修心流居合術兵法 演武

早い話になりますが、来年の四月に門弟達と演武会に参加することにしました。

門弟の中には

「私の拙い演武で修心流に恥をかかせてしまわないかが心配です。」

との声も聞かれましたが、そんなことはありません。たった数年ではありますが、着実に技術は身についています。

そんな彼には二刀形の演武を披露してもらうことにしました。

入門からまだ数ヶ月の門弟も、全力を尽くして頑張ると意気込んでいます。彼らには組居合形を披露してもらうことにしました。

最古参の柳原は初めての仕太刀を担当してもらいます。

これまで技術が拙く、そのため確実に業を繰り出すことができなかったため、演武においては常に私が仕太刀を勤めてきましたが、ここでようやく上級者が打太刀を勤めるという本来の演武を披露できそうです。

来年のこの演武会は門弟達が主役です。また演武会が近づいてきましたら、詳細を皆様にお知らせいたします。

東京道場直伝稽古

昨日と一昨日の二日間、東京道場にて稽古をつけてきました。

今回の課題は、現在十六本ある組居合立業の形を覚えてもらうこと。

組居合は単独で行う形とは異なり、二人一組で行います。打太刀と仕太刀とで手順が決まっている約束稽古とは言え、見た目だけではなく、本当に業を成立させながら形稽古を行うのが私が指導する修心流のモットーなのですが、武術ですから当然ながら危険なものもあるわけで、だからこそしっかりと手順を覚えてもらわなくてはいけません。

袈裟に打ち込むべきところを、とんでもない方向から打ち込んでしまえば怪我はまぬがれませんし、場合によっては死亡事故にもつながります。ですから組居合の稽古ではどうしても大きな声で注意したり、時には叱ることも出てきます。

今回の稽古では特に厳しく注意し続けた門弟がいたので、気が滅入っていないか、居合に対する興味を失ってしまっていないかなど、気がかりではありますが、上手になって欲しい。怪我をさせたくないとの私の思いやりからのものですから、きっと気持ちを理解して来月の稽古にも笑顔で参加してくれるものと信じています。

修心流居合術兵法 公開演武と講習会のお知らせ in福島県

修心流居合術兵法 福島県講習会

 

修心流居合術兵法 公開演武

修心流居合術兵法 香川講習会のお知らせ

修心流居合術兵法 香川講習会

5月20日(日)開催

申し込みは yusuina@gmail.com まで

京都河原町での居合術体験会

昨日27日に開催されました居合術体験会の様子です。

居合術体験会々場は36畳の広さ。

最寄駅は京阪電鉄三条駅、または阪急電鉄河原町駅です。

受講者のために用意された鞘付木刀と角帯。

着替え終えて開講を待つ私と長男の友哉(修心館大阪北道場長)と柳原(修心館主席指導員)

 

居合術がいかなるものかを組居合形亀甲返の演武で披露。

ガッチリと両手で私の柄をおさえている柳原が、一瞬で宙に舞って倒される姿に、刀=チャンバラのイメージを強く持っていた受講者達からは、驚愕される声が聞こえました。

 

稽古の始めと終わりには、単に形だけの刀礼を行うのではなく、その意味や作法についても学んで頂きました。

 

 

京都河原町での居合術体験

実はこれまで、私は観光客向けに行われる侍体験なるものに対し、非常に無関心であり、むしろそう言った企画に対して否定派の立場にありました。

殊更観光客や素人に真剣を握らせ、畳表を斬らせる試斬体験なるものに対しては、全面的に否定する立場でした。

しかし、ここ最近の天心流兵法との論戦の中で、観光客や素人に私自ら正しい作法と刀剣マナーを啓蒙拡散すべきなのかもしれないと思うようになった次第です。

 

この私の思考の転換を、揚げ足をとる方は格好の餌とし、

「町井は言ってることとやってることが違うじゃないか。」

と面白おかしく吹聴するかもしれません。ましてや

「天心流の二番煎じ始めた。」

などと心無いことを言うのかもしれません。

 

正直、観光客を相手に居合術体験のお話を頂いた際には最後まで気乗りしませんでした。

そして居合術体験初日。

侍の真似事ができればなんだっていい! そう思っている旅行者が殆どだと思っていた私ですが、思いの他熱心に受講される姿に感銘を受けました。

「私が伝えたいのは居合術であって、侍の真似事ではありません。」

開口一番そう発した私に対し、受講された外国人旅行者の方は、逆に眼を輝かせてくれました。

居合術体験なのに刀を握らせてくれない。面白くない。

そんな言葉が出るのではないかと思っていたのですが、その期待を大きく良い意味で裏切って下さった受講者の皆さん。

股関節の抜きとはどういうものか、それぞれに遠慮なくかかってきていただき、それをさっといなして見せると、恰幅の良い長身黒人の方が、とても嬉しそうに眼を大きく見開き、何が起きたのか? 何をどうしたのか? 質問されました。

