」 カタリの刀

 

名台詞中の名台詞ですね!

かまたきみこ「KATANA」 カタリの刀

平成のサムライ、全力でこのマンガを応援します!

かまたきみこ先生、これからも刀に関する正しい知識と心を、マンガを通じて広めて下さい。

修心流居合術兵法 シアトル支部直伝稽古

修心流居合術兵法では実技だけでなく、それぞれの時代姿の刀に応じた手の内や振り方、日本刀の構造や疵などについても教授しています。

下に紹介する写真は刃切と、 “刃切がある刀は使い方次第で折れることは無い” という物理の教授風景です。

シアトル支部はベルビュー(Bellevue)にある日本人学校の講堂をお借りして活動しています。

暗殺剣  士の一族

暗殺剣  士の一族

http://blog.goo.ne.jp/kelu-cafe/e/d84cf8dc28c37d219e1cda04562b4f76

渓流詩人ブログ

忌憚無き意見交換をさせていただいている渓流詩人さんが、江戸期の居合(英信流系)に関して大変興味深い記事をお書きになられています。

敵が己に害をなさんとするのを… という綺麗事を正論だと考えられる方に、江戸時代の武家社会について知っていただければと思います。

相手が斬りかかって来たから斬った… では済まされない。正当防衛すら通じない封建社会の中で、何故に居合、剣術を極めたのか?

非常に勉強になる記事です。

 

日本刀研磨

日本刀を安易に自ら研ごうとする素人に向けて、また、日本刀研磨の下地について、まとめた動画を作りましたので是非ご覧下さい。

剣士の腕は鯉口を見れば判る。

http://blog.goo.ne.jp/kelu-cafe/e/39cbfd766ef65f7748874e7d66a61d4c
剣士の腕は鯉口を見よ

渓流詩人さんのブログを御紹介します。
実に感慨深い内容が記されており、同感であります。

刀531 無銘(寿命)の来歴について

寿命
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/531/00.html

本日御案内を開始しました“刀531 無銘(寿命)”の来歴を問われる質問が寄せられましたので、他のご検討頂いておられる皆様にもお知らせ致します。

昭和26年の大名登録についてはご存知かと思いますが、当時、日本刀の個人所有が認められるようになってから、国が旧大名家を中心に、その蔵刀を登録してまわりました。
その中でも都道府県名ではない文化財登録は、初期の段階に行われました。
都道府県名での登録の場合は、その登録地から大体の出自を割り出せるのですが、文化財登録の場合は、どこの都道府県で登録が行われたのかを知ることができず、残念ながら出自来歴をたどることは、全国照会をかけなければわかりません。
全国照会をかけてしまいますと、登録証の昭和26年3月10日と言う古い登録年月日が書き換えられてしまうおそれがあるため、刀剣趣味者は名義変更すら行わないのが現状です。
26年3月中の登録は、天皇家も含め、大大名の蔵刀を中心に登録されたと言われています。
今回御紹介する寿命は静岡県下の旧コレクターが長く愛蔵していた品で、コレクター本人死去により遺族によって当店へ売りに出されました。(委託品)
本刀の登録年月日は昭和26年3月10日と、最初期の登録であること、また、本刀が静岡県下で登録されたものだとすれば、大政奉還後に静岡で隠居生活を送った徳川宗家(慶喜)の蔵刀だった可能性が窺がわれます。

レーザービーム投石部隊


野球に全く興味がない私は、イチロー選手がどのような活躍をするのかすら知りませんでした。
先日渓流詩人さんのブログで上に掲げた動画が紹介されており、見るなり唖然となりました。

強い肩
正確なコントロール

動画を見て一番に思ったことは、戦国時代の足軽投石部隊のことでした。
講談や時代劇の影響で、日本人は白兵戦志向と考えられがちですが、実は遠戦志向であり、戦の勝敗は弓と鉄砲、投石で決まったと言われます。
太刀や刀を抜いて戦うことは珍しく、槍や薙刀を含め、刃物による白兵戦は4~6%程度だったと言われます。

中でもあまり知られてはいませんが、戦では投石が多く行われ、それこそメガーリージャー並みの強靭な肩を持つ足軽で編成された投石部隊の活躍は凄まじかったものと思います。
武器となる石つぶてはどこにでも落ちており、調達に苦労することはなかったことでしょう。

イチロー選手の動画を見て、遠いところから、兜首目掛けて正確に石を投げる投石部隊足軽の姿を容易に想像することができます。
音も立てずいきなり石が飛んでくる…
食らえば骨折や脳震盪は免れないことでしょう。

