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〒666-0004 兵庫県川西市荻原三丁目一番十六号
無銘(末備前)
– Mumei(Sue Bizen) –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/726/00.html
末備前物と称される室町末期の備前物の中、祐定銘の作刀は多く、中でも与三左衛門尉、源兵衛尉、彦兵衛尉が有名です。刀剣の需要が多く求められた戦国期、備前刀は数多の戦に向けて数多く鍛えられ、そうした実用刀で俗名を銘切っていない末備前物を、数打と卑下する悪習が刀剣界にはありますが、粗製乱造されたわけではなく、俗名を銘切っていない作品の中にも、驚く程出来が良い作品が多々見受けられ、中には俗名個銘極めまで可能な出来優れた作も見られます。
この刀は大きく磨り上げられ、現在では無銘になっていますが、地刃の出来から察するに、元は在銘であったものと思われます。
杢目肌が良く練れて肌立ち、刃縁柾がかるところがあって乱れ映りが立ち、末備前の典型とも言える腰が開いた互ノ目乱れに丁子刃が交じり、焼き頭は鎬を超えんばかりに高く焼かれ、足・葉頻りに入り、砂流がかかるなど賑やかな出来口を示す逸品で、切先がやや延びた鋭い姿の中に末備前ならではの優雅な地刃を堪能できます。
当店買い付け時には薄らと錆に包まれていましたが、美術鑑賞用上研磨を施し、更には末備前の互ノ目と丁子を引き出すべく、古式の差し込み研ぎで仕上げております。
付属する九八式軍刀拵は、鞘に一部軽い凹みが見られるも、保存状態は良好であり、軍装資料としての価値も持ち合わせています。金具の通し番号を見ますと、鐔のみが213と刻印が異なりますが、鐔にガタつきは一切無く、切羽に開けられた僅かに傾いた中心穴と、鐔の中心穴は角度や大きさも合致している点から見て、後世のレストアではなく、製作当時のオリジナルで間違いないと思われます。
研ぎあげたばかりの清々しい末備前、是非この機会にコレクションにお加えください。
裸身重量616グラム。 拵に納めて鞘を払った重量941グラム。
則光
– Norimitsu –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/721/00.html
戦乱の世に鍛えられた所謂数打物と呼ばれる刀剣は、実用に支障がない鍛錬疵は問題無しとして納品されたと言います。
この刀もそういった戦乱期に鍛えられた実用目的の一振で、埋鉄や小疵が点在し、鎬地には撓えが多数見られ、杢目柾流れの地鉄は肌立って一部淡く映りごころもあり、刃文は砂流顕著にかかった互ノ目乱れを焼いています。
付属の拵は店主 町井勲監修の下新調しました武用拵で、気が利いた現代金具を用いるも、お求め易い低価格を実現すべく、鮫は親粒がない歯切れを短冊に張り既製品の鞘を転用するなどしてコスト削減に成功しました。
素銅切羽は既製品ではなく、職方による真面目な手造りの品で、手頃な価格がらも、目立たぬ箇所でしっかりと職人の技を活かしたものになっています。
※末備前は自身銘の他様々な銘切師によって銘切られていたため、本刀則光銘に関しては真贋保証はございません。
裸身重量750グラム。 拵に納めて鞘を払った重量979グラム。
誠(以下切 誠定)
– Aki(Akisada) –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/tachi/058/00.html
大きく磨り上げられ、中心尻に“誠”と読める一字のみが残っています。小疵はあるも刃中に欠点は無く、僅かに元先の差があり、反り程よく総体的に優しい感じの体配で切先はやや延びごころ。鎬が高く、佩表腰元に二本樋。裏に腰樋に添え樋を丈比べのように丸留めにした手の込んだ造り込みから、凡刀ではないことが窺い知れます。
地鉄は杢目がよく練れて地景入り、小沸本位の直刃を焼き、解れごころの刃を交えた古調な刃文です。
銘鑑を紐解くに、江戸前期の寛文頃に、名を安藤徳兵衛と称し、刀工銘を誠定(あきさだ)と名乗る刀匠が一名見られました。本刀はこの工の作であろうと思われます。是非保存刀剣鑑定を御受審下さい。
※現登録証では種別が刀、銘文が無銘になっておりますので、内容訂正の手続きを行ってからの納品となります。