女性外国人の方も、私が「腰の捻りと股関節の抜きは、似て全く非なるものです。」と説明したところ、

「その違いを知りたいので、先生の腰に手を当てさせてください。」

と申し出てこられるなど、皆さん積極的に学ぼうとされました。

海外の番組で私を見たことがあると言う黒人の方、私のファンだと言われ、

「まさか京都旅行で町井先生直々にご指導をいただけるなんて思っていませんでした。観光客向けの侍体験程度に考えていたのに、本当に素晴らしい体験が出来ました。」

と喜んで下さり、講義終了後も色々とご質問を頂きました。

そこで私は通訳の力を借りて、正しい刀剣のマナーを伝え、特に杖太刀については絶対にしてはいけない無作法であることをお伝えしました。

彼らが自国に戻られ、私から教わった知識を友人に語り、更にその友人が他の友人に語り、そうやって天心流が広めようとする無作法を抑制することが出来れば、私は目的を達することができます。

天心流が焼鳥屋の中で殺陣ショーを披露し、それを見に来る外国人や素人と、杖太刀姿で写真を撮る一方で、私は京都を中心に、正しい知識と作法を自ら伝えて是正していく。

 

昨夜も二回目の居合術講習会を行いましたが、皆さん刀を杖太刀なさっていたので、開口一番

「皆さんは幕末の侍が刀を杖のように構えて写っている写真をご覧になったことがあるでしょう。しかし、それらは写真家の求めに応じてとられたポーズであると考えられ、武士や侍達は普段、刀(刀の鞘)を杖のように地面につけることはありませんでした。それは数多く遺されている刀の鞘尻(こじり)を見れば一目瞭然です。杖太刀は刀に対する無作法。こうして私とであった皆さんは、どうか正しい知識をお土産に持って帰ってください。」

と挨拶したところ、

「Oh! Sorry.」

と言って皆さんそれ以降杖太刀することはありませんでした。私にとってとても嬉しい出来事でした。

肝心の居合術体験も非常に熱心に受講され、ここでも再び

「観光客向けの侍体験ではなく、本物の侍体験ができた。本当にありがとう。」

と感謝の言葉を多々頂戴しました。

 

観光客向けにあちこちで繰り広げられる、眼を覆いたくなるような試斬体験。

侍体験という大義名分を掲げて手っ取り早い金儲けを目論む主催者達。曲げられ、傷められる刀を減らすためには、頑なに拒否してきた試斬体験会そのものの中で、

「刀が如何なるものか? 士達は刀にどのように接してきたのか? 正しい刃筋の立て方と刀を傷めない試斬稽古の仕方。」

を私自ら手解きし、広く海外の方へ発信して行くのが最良の方法なのかもしれないと感じてきました。

京都までの移動時間、拘束時間を考えると、採算はあわないのですが、私と柳原、長男と次男の四人で当番制をとり、可能な限り一人でも多くの方に、正しい知識と作法をお伝えして行きたいと思います。

この居合術体験は海外からの旅行者だけでなく、国内に住む方、京都在住の方にも勿論受講頂けます。

ご興味をもたれた方はお気軽に御連絡下さい。※試斬体験は今のところ行っておりません。将来的には受講者の技量を見定めた上で、刀を曲げない振りが出来ている者にのみ体験頂くことを行うか、只今検討中です。勿論使用するのは古い刀ではなく、現代刀を用いることになるかと思います。

昨日の居合術体験に補助として同行した私の長男(修心館大阪北道場長)

同じく指導補助として同行した本部道場主席指導員、柳原

正確さを磨く ~抜付の初太刀~

昨夜の大阪北道場定例稽古から

抜付の正確さを養う稽古です。

正面に座す者の視力を初太刀で奪うという修心流居合術兵法(無双直伝英信流町井派)の形想定に従い、巻いた畳表の上に直径3センチ程に丸めたティッシュペーパーを置き、それを正確に抜付で斬りつけるというもの。

単にティッシュを落とせば良いというものではなく、確実に狙いが定まっているかをティッシュの飛び方、落ち方、落ちる方向などから精査していきます。

畳表は高さ90センチ程、己と同じ背丈の人間の目線の高さはこれより10~15㎝程高くなるのですが、相手は常に己と同じ背丈とは限りませんので、様々な高さに対応できなければなりません。そう言った意味でもいつもよりやや低めの仮標に斬り込むことは良い稽古になります。

この動画の中では 01:26 と 01:44 あたりの抜付が自己評価としては良い方で、両者で言えば 01:44 の抜付が最も理想的です。

両者の違い、また、他の抜付動画との違い、読者の皆様はお気づきでしょうか?

