大阪北道場の稽古から ~甲冑組討形“籠手請”~

修心流居合術兵法の甲冑組討形 ~籠手請~

鎧通しや前指を逆手に持ち、真向に斬りこんで来る敵の身体を崩して喉を突く。

同じ形でも別伝では得物を持たず、鎧の籠手で相手の斬撃を流し、肘で喉や鼻を突くと同時に真下に落とします。

 

形稽古とはゆっくりと正確に何度も反復して技術を身につけるものと考えます。

早さでごまかしては何も得られず、演武ならぬ演舞にしかならないものです。

修心流居合術兵法ではこのように地味な稽古に明け暮れています。

武術としての試斬 ~初動を読ませない斬撃~

大きく振りかぶって勢いをつけて切る試斬を、修心流では良しとしていません。
あくまで武術としての刃筋確認稽古ですから、初動を読ませず、身体が動いた時には畳表が両断されている… 修心流が求めるのはそんな斬撃です。

動画で右袈裟の初太刀の後の左斬上にご注目頂ければと思います。

とある日の町井勲

斬稽古の際には、自身のフォームチェックのために動画録画することが多いのですが、6月2日の刃筋確認稽古の折の小学生とのやりとりがとても素敵だと、スタッフS君が動画を編集してアップしてくれました。

天心流兵法の系譜捏造批判などで、とても堅苦しく、頑固で気難しい人柄だと思われ勝ちなイメージの私ですが、実はこんなにフレンドリーなんだということを、広く知って頂くにはとても良い動画だと、スタッフS君たっての希望ということもあり、当初はアップする予定ではなかったのですが、つい先程公開しました。

一般道の直ぐ横での試斬稽古だけに、

通報されないのか? 法律的に違反ではないのか?

と言ったご質問も稀に頂くのですが、自己所有の敷地内での稽古であり、また、所轄警察署も私の仕事をご承知ですから、警察官が稽古に対して注意しに来ることはありません。

むしろ私の近所では一種の名物となっており、稽古をしているとよくギャラリーがいらっしゃいます。

時には

「次の稽古はいつ?」

と尋ねられるほどに。

 

日本刀を初めて手にする小学生達と私のほんわかとした動画をお楽しみ下さい。

※子供達に刀礼を教えてあげるべきだったと、動画を見て反省

刃筋確認 ~水平圧斬~

 

スタッフS君が畳表を巻いてくれたので、刃筋確認の稽古を行いました。

毎度ながら100%満足できるものではありませんが、まずまずといったところです。

今回は振りかぶったり、力やスピードでごまかすのではなく、切先に一瞬にして重さを乗せる圧斬(へしきり)で水平払いをする様子も公開します。

畳表と刀との距離は20センチ程でしょうか。

暑い中畳表を巻いてくれたS君のために、少し試斬の手解きも行い、その様子も収録してあります。

S君には5本ほど斬らせたでしょうか。今回は成功しませんでしたが、次回あたりは返し業も成功しそうです。

 

昨夜の稽古

所用のため稽古場入りが大幅に遅れ、20:25に入る。

私が到着するまでの間、門弟達は柳原君を中心に初伝形から中伝形を稽古していました。

 

最近は専ら基礎中の基礎を教授しているため、この日は肘の抜きについて指導。

肘の抜きとは如何なるものかと言いますと、早い話が合気上げのようなものです。

合気上げが何故に居合に必要かと言いますと、刀の振りかぶり他、様々な面で必要なのです。

合気上げとはつまり、相対性を変えないこと。この一言に尽きます。

 

肘の抜きを大きく行うと、初動を読まれてしまいますが、傍から見て微動だに動いていないように、極小さく肘を抜いただけで、実は相手の軸は崩れているので簡単に相手を吊り上げる事ができるのです。

動画に撮影しようかと思ったのですが、動画では伝わらないと思います。おそらくヤラセにしか見えないでしょう。

また機会があれば御紹介しますが、とにかく居合とは無縁っぽく見える地味な地味な稽古です。

派手さや速さは求めていません。

速さとは丁寧且つゆっくりとした動きの中で学ぶもの。いくらぱっと見が速く見えても、刃筋も立たない抜刀や、正しくない身体捌きであっては、貴重な時間をかけて学ぶ意味がありません。