ただ、あまりにも地味すぎるため、講談や時代劇では取り上げられ、語られることもありません。

ガッテン! 氷斬りに関して

昨夜放送されましたガッテン!をご覧頂きました皆様、ご視聴ありがとうございました。

氷裁断に際し、今回もとても良いデータを採取することができました。
使用した刀は、現代最高峰の名工、藤安将平刀匠の手による作です。

流石に刃毀れするかもしれないね。

氷の専門家と将平刀匠のそんな憶測をよそに、使用した将平刀は微塵の刃毀れもきたすことなく、実験とリハーサル等合わせ、40回近く氷を裁断した後も、コピー用紙を剃刀の如くサーッと切ることができました。


-20度の氷に切り込むこと約40回。氷裁断荒試しの後の将平刀の切味。

この切味は尋常ではありません。長年古刀再現に刀匠人生を捧げてきた将平刀匠の研究の賜物です。
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http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/masahira/buyou/01.html
※将平刀匠による将平刀の製造直販は行っておりません。将平刀を御所望の方は将平刀匠代理店である美術刀剣 刀心にご用命下さい。

尚、人工、天然という括りではなく、氷は冷却温度によって斬り辛さが変わってきます。
聞くところによると、マイナス70度まで冷却した氷の硬度は天然水晶と同じだそうで、流石の日本刀でも刃を通さないようです。※砕けはすると思われます。

刀屋が集う市場に出向くと、実に様々な刀剣に出逢える。

出来がずばぬけたものもあれば世にいう鈍刀まで実に多彩。

人気があるのはやはり二尺三寸を超える長寸の刀。拵が附属していれば尚最高。競り値も高くなるものです。

そのような長寸の刀を手に、刀屋さん達がよくこう言われます。

「反りが浅すぎるなぁ」
「反りが深すぎるなぁ」

なぜこのような言葉が出るかといえば、世の居合抜刀を嗜むお客様方が、皆揃って六分反りを好み、それを基準とするからでしょう。

そのため長寸刀であっても有名工の作品でなければ、反りが深いもの、浅いものは比較的安く仕入れることができます。
そのような刀を狙う私にとっては御の字でありますが、正直な心中を語りますと、居合抜刀などを嗜む武辺の者が、反りの深い浅いで刀を選り好みするのは如何なものかと思うのです。
勿論、自分好みの一刀と言うものがあるとは理解しますが、私はこれまで刀を選り好みして使ったことがないものですから、そこのところの心境が解らないのです。

手元にある得物を使う。ただそれだけしか考えたことがありません。

反りが深く、試斬稽古に不向きな刀であっても、手の内次第で六分反りの刀と変わらず使うことができます。
反り浅目の刀は姿が日本刀らしくないと思われるから人気がないのかもしれませんが、素人が使っても刃味鋭いのは寛文新刀のような反りが浅い刀です。

切先が小さいと頼りないと思う人も、先幅が広いほうが良く切れるという人もおられますが、道具頼りではいけません。

私が普段使う将平は一般的な現代刀に比べると物凄く細身ですが、私はこれで隙間を空けて五本並べた畳表を袈裟にも切り上げにもします。※密着させた多本数と隙間を空けた多本数では隙間を空ける方が難しいのです。
刃肉平肉は豊かについており、けして肉は削ぎません。

ところが物斬りをされる方は、何故か平肉と刃肉を枯らすよう研師に依頼するのです。

平肉と刃肉を枯らしては、刀としての機能を発揮できません。
減らした肉は元に戻すことはできないのです。人のように食っちゃ寝してるとまた肉がつくというわけではありませんからね。

肉を削ぐのではなく、入念に内曇砥を刃先にかけてください。そうすれば肉に対する考えは変わるでしょう。
安い研磨ではなく上研磨の改正またはさっと内曇をかけたくらいで止めてもらってお使いになると、驚く程切味が鋭く変わることに気付かれるはずです。

近頃の試斬体験会及び試斬に思うこと

昨今、刀剣乱舞なるゲームがきっかけで、女性の間にも刀ブームが起きています。

多くの人が日本刀に興味を持ってくださることに関しては、とても嬉しいことと喜んでおります。

しかしながら、にわか知識の勉強会や試斬体験会に趣く方々を見ると、個人的に困惑するばかりです。

この記事を読まれてご気分を害する方もおられるでしょうが、敢えて書かせていただきます。

ちゃんと道場に通って技術を磨き、それから試斬稽古をされるのと、興味本位で刀(真剣)でポーズを作ったり、振り回したり、果ては素人相手の試斬体験会に趣くのとでは、刀剣に対する精神的な心構えが全く異なります。

