昨夜の大阪北道場定例稽古の様子

動画をご覧頂き、ご興味を持たれましたら幸いに存じます。

ふにゃふにゃのスポンジ剣で相手を倒す! これが修心流居合術兵法だ!!

ここのところネチネチとネットにこう書かれます。

「英信流の免許皆伝を得たわけでもないのに勝手に無双直伝英信流町井派を名乗っていた。」
「他流を批判するくせにフルーツやBB弾を斬るのはOKなのか?」
「英信流の和術(体術)は一切習得していないんでしょ?」

以前にも記しましたが、現代の英信流(連盟居合)には何の価値も見出せません。もはや武術ではなく、ただの形競技スポーツですから。
その形競技ですら本物の形が出来る人は皆無と言って良いでしょう。

己がこの人は!と思える人物、技量の持ち主がいない以上、現代英信流を修業する価値は無い。そう判断したからこそ私は守破離の離に達し、己自身で業を磨いてきました。

今回ご紹介するのは昨夜の大阪北道場での稽古の様子です。
柳原の希望で居合柔術の稽古に終始しました。
その中で相手の軸を奪うと言う事がどれだけ大切なことなのかを教授すべく、ふとした思いつきから子供のチャンバラ用玩具であるスポンジ剣を使って相手を倒すという稽古を行ったものです。

力で攻めればスポンジ剣は撓るだけ、或いは中に入っている細い樹脂の芯が折れてしまいますが、正しく身体を捌き、刃筋を立てることができていればあら不思議。ふにゃふにゃのスポンジ剣すら立派な得物となるのです。

修心流居合術兵法ではこうした身体捌きを学べます。

本部道場定例稽古 2017.10.12 ~袈裟崩~


何も解説は致しませんが、動画から何かを感じ取って頂けると嬉しく思います。

中心捕り

子沢山な割りに誰一人として自分から居合を学ぼうとはしない町井家の子供達の中で、珍しく五男が最近自分から積極的に居合の稽古に参加しています。

長らく箪笥の肥やしとなっていた子供用の稽古着を引っ張り出し、五男に着せたところ大層喜んでいました。

動画中、私が五男相手に指導するのを見て、

「子供だから体格の差もあって簡単に業がかかる」

なんて思われる方もいるかもしれない。

しかし、現実はその逆なのです。

子供程業をかけにくい者はいないのではないかと私は思っています。

ですから『子供相手に業がかかるようなら本物』と言う一つの目安と言っても良いかと。

業をかけられた五男から発せられる言葉にご注目頂ければと思います。

修心流居合術兵法 通信講座

通信講座10月号

写真:通信講座の解説場面

 

修心流居合術兵法では遠方にお住まいのため、頻繫に通えない門弟や、毎週稽古に参加するも、更に自己鍛錬を積みたいという門弟のために、毎月通信講座の動画を配信しています。

今回の10月分配信の動画と稽古課題目標の一言は以下の通りです。

 

・1-1前敵おさらい
・組居合脇指居業之部2本目 陽 を比較する

今月はとにかく前敵!
前敵を余計な音を発することなく抜刀、納刀できるように、丁寧に何度も稽古しましょう。
速さに頼らないように。速さや力に頼ると正しい身体捌きは身につきません。
居合は刀の抜き差しではなく、己の身体捌きを理想のものに正すため、刀と言う定規(矯正器)を用いて自己鍛錬するものであることを忘れないで下さい。

 

と、毎月このように動画と稽古課題に対する一言を沿えて門弟に配信していますが、通信講座は業の理論、解説、実践を全て動画で伝えるため、言わば秘匿とすべき情報の流出でもあります。

そのため、希望する人全てが受講できるわけではなく、現在は8名の門弟のみが受講を許されています。

今回配信の動画では抜付における非常に大切なポイントを門弟達が身につけてくれたらと思っています。

仕太刀の目線から見る修心流居合術兵法組居合

仕太刀の目線で修心流居合術兵法組居合を見る。

 

