武術としての試斬 ~初動を読ませない斬撃~

大きく振りかぶって勢いをつけて切る試斬を、修心流では良しとしていません。
あくまで武術としての刃筋確認稽古ですから、初動を読ませず、身体が動いた時には畳表が両断されている… 修心流が求めるのはそんな斬撃です。

動画で右袈裟の初太刀の後の左斬上にご注目頂ければと思います。

刃筋確認 ~水平圧斬~

 

スタッフS君が畳表を巻いてくれたので、刃筋確認の稽古を行いました。

毎度ながら100%満足できるものではありませんが、まずまずといったところです。

今回は振りかぶったり、力やスピードでごまかすのではなく、切先に一瞬にして重さを乗せる圧斬(へしきり)で水平払いをする様子も公開します。

畳表と刀との距離は20センチ程でしょうか。

暑い中畳表を巻いてくれたS君のために、少し試斬の手解きも行い、その様子も収録してあります。

S君には5本ほど斬らせたでしょうか。今回は成功しませんでしたが、次回あたりは返し業も成功しそうです。

 

日向住善正作之 昭和五十一年八月吉日

日向住善正作之 昭和五十一年八月吉日
日向住善正作之 昭和五十一年八月吉日
– Hyuga ju Yoshimasa –
 
本名、前田正秀。都城市庄内町住。
 
元幅36.6ミリ、物打の身幅27.8ミリと、重ねも厚いゴリゴリの剛刀。
今回、この刀を武用刀仕様で御紹介しておりますが、疵欠点無く、頗る出来が良い作品で、本来は美術刀剣として鍛えられた高級現代刀です。故に小板目肌良く練れて詰み、地沸付いた精良な地鉄に、小沸本位の明るく冴えた互ノ目乱れには一切の破綻がありません。
 
以前は美術鑑賞用上研磨が施されていましたが、前所有者が試斬稽古に用いていたため、今回新たに居合用の研磨を施して御紹介致します次第です。
試斬稽古に用いていたとのことで、曲がりや金属疲労を気にされる方もおられますでしょうが、前所有者は店主町井勲指導の下で正しく試斬の手解きを受けておられましたので、曲がり、捩れ等の類は一度も生じさせておりませんし、更なる良刀買い替えのための下取り刀ですので、使用歴に関してはどうぞご安心下さい。
 
上述の通り修心館の門弟のために誂えました拵ですので、居合術家町井勲監修の下、微塵の狂いもないしっかりとした拵です。居合形稽古には使用していませんので、鯉口やはばき袋部分も綺麗な状態で、ほぼ新品の拵と変わらぬ状態です。柄は親鮫の腹合着(一枚巻き)にて牛裏革でしっかりとした捻り巻きに仕上げ、使用金具は龍で統一していますので、見栄えも大変良く仕上がっています。
がっしりとした武用拵の新調費用、居合用とは言え研磨代等を考慮すると、表示価格はかなりお買い得であることを御理解頂けるものと思います。
※白鞘に鞘当たりが見受けられますので、保管は拵に刀身を納めたままの方が好ましいでしょう。つなぎは附属しません。
 
裸身重量1,020グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,339グラム。

無銘 ~町井勲監修、黒蝋塗鞘打刀拵新調済み 身幅広い剛刀~

無銘 ~町井勲監修黒蝋塗鞘打刀拵新調済み 身幅広い剛刀~
無銘
– Mumei –
 
奉書紙を割いたかの如き匂口が特徴的な近代刀です。匂口明るく冴え、身幅は広く、重ねもしっかりしており、手にするとずっしりとした重量感があります。造り込みは鎬幅狭めで鎬高く、いかにも斬撃の抜けが良さそうな雰囲気を漂わせています。
 
現状古研ぎで部分的に薄錆が見られますが、特筆すべき疵欠点無く、剛刀と称すべき武用刀、試斬稽古刀をお探しの方にうってつけの一刀です。先重り重心なので、土壇斬りや多本数斬りでは刃味を発揮してくれそうです。
※畳表試斬にお使いの場合は、寝刃合わせされてからお使いになられると尚良いでしょう。
 