 

ゆっくりと…

そして丁寧に…

 

質疑応答

つい先日掲載しました納刀動画に関しまして、ちょっとしたコメントを頂きました。

この場を借りて少しだけ質疑応答させていただきます。

 

「修心流は英信流の一派なのに横納刀するとは奇妙ですね。」

 

本家本元と言われるところの英信流の先生方には縦納刀をされる方が多いですが、英信流にも様々な派閥や亜流があり、横納刀を採用する道場も多々存在します。

元々太刀での居合業であったものを、長谷川英信公が打刀での居合業に改編して誕生したのが英信流だと居合界では語られています。これが事実ならば当時としては画期的な改編だったと思いますが、私が学んだ吉岡早龍伝の英信流には、全てが横納刀ではなく、形とその想定に於いては縦納刀を行うものがございます。

私はそれを墨守しており、縦納刀は基本的に左側に障害となる物があって、通常の横納刀を行うと切先を傷めてしまう可能性がある場合にのみ行っています。動画に紹介する横納刀が修心流居合術兵法の全てではありません。

また、長年居合を研鑽してきました中で気付いたこと、思うことは、身体本来の自然な動きの中では、正しい鞘引きを行うと、自ずと鞘は横に向くものだと言う事です。この辺りに関しては現行の連盟居合を続けている間は気づくことはできないでしょう。

居合とは本来、体術、剣術を納めた者が最後に習得するものではないかと考えています。現行の連盟居合では、この体術と剣術が欠如しているため、身体本来の自然な動きを無視した居合形になっています。範士八段の肩書きを持つ高段者の演武を見ても、正中線をしっかりととれている方は皆無に近い状態で、真向斬り下ろしを見ても、右腕主体に刀を振り下ろすものですから、止めた刀は演武者を正面から見て、正中線より左に刀がきているものが殆どです。

武術において大切なのは、なによりも正中です。正中を正せば自ずと軸も正されます。

 

 

「動画後半で町井さんは鞘に刀を投げ込んでますね。これは剣士としては最低の振る舞いですね。刀や鞘を痛めてしまいますよ。」

 

ご懸念を与えてしまう動画になってしまったことをお詫びすると共に、けして鞘に刀を投げ込んでいるわけではないことを明言させていただきます。

鞘に刀を投げ込み、鞘を傷める所作とは、納刀の最後に時代劇のように「バチン」と力強く鯉口を納めてしまう動きや、刀が鞘に納まる際に「ガラガラ」と刀が鞘道からずれる音が発せられるものを言います。

よくよく動画をご覧頂ければ、鞘道を外れる音はしていないことに気付かれるでしょう。また、最後に鯉口を傷めてしまう様な錯覚を与える音が鳴っていますが、私は常に鯉口を最後まで納めません。これは過去にこのブログでも書きましたように、居合を嗜む者は常に臨戦態勢を想定し、鯉口は少し切っておくことが居合を嗜む者の心構えであるからです。

門弟に納刀の違いを学んでもらうため、比較用として稽古最中にぱっぱと撮影した動画なので、私自身も正直言って誤解を与えてしまう所作になっていることは、動画を公開する者としての反省点の一つではありますが、重ねて記述しますと、鐔が鯉口に当って発せられている音ではないこと。鞘に滑り込んだ刀は、はばきがはばき袋に到達した時点で鞘を握る左手の人差指と親指とで鐔を用いてワンクッションを置いております。これも動画をよくよく見ていただければ、左手人差指で鐔を操作している仕草を見てとることができます。

私が公開する動画をご覧になられる際には、否定的な眼で見られるのではなく、公開する動画から何かしら見抜いて頂ければ、物を見極める眼も養われるものと思いますので、そのように有効活用していただければ幸いに存じます。

また、公開している動画は基本的に門弟達の勉強、稽古課題用として公開しているものが殆どですので、否定的なコメントに関しましては今後ご遠慮頂きますようお願い致します。

修心館大阪北道場定例稽古より ~剣術 真向捌~

2017年6月5日の定例稽古

前半は中伝居合形

中伝形稽古

後半は

・三角受け

・請流(うけながし)

・真向捌(まっこうさばき)

 