正確さを磨く ~抜付の初太刀~

昨夜の大阪北道場定例稽古から

抜付の正確さを養う稽古です。

正面に座す者の視力を初太刀で奪うという修心流居合術兵法(無双直伝英信流町井派)の形想定に従い、巻いた畳表の上に直径3センチ程に丸めたティッシュペーパーを置き、それを正確に抜付で斬りつけるというもの。

単にティッシュを落とせば良いというものではなく、確実に狙いが定まっているかをティッシュの飛び方、落ち方、落ちる方向などから精査していきます。

畳表は高さ90センチ程、己と同じ背丈の人間の目線の高さはこれより10~15㎝程高くなるのですが、相手は常に己と同じ背丈とは限りませんので、様々な高さに対応できなければなりません。そう言った意味でもいつもよりやや低めの仮標に斬り込むことは良い稽古になります。

この動画の中では 01:26 と 01:44 あたりの抜付が自己評価としては良い方で、両者で言えば 01:44 の抜付が最も理想的です。

両者の違い、また、他の抜付動画との違い、読者の皆様はお気づきでしょうか?

私が追い求める抜付とは、鞘払いの音も無く、繰り出される刀の樋音しか聞こえない抜付なのです。

音を発さぬ抜付は非常に難しく、私も毎回理想通りに抜けるわけではありません。何故音がしない方が良いのか? その答えは単純なもので、刀に一切の負担をかけさせないためです。

近頃は速く抜けばそれが居合・剣術だと勘違いしている修行者が目立ちます。勿論速く抜くことも大切なこととは思いますが、まともな身体捌き、鞘引きを身につけていない技量不十分な者が速さに頼ると、以下の写真のようになります。

未熟者による抜付1-1 未熟者による抜付1-2 未熟者による抜付1-3

 

お解かりでしょうか?

まともな修業を重ねていない者による速さに頼り切った抜付では、刀が大きく撓り、正確に狙い定めた位置に剣先が行かないどころか、骨に当ると刃毀れを招き、刀身を曲げてしまいます。

同じ動きを正面からも見て見ましょう。

未熟者による抜付2-1 未熟者による抜付2-2 未熟者による抜付2-3

 

たとえそれなりに速く抜けたとしても、見る者が見れば使えない、侍の真似事でしかないことが判ります。斬撃性が無く、平叩きなので打ち身または打撲程度の怪我しか負わせることはできません。

しかし、悲しいかな世の中の人全てが居合や剣術に精通しているわけではありませんので、速さにごまかされてしまう素人が多いのが現実です。素人でも眼が肥えてくれば自ずと可笑しいことに気付き、本物の古流武術に鞍替えするのでしょうが、それに気付けず数年、十年と続けている夢見る素人がたくさんいます。

悪い見本として丁度良い動画から画像を抽出させて頂きましたが、これは各連盟で居合を修業されている方々にも言えることです。

稽古を重ねていく中で、刀の横手にヒケが多数入っていたり、横手が消えたり、横手が変形したり、鯉口を削ったり、鞘の刃方を削りながら抜付を行う者が居合修業者の99%と言っても過言ではありません。

師匠選び、道場選びの大切なポイントは、私の拙著「最強のすすめ」にも記していますが、本物の抜付ができているか、身体捌きができているかは、その人の刀と鞘を見れば一目瞭然であり、抜付の初太刀で樋音、刃音が出ていない者から学ぶべきものは何もありません。

まともな抜付を身につけたい場合は、まともな抜付ができる者に指導を受けるのが宜しいでしょう。速さでごまかすところからも得るものは何もありません。

 

無理! 絶対に無理!