私が追い求める抜付とは、鞘払いの音も無く、繰り出される刀の樋音しか聞こえない抜付なのです。

音を発さぬ抜付は非常に難しく、私も毎回理想通りに抜けるわけではありません。何故音がしない方が良いのか? その答えは単純なもので、刀に一切の負担をかけさせないためです。

近頃は速く抜けばそれが居合・剣術だと勘違いしている修行者が目立ちます。勿論速く抜くことも大切なこととは思いますが、まともな身体捌き、鞘引きを身につけていない技量不十分な者が速さに頼ると、以下の写真のようになります。

未熟者による抜付1-1 未熟者による抜付1-2 未熟者による抜付1-3

 

お解かりでしょうか?

まともな修業を重ねていない者による速さに頼り切った抜付では、刀が大きく撓り、正確に狙い定めた位置に剣先が行かないどころか、骨に当ると刃毀れを招き、刀身を曲げてしまいます。

同じ動きを正面からも見て見ましょう。

未熟者による抜付2-1 未熟者による抜付2-2 未熟者による抜付2-3

 

たとえそれなりに速く抜けたとしても、見る者が見れば使えない、侍の真似事でしかないことが判ります。斬撃性が無く、平叩きなので打ち身または打撲程度の怪我しか負わせることはできません。

しかし、悲しいかな世の中の人全てが居合や剣術に精通しているわけではありませんので、速さにごまかされてしまう素人が多いのが現実です。素人でも眼が肥えてくれば自ずと可笑しいことに気付き、本物の古流武術に鞍替えするのでしょうが、それに気付けず数年、十年と続けている夢見る素人がたくさんいます。

悪い見本として丁度良い動画から画像を抽出させて頂きましたが、これは各連盟で居合を修業されている方々にも言えることです。

稽古を重ねていく中で、刀の横手にヒケが多数入っていたり、横手が消えたり、横手が変形したり、鯉口を削ったり、鞘の刃方を削りながら抜付を行う者が居合修業者の99%と言っても過言ではありません。

師匠選び、道場選びの大切なポイントは、私の拙著「最強のすすめ」にも記していますが、本物の抜付ができているか、身体捌きができているかは、その人の刀と鞘を見れば一目瞭然であり、抜付の初太刀で樋音、刃音が出ていない者から学ぶべきものは何もありません。

まともな抜付を身につけたい場合は、まともな抜付ができる者に指導を受けるのが宜しいでしょう。速さでごまかすところからも得るものは何もありません。

 

東京都内で修心流居合術兵法を学ぶことができます

現在、私が創流しました修心流居合術兵法(旧称 無双直伝英信流町井派)は、兵庫、大阪、東京、アメリカシアトル、中国北京にて学ぶことができます。

東京道場は雪が谷大塚駅から150メートルと好立地で、稽古後の打ち上げもお楽しみの一つとなっています。

今月は24日(日)に私が上京して直接指導いたします。

稽古時間は毎回、10時~17時の6時間と長丁場ですが、毎回課題を用意していますので、時間が過ぎるのがあっという間に感じられます。

お貸しできる道具が充実しておりませんので、稽古体験は予め御連絡を頂く必要がございますが、見学だけでしたらいつでも対応可能です。※ご見学も予め御連絡頂けますと幸いです。

 

私が言うのも何ですが、修心流居合術兵法の稽古は非常にマニアックなもので、世間一般的な居合道場とは大きく異なります。刀を抜き差ししている時間より、身体捌きの稽古時間の方が長いことも多々あります。

時代劇ヒーローのようにサッと抜いてピュッっと振って、かっこよく刀を回転させて納刀! なんて派手なアクションを求められる方には不向きですが、

・日本刀の構造や理に適った刀法を学びたい方

・日常での身体の使い方に変化をもたせたい方

・力を使わず、身体に負担をかけない身体操作を学びたい方

・現代居合(連盟所属の古流居合)に疑問をもたれる方

・合氣道や合気柔術修業者で剣の理を知られたい方

・護身術を身につけたい方

・二刀流や剣術、鎌槍術を学ばれたい方

には非常に向いています。

 