裸身重量554グラム。
– Bizen Osafune ju Yokoyama Sukekane –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/687/00.html
友成五十八代孫と銘する横山祐包は、祐盛の養子で、加賀介祐永と共に新々刀期の備前刀を代表する刀工として著名。作風は小板目肌よく詰んだ鍛えに、刃文は匂出来で匂口の締まった華やかな丁子乱れを得意としていますが、穏やかな直刃の作も見受けられ、年紀を切った作品は天保六年頃から明治五年まで経眼されます。
この刀は重ね厚く、小板目よく詰んだ肌に匂い本位の明るく冴えた直刃を焼き、鼠足を交えています。銘の上を軽く擦られており、若干底銘気味ですが、特筆すべき鍛錬疵は無く、価格的にもお楽しみ頂ける一刀です。はばきが長いので、実質二尺四寸の刀としてお使い頂けます。
尚、気まぐれで安価表示しておりますので、気分次第で現在の表記価格より値上げする可能性がございます。お求め易い低価格表示のうちにお求め下さい。
裸身重量864グラム。 拵に納めて鞘を払った重量1,119グラム。
守光
– Morimitsu –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/686/00.html
室町前期永享頃に活躍した備前の小反り系鍛冶、三代守光と思しき一刀です。
うぶ中心在銘で姿も良く、江戸期に中心の反りを伏せ、斬り易い姿に手を加えられています。中心反りを後世に伏せることで、全体の反りを調整する方法は古来よりよく行われていることですので、欠点には入りませんからご安心頂いて結構ですが、惜しいかな所々に深い錆があります。
砥ぎで押し切れば、かろうじて匂口を残しつつ仕上げなおすことができるやもしれませんが、前にこの守光を手がけた研師は、元の姿を残すことを選択し、敢えて深錆を残したまま仕上げたようです。そのため深錆の影響により刃毀れ状になっている所が数箇所ございます。
杢目錬れた地鉄には淡く乱れ映りが立ち、うぶ在銘古刀として資料価値高い一刀ではありますが、美術刀剣の世界での評価はどうしても低くならざるを得ません。今回破格値で御案内致しますのは、この一刀をぞんざいに扱わず、将来的にしっかりとした工作を施していただきたいがためです。
うぶ在銘の備前古刀をお探しの方、また、居合形稽古用に手持ちバランス最上の一振をお探しの方、是非この守光刀をご検討下さい。
附属の拵は江戸期の古いもので、鞘は痛みなく保存状態は良好。鐔は長正(花押)の在銘品。柄は後補のため刀身は柄に対して刃寄りになっていますが、そのままお使い頂くことが可能です。鞘と柄のズレを気にされる場合は、有償になってしまいますが、当店にてしっかりと柄の調整をさせていただきますのでお気軽に御相談下さい。※工賃は2万円程です。
裸身重量557グラム。 拵に納めて鞘を払った重量833グラム。
この刀は見幅広めで重ね厚く、松葉先もしっかりと張って切先が延び、如何にも物斬れしそうな豪壮さを感じさせる体配に、杢目肌が良く練れて肌立ち、匂口明るく冴えた互ノ目丁子を巧みに焼いた作品で、新々刀期の備前物を彷彿とさせる出来口。
附属の拵は陸軍将校用新軍刀。通称三式軍刀。またの名を決戦刀と呼ばれるタイプで、それまでの戦訓から、九四・九八式軍刀は「柄」と柄に纏(まつ)わる目釘と柄糸の脆弱性が問題視され、それらの問題を改善し、且つ、時局柄、機能・実用に重点を置いた外装として誕生しました。
責金や猿手は省略され、鐔と金具も簡素化。鯉口には防塵2分割口金を採用。また、納める刀身の中心の長さを増し、二本目釘にして頑強さを求めました。中には通常、竹を用いて作られる目釘を、螺旋式の鉄目釘にしているものも見られます。
柄巻きは一貫巻を採用し、柄糸には漆を掛けて補強が図られた他、目貫が旧来の太刀拵から打刀拵の位置に変更される等の特徴を持つ、まさに実戦用軍刀拵です。本刀附属のこの三式軍刀はその中でも初期型で保存状態極めて良く、軍装趣味人にとっては垂涎の品と言って過言ではないでしょう。
現状でも地刃の観賞は可能ですが、出来が良い一刀だけに、是非とも美術観賞用の真面目な研磨を施して頂き、市原長光の技量の高さをご堪能下さい。
裸身重量794グラム。 拵に納めて鞘を払った重量1,157グラム。