附属する黒蝋塗鞘打刀拵は、居合術家として海外にもその名を知られる刀心店主、町井勲監修によるもので、微塵の狂いもないしっかりとした拵を新調しました。拵新調にあたっては、はばきの台尻の角度で使い勝手も変わって来ることから、町井のこだわりで新たに銀牡丹祐乗はばきを新調。切羽は安価な既製品ではなく、職人による手作りの本銀切羽を誂え、柄は親鮫を贅沢に腹合着せ(一枚巻き)にし、牛裏革にてしっかりと巻き上げました。勿論鞘はこの刀に合わせて鞘師が手造りした本拵で、巷に見る模擬刀鞘の使い回しとは異なります。
旧銀はばきはつなぎの方におつけしていますので、刀身を白鞘に納める際には旧銀はばきを装着下さい。
 
身幅広い豪壮なる試斬稽古刀をお探しの方、居合に於いても豪壮なる刀をご使用になられる方に、絶対の自信をもってお薦めいたします一刀です。
研磨ご希望の方、10万円(税別)にて綺麗に致します。お気軽にご用命下さい。
 
裸身重量1,022グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,303グラム。

試斬に関する勘違い

勘違い

先日、ツイッター及びユーチューブに於いて、右袈裟に切った畳表仮標の上部が落ちずに残る動画が、会心の一撃かのように紹介されていました。

試斬ばかりを稽古している抜刀道の人の中ですら、このように上部が残ることを会心の一撃や物凄いことだと誤認されている方が多いです。

日頃試斬に明け暮れる人ですら勘違いしているのですから、何も知らない素人は尚更この現象を見て「凄い!!」と思ってしまうわけですが、実はこれ、凄くもなんともないことであり、むしろヘタクソな証拠なのです。

稲藁や麦藁などを束ねて作った仮標相手だと、写真のような現象は比較的多く見られますが、横糸を入れて編み上げた畳表仮標では、正しく刃筋を通して斬る事が出来たなら絶対に起きない現象であることを、今回の記事で皆様には知って頂きたく思います。

藺草でも畳表のように編み上げていないもの、つまり繊維を束ねただけのものでしたら写真の現象は起こりやすくなります。

つまり、編み上げていない仮標は切り口の断面が広がり、それによって下部とのひっかかりが生じるために上部が滑り落ちる事無く残るというわけです。

一方、編み上げた畳表の場合ですと、切り口断面は鉋をかけたようにつるつるに近く、そのため切った上部は下部にひっかかることなく下に落ちてしまいます。

とかく武術・武道と呼ばれる世界には、誤認、勘違い、自惚れが横行するもの。

写真のような現象が起きたときには、ただただ己の技量の拙さを反省すべきなのです。

そして、殺陣は殺陣であり武術ではないこともしっかりと皆様にはお知り頂きたく思います。

あらゆる事態を想定して稽古するのは良いとしても、あらゆる事態を形として残すということを先人達はしていません。

あらゆる事態に備えて稽古するのが基本となる形であり、それを各々で応用して実践するのが武術ではないでしょうか?

相手との立ち位置、腕や足の角度が一度違っただけでも、形通りの動きでは業は成立しません。それらを事細かく形として残していたなら、角度についてだけでも360度あるわけですから、同じ所作を基本にした形でも、360通りの形が存在することになります。

系譜が正しく証明されている古流派をご覧になれば、形の数はさほど多くないことにお気づきになられるはずです。

刃筋確認

ここのところ物斬りの調子が悪い。

今日はスランプの原因を探るべく、少し畳表を斬ってみた。

原因は解り、スランプは抜け出せたように感じたので、返し業を一本の畳表で何回できるかに挑戦してみた。

まだまだ改善点が見られるように思う。