今回の記事では“真向捌”の稽古風景を御紹介します。

真向に斬り込んで来る相手の太刀を捌くと同時に相手の軸を崩しつつ中心を捕ります。

斬り込んで来る相手の力がそのまま返るため、斬り込みが激しければ激しい程相手は崩れます。

動画後半で私の長男が崩れる様子から、それがよくお判り頂けるはずです。

大阪北道場は天神橋筋六丁目駅から徒歩4分。

大阪市内でお勤めの方には通い易い好立地に稽古場があります。

今貴方が習っている居合に疑問を感じられたなら、修心館の門を叩いて下さい。

一昨日の稽古と昨夜の稽古

6月3日、大阪豊中岡町道場定例稽古

前半は居合形。後半は四方投げ及び股関節の抜きの稽古。

独りで行う居合形で注意しなければならないこと。それは刀が発する樋音以外を発せぬこと。これが出来ていない人は、鞘の内を削り、無駄に刀にヒケ傷をつけることとなります。

ヒケ傷がつくと言うことは刀に要らぬ負担をかけている証拠であり、修心流が目指すところは、刀身にも拵にも優しい居合。刀に優しい居合は合理的であり物理的にも強いものとなります。

私自身もまだまだで、急いで形を演じると、時折樋音以外の音を発することがあり、人生をかけて学び改善していかねばならない最大の課題です。

四方投げは受け(相手)を置いて稽古すると、時に力技になったり、物理法則に反した強引なものとなることがあります。力が全くぶつからぬよう、相手の軸をファーストコンタクトの段階で崩すことが肝要。

その理想的な体捌きを身につけるためには、基礎である股関節の抜きができなければいけません。

修心流は合氣道の道場ではありません。あくまで居合術の道場です。ですから四方投げの稽古に関しても、常に刀を使う身体捌きで教授しています。

下に掲げる連続写真で、四方投げが請流入身からの後方斬りであることを御理解いただけるものと思います。

股関節の抜きに関する稽古法については、秘匿につきご想像にお任せいたします。

この日の稽古では最古参の柳原君の納刀について、右手頼りに行っていることを再指摘。下に掲げる動画は柳原君の研究用に撮影したものですが、彼と私の納刀の違いを見比べてみてください。

 

 

6月4日、本部道場定例稽古

居合形初伝~奥伝。

組居合形居業~立業。

後半は天地投げの稽古。

天地投げとは刀を上方に抜刀する動きであります。

右手に頼っても、左手に頼っても業は成立しません。

何が大切かと言いますと…

やはりファーストコンタクトで相手の軸を崩すことです。

両手で一通り天地投げを稽古した後、今度は天地投げを右手のみ、左手のみで稽古します。

片手で天地投げなんてできるのか?

と思われるかもしれませんが、正しい身体捌きが出来ていれば、実は左右それぞれの手でも同じことができるのです。

その稽古法については今回は触れません。

私は周知の通り、居合界の異端児です。現行の居合、特に英信流や夢想神伝流の居合を嗜まれ、それが正しいものだと信じてやまない方からは嫌われています。

しかし、現行の居合を拭い去らない限り、絶対に居合の本質には辿り着けません。

私のことを

「英信流のたった五段」だとか、「英信流を正しく修めていない」だとか、「創作居合」などと言う方がおられますが、私の居合こそが古流英信流そのものの再現であると断言します。

このように書くとまた炎上しそうですが、事実なのですから仕方ありません。現行の居合と何が違うのかを知りたい方は、有償ではございますが稽古体験されることをお薦めします。

逆に私の居合は合氣道等の古流柔術修行者に人気があり、海外で居合のセミナーを開催すると、その大半が合氣道修行者の方で、私のセミナーを通じて、合氣道が剣術から派生していることを再確認される方が多いです。

テレビで見せる居合斬りの姿は単なるテレビ向けのもの。稽古の本質は全く別にあります。

私の居合に興味をもたれましたら、大阪、兵庫、東京、北京、シアトルに道場がございますので、体験費用ご持参の上お気軽においでください。※要事前申込

 

 

今夜の稽古

仕事の都合で30分程遅れて稽古場に入る。

既に門弟達は初伝形を稽古中でした。

一通り初伝形を終えた後は奥居合立業の形を。

続いて木刀を使って自由組太刀。

最後に四方投げの稽古。