9月28日の夕方、NHKの番組の中で、大阪市福島区にOPENした?居合道場の様子が紹介されていたらしく、たまたまそれを観ていた私の親が即電話をかけてきました。

生憎と来客中だったので、今すぐテレビを見てみろという親の言葉に「来客中だから無理」と断ったが、昨日電話で放送されていた内容を聞いた。

外国人や素人相手に居合体験?をさせるもので、結構流行っているらしいとのこと。「お前もやってみたらどうだ?」と親は言うが、速攻で

「無理!! 絶対に無理!!」

と断った。親は商売、金を稼ぐことが大切なのだから、割り切ることはできないのか?と粘るように私に言うが、出来ないものは出来ない。

誰とも知らぬ他人に己の刀を貸すなんてこと、仮に己の刀ではなく、体験用に用意した刀であったとしても、私には素人に安易に刀を貸すなんてことは到底できない。

「お前は考えが古すぎる。刀に対して魂込めすぎ。」

と親は言うが、このスタンスを変える気は今のところ微塵もない。

そもそも素人相手に試斬体験会などを行うことに対して、私は頑ななまでの否定派なのだ。

体験会を皮切りに、色んな人に刀や居合に興味を持ってもらえたらいいじゃないか?

との意見もあるだろうが、試斬体験って、単に刀を物を切るための刃物としか見ていないってことじゃないの??

そんなに気安く刀に触れさせていいの??

武術ってそんなもんじゃないでしょう??

と私は思うのです。

数千円支払えば刀を貸してくれて畳表を切ることができる。そりゃぁ体験してみたい人にはありがたいことかもしれないが…

 

私はこう思うのです。

 

刀は単なる刃物ではない。武士の魂とまで言われ、神器にまで昇華した神聖なものである。

素人が遊び半分で手にするものではない。

刀を手にするには刀への熱い想いが必要不可欠である。

他人の刀を借りて使うのではなく、己が汗水流して苦労して得た金で買ってこそ、刀はその人の守り刀になるのではないだろうか。(親から子へ贈呈される刀等も含む)

試し切りをするにしても、いきなり切るのではなく、しっかりと修業を重ねた上ではじめて行うものである。

 

貧乏だった私は今ほど刀を所有していませんでした。中学を卒業してアルバイトができるようになり、それで貯めた金で買った短刀は、それこそ安物でしたが私には価値在る一刀でした。

二十歳になり、骨董市で買い求めた昭和刀(半鍛錬軍刀)ですら、私には名刀と同じ価値がありました。

苦労して稼いだ金で手に入れたたった一振の刀、二振目、三振目と買う余裕は無く、それが故に一振の刀を如何に壊さず、長く使い続けることができるか? そればかりを念頭に修業してきたからこそ、今の技術を身につけることができたのです。

斬り損じた時にはヘラヘラ笑うのではなく、まずは刀が曲がってはいないか? そればかりを心配し、そうして刀によって技術を育んでもらったのです。

 

今後私が刀にも触れたことがない素人に、数千円で試斬体験をさせることがあったとしたら、意味のない試斬体験には絶対にしない。その道のプロが使うのではなく、一般の素人による滅茶苦茶な使い方にどれ程耐えることができるのか?を検証すべく、藤安刀匠、中西刀匠の荒試し試作品に限って行うことだろう。

これは素人を楽しませるために行う試斬会ではなく、刀の強度を実検するための試斬会。これなら意味があり、非常に有意義なことと思う。

藤安将平刀匠と数年前話していてこのように言われました。

「私の作品を町井さんではなく、刀の使い方も知らないド素人にバンバン使ってもらいたい。そうすることで私が鍛えた刀の真価が見えると思う。戦国時代、腕の立つ武将はほんの一握りであって、殆どが普段は農作業をしているような足軽でしょう? 武術や剣術に長けていない素人が使っても折れない強い刀でなければ本当の日本刀とは言えないと思うんですよね。だから私が鍛えた刀で、ド素人が無茶な使い方をした結果を是非知りたいです。」

将平師のこの言葉に私は「なるほど」と思いました。刀を手にして戦う者は修練を重ねてきた手練とは限らない。誰が使っても折れない刀… まさに理想的です。

将平師は腕が良いとは言え、時折己が満足いかない不出来の作品が出来ることがあります。

「疵だらけなので消費してください。」

そう手紙が添えられ、荒試し用としてこれまでにも数振御提供頂いたことがありますが、次回そのような刀が届いた時には、一度ド素人ばかりを募り、刀の使い方、斬り方を一切教えることなく、好き勝手に切り込んでみてください的な試斬会を開催してみたいと思う。素人を楽しませるための巷の試斬会ではなく、荒試しの一環としての試斬会。