また、やたらめったら本数を切ったり、太物を切ったり、そういった切ることばかりにやっけになっている流派、道場、各種団体におかれましても、刀剣に対する精神性が欠如していると言わざるをえません。

ズバリ申し上げます。

安易に試斬体験会に趣く方々は、愛刀家ではありません。刀剣を虐待しているだけのナルシストです。
そのような方々は日本刀が好きなのではなく、刀を構え、振り回し、切っている自分に酔っているだけです。
これは私個人の見解ばかりではなく、実際に精神分析、精神鑑定の分野から、専門家が指摘しています。

江戸時代、罪人の死体を用いて競われた日本刀の切味。その延長で日本刀は真っ二つに裁断するものと、間違った認識がはびこっており、刀剣を扱うことを生業にしている方々は、昨今の刀剣ブームに乗じて金儲けをしてやろうという邪な心根のもとでしか動いておりません。

素人相手に付け焼刃な試斬体験をさせ、刀を振る己に酔うナルシスト心を煽り、日本刀を美術品としてではなく、単なる刃物扱いとして販売する。はたまた自らが営む道場に誘い会員数を増やす。いずれも蓋を開けてみればそこには営利を目論んだものばかりです。

高価な日本刀を手にさせてくれる。たった数千円で刀で畳表を切らせてくれる。なんて親切な人達だ。

その程度にしか思っていないのでしょう。そこに群がる人達は。

人間誰しも雲霞食べて生きているわけではありませんので、それなりに利益を得なければならないのはしかたないこと。しかし、私は一愛刀家としてそれらの行為に警鐘を鳴らします。

過去のブログ記事で、素人が畳表に切り込んだ時に生じる刀への負担については記述しておりますが、再度写真を掲載します。

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これらの写真は肉眼では気付けない一瞬を捉えたものです。
わかりますか?

刀にこれほどの衝撃と負担がかかっているのです。
こうしたことが何度も行われると、刀は金属疲労を起こし、いずれ折れてしまいます。

安易に試斬体験に趣く人達が、何の自覚もなく、こうして刀を虐待しているのです。

無銘の安い刀だから… と貸し出されているその刀、鑑定書がついていないだけで、実は大名刀の大磨上無銘物かもしれません。
まだまだ名刀は巷に埋もれています。作者銘がない物、大銘が切られた刀(超有名な作者銘が入った刀のこと)だから、どうせ偽物だろう。そう思い込んで使われている刀の中に、とんでもない名刀が紛れている可能性は否定できません。
それらの命を縮め、奪おうとする行為をされていることを自覚されてください。本当に刀のことが好きなのなら…

以前ブログにも記述しましたが、このように素人に使いまわされる刀を見ると、私は“愛する女性が輪姦されているようにしか受け取れない”のです。

極端な喩えになりますが、試斬体験に趣く刀剣女子、刀女子の皆さん、刀を貴女に、試斬体験する人を性欲むき出しの男達に置き換えて考えてみて下さい。

「この女、どんな抱き心地がするんだろうな? みんなで味わってみようぜ。」

抵抗することも許されず、乱暴に扱われ、心も身体にも傷がつきませんか??

貴女方が遊び半分で試斬に使った刀も、同じように傷ついているはずです。
言葉を発することができないだけに余計に可哀想です。

それから、日本刀の正しい使い方と言うのは、あのように畳表や竹を真っ二つに切るものではないのです。
それはしっかりと古流の剣術や居合を修練されれば理解できることですが、刀はサッと動脈を切るだけの使い方が正しい使い方なのです。
今現在、日本国内には約300万振の刀剣が残されていると言われています。他の国に比べると圧倒的に刀剣の数が多いのです。

何故だかわかりますか??

それは、古の武士や侍達が、大切に大切に遺して来たからに他なりません。
剣術の稽古には木刀や竹刀を用い、真剣の使用を控えていたからなのです。

そのような古の人々の想いすら、貴方達は踏みにじっている。

早くそのことに気付いて下さい。
試斬を体験したいのであれば、ちゃんと道場に入って修業して、実力をつけてからにしましょう。

試斬体験から道場に入るのではなく、道場に入ってから試斬。道順を違えないで下さい。

何よりも刀が大好きでやまない、一愛刀家からのお願いです。