修心流居合術兵法(修心館)は悲しいかな門弟数が少ないため、現在は内輪の少人数で和気藹々と稽古しているのが現実ですが、稽古に集う方々の中には、他の武道の指導者(指導員)や高段者もおられ、これはつまり、修心流居合術兵法が他の武道経験者をも惹きつける魅力ある流儀・稽古である証と言えるでしょう。

 

ネット上での数多の発言から、

偏屈で気難しい

そんなイメージが私にはあるかもしれませんが、実際の私に触れていただければそんなイメージも払拭されると思います。

木刀や模擬刀とは言え、誤まった使い方をすると大怪我や命に関わる事故を招いてしまいます。そのため稽古中の所作に危険を感じた時には、怒声や檄を飛ばすことも稀にありますが、基本的には寒い関西のオヤジギャグと、笑いが絶えない楽しい稽古です。

只今東京道場で共に汗を流す修業者を募っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

抜付の極意

「これ、動画を見ても真似できないですよ。」

渓流詩人さんがそう仰るので、門弟向けに撮影した抜付の極意動画を一部公開してみます。

観察眼鋭い方ですと、どのような稽古をしているのか御理解いただけるでしょう。

派手ではないので素人受けはしません。それが古武術としての居合術稽古です。

一昨日の稽古と昨夜の稽古

6月3日、大阪豊中岡町道場定例稽古

前半は居合形。後半は四方投げ及び股関節の抜きの稽古。

独りで行う居合形で注意しなければならないこと。それは刀が発する樋音以外を発せぬこと。これが出来ていない人は、鞘の内を削り、無駄に刀にヒケ傷をつけることとなります。

ヒケ傷がつくと言うことは刀に要らぬ負担をかけている証拠であり、修心流が目指すところは、刀身にも拵にも優しい居合。刀に優しい居合は合理的であり物理的にも強いものとなります。

私自身もまだまだで、急いで形を演じると、時折樋音以外の音を発することがあり、人生をかけて学び改善していかねばならない最大の課題です。

四方投げは受け(相手)を置いて稽古すると、時に力技になったり、物理法則に反した強引なものとなることがあります。力が全くぶつからぬよう、相手の軸をファーストコンタクトの段階で崩すことが肝要。

その理想的な体捌きを身につけるためには、基礎である股関節の抜きができなければいけません。

修心流は合氣道の道場ではありません。あくまで居合術の道場です。ですから四方投げの稽古に関しても、常に刀を使う身体捌きで教授しています。

下に掲げる連続写真で、四方投げが請流入身からの後方斬りであることを御理解いただけるものと思います。

股関節の抜きに関する稽古法については、秘匿につきご想像にお任せいたします。

この日の稽古では最古参の柳原君の納刀について、右手頼りに行っていることを再指摘。下に掲げる動画は柳原君の研究用に撮影したものですが、彼と私の納刀の違いを見比べてみてください。

 

 

6月4日、本部道場定例稽古

居合形初伝~奥伝。

組居合形居業~立業。

後半は天地投げの稽古。

天地投げとは刀を上方に抜刀する動きであります。

右手に頼っても、左手に頼っても業は成立しません。

何が大切かと言いますと…

やはりファーストコンタクトで相手の軸を崩すことです。

両手で一通り天地投げを稽古した後、今度は天地投げを右手のみ、左手のみで稽古します。

片手で天地投げなんてできるのか?

と思われるかもしれませんが、正しい身体捌きが出来ていれば、実は左右それぞれの手でも同じことができるのです。

その稽古法については今回は触れません。

私は周知の通り、居合界の異端児です。現行の居合、特に英信流や夢想神伝流の居合を嗜まれ、それが正しいものだと信じてやまない方からは嫌われています。

しかし、現行の居合を拭い去らない限り、絶対に居合の本質には辿り着けません。

私のことを

「英信流のたった五段」だとか、「英信流を正しく修めていない」だとか、「創作居合」などと言う方がおられますが、私の居合こそが古流英信流そのものの再現であると断言します。

このように書くとまた炎上しそうですが、事実なのですから仕方ありません。現行の居合と何が違うのかを知りたい方は、有償ではございますが稽古体験されることをお薦めします。

逆に私の居合は合氣道等の古流柔術修行者に人気があり、海外で居合のセミナーを開催すると、その大半が合氣道修行者の方で、私のセミナーを通じて、合氣道が剣術から派生していることを再確認される方が多いです。

テレビで見せる居合斬りの姿は単なるテレビ向けのもの。稽古の本質は全く別にあります。

私の居合に興味をもたれましたら、大阪、兵庫、東京、北京、シアトルに道場がございますので、体験費用ご持参の上お気軽においでください。※要事前申込