このブログを読まれて興味を持たれた方、また、自身が鍛えた刀の荒試しを希望される現代刀匠の方、お気軽に御連絡下さればと思います。

さて、話を元に戻しますが、私は今後も自身の刀を他人に貸すこと、観光客や素人に試斬体験させること、遊びやスポーツ感覚で試斬をしたいと思う人を相手の試斬会は行わない。

刀を壊すことで私個人が金を儲けることよりも、人と違って数百年生きることができる刀を健全な姿で後世に残すために、私自身が損な生き方をする方を選びたい。

最後にもう一言。

時折気軽に「町井さん試斬教えて下さいよ。」と言われる方がおられますが、私は己の門弟以外に技術を教える気持ちは全く無い。武術ってそう言うものじゃないでしょうか?

古臭いかもしれませんが、然るべき起請文を提出してもらい、師弟関係を結び、武術修業を基礎からしっかりと積んだ門弟にしか試斬指導する気は無い。気難しい偏屈に映るかもしれませんが、人に技術を教わると言うのは友達感覚で行われるものではなく、師に自分を預け、礼を尽くした上でその技術を修業、伝授してもらう… これ、昔は当たり前のことなんですよ。

ですから修心流居合術兵法の規則にもこのような一文があります。

日頃の定例稽古に参加することなく、試斬稽古にのみ参加することを認めず。

今の日本、当たり前が当たり前でなくなりつつあることは非常に寂しく、大切な伝統文化の損失だと思います。

 

 

修心館東京道場体験記

修心流居合術兵法 東京道場稽古体験レポートをご紹介致します。レポートを書いて下さったまいちんさん、ありがとうございました。

修心流居合術兵法東京道場体験レポート

 
私は先日、平成の侍と呼ばれている居合切の達人、町井勲さんの居合道場へ、居合を体験しに行ってきました!
私は高校生の頃 町井さんがBB弾を切る映像を見て、人間業とは思えぬまさに神業に驚き惚れてしまいました。
その頃の携帯の待ちウケを町井さんにしていた程です…笑
 
そんな町井さんに一人で会いに行くのも心臓に悪いし心細いので、殺陣経験のあるなべ(友人)を誘っていざ道場へ…!!!
不安と緊張はあったのですが、入ってすぐにそれもなくなりました。
町井さんは上段まじりにご指導なさっていて、門弟の方々も優しく、同じく体験で来ていた方とも親しくなれたので、緊張も忘れて師尚に居合を楽しむことが出来ました。
 
初めて経験した「いつの間にか倒されている」という状況に驚愕しつつも めちゃくちゃ楽しくて、凄い!!凄い!! やばい!! 何で!? と、終始語美彙力のない発言しか出来ませんでした。笑
身体をガチガチに固められているわけではないのに身動きが取れなかったり、わけが解らないことだらけでしたが、町井さんの指導は理論的でわかりやすく、関節や体の使い方なども一緒に説明して頂きました。
 
まぐれかもしれませんが私でも出来た技があり、凄く嬉しかったです!
一番印象に残っているのは接吻崩しですかね。笑
流石に私では試してもらえませんでしたが、いい物を見せて頂きました。眼福眼福…
 
そして居合の影響を受けた私は普段の生活でも半身切ってすごすようになりましたとさ!!笑
とても楽しく夢のような濃い一日でした。
町井さん、門弟の皆さん、松尾さん、なべ、本当にありがとうございました!!

修心流居合術兵法 組居合脇指居業之部 陽

 

かつて、この業を腕と速さに頼ってしまい、己の腹を突いてしまった門弟もいました。

模擬刀だったから軽い怪我で済みましたが、真剣だったら命はなかったかもしれません…(怖

速さでごまかす居合に何も学ぶものはありません。そこには危険があるだけです。

丁寧にゆっくりと稽古することこそが何よりも大切です。