刃筋確認

ここのところ物斬りの調子が悪い。

今日はスランプの原因を探るべく、少し畳表を斬ってみた。

原因は解り、スランプは抜け出せたように感じたので、返し業を一本の畳表で何回できるかに挑戦してみた。

まだまだ改善点が見られるように思う。

鞘を掴む相手を無力化する

昨夜(10/30)の本部道場定例稽古より

居合術とは速く刀を抜き差しするだけではありません。ですから抜刀ばかりを稽古していては上達しません。この動画のような動きができるから、自ずと刀が速く抜けるようになるのです。

活きた形を身につける ~中伝形 浮雲~

単独で形稽古を行う居合形。
やもすれば単なる踊りになりがちです。
活きた形を身につけるには、形の想定をしっかりと頭に叩き込み、受けを置いて実際に業をかけることが必要となります。

 

例えば英信流で言うなら「浮雲」と呼ばれる形。道場や先生方、また、名を変えた夢想神伝流などを見るに、同じ形なのに同じ形に見えないですよね。

 

それはなぜか?

 

実際に受けを置いての稽古をせず、単独での形稽古ばかりをしていたからだと私は考えています。
同じ業でも、相手の位置や手足の角度によっては確かに業の所作は変わってきますが、想定が同じであれば形が変化するはずがありません。

 

今回の動画の後半では、中伝居合形「浮雲」の稽古風景を御紹介しています。
この動画を通じて修心流居合術兵法(旧称 無双直伝英信流町井派)にご興味を持って頂き、その名を知って頂ければ幸いです。

京都建勲神社船岡大祭での奉納演武

昨日19日、京都にある建勲神社の船岡大祭にて修心流居合術兵法の奉納演武をさせていただきました。

打太刀を務める門弟が渋滞のため30分遅れたり、準備していた畳表を車に積み忘れてしまうなど、色々とアクシデントもありまして、一時はどうなることかと心配しましたが、無事奉納することができたことは何よりでした。

 

奉納演武には遠路より佐藤様御家族や門弟達、そして福島から藤安将平刀匠がお越し下さり、初の建勲神社での奉納演武御指名をお祝いくださいました。ありがとうございます。

 

肝心の演武に関しては、足場が悪い上に、苔に足をとられそうになったりと、板の間や畳の上での演武とはまた違うワイルドな経験を積むことができました。

信長公に対する奉納でしたので、舞台を挟んで後方の参拝者の皆様には、演武が見づらかったかもしれません。

 

来年は私が中心となり、古式砲術の演武を奉納させていただく予定ですので、皆様来年も是非おいで下さい。

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修心流居合術兵法

修心流居合術兵法の居合形をいくつか御紹介致します。

術理解説など詳細な部分につきましては、秘匿とするため割愛しておりますが、当流にご興味をお持ち頂ければ幸いに存じます。

修心流居合術兵法の名を広く知って頂きたいので、皆様のSNSにてこの動画を御紹介頂ければ大変嬉しく存じます。

居合稽古に真剣を用いる不合理

各居合の連盟では昔から何故か不思議なことに

“○段以上は真剣使用。”

つまり高段者になると真剣で居合稽古をしなければならないという決まりがあります。

私は日本刀を保存愛護する側の人間ですので、常々この真剣を必ず使わなければならないという決まりに対しては嫌悪感しかありません。

これまでの私の経験から言わせて頂きますと、真剣を使って居合を稽古される場合は、形を一本~三本抜く度に油を引くのがベストであり、稽古終了後にしか油を引き換えないというのは、錆を招くため絶対に宜しくありません。

酷い方になると、稽古終了後も油を引き換えることをせず、そのために棟が発錆すると、今後はピカールや耐水ペーパー等で錆を摺り落とす方もおられます。

こうした現実を見聞きする度、私は現代居合に関して実に残念に思うのです。

武士の魂とまで言われた日本刀を、そんなぞんざいに扱って何が居合でしょう? 何が伝統文化の継承でしょうか? 日本刀を損なう稽古しか出来ないのであれば、居合や侍の真似事は即中止すべきです。

私が常々現代居合界に警鐘を鳴らすのは、こう言った無作法が当たり前としてまかり通っている点です。

物を斬る稽古であれば真剣は必要でしょうが、単に居合形を稽古するのであれば真剣は不要です。むしろ刃がついていないメッキ刀身の模擬刀の方が、安全且つ存分に稽古できます。

また、居合を嗜む者全てが経済的に恵まれた者ではありません。真剣を所持したくても買えない人もおられます。そう言う人は居合をしたらダメなのでしょうか? いえ、居合を学び、楽しむ権利はどなたにも平等にあります。高段者になったは良いが、真剣を買う余裕が無い人に、真剣使用を義務付けるのは酷な話だと考えます。

勿論、生活を切り詰めるなど何の努力も無く、お金がないないと言う人は論外です。

現代居合界はまともな刀剣取扱作法を身につけていない方々の集まり。表現がきついようですが、これは事実です。

私が英信流修業時代に通っていた道場の先生方も、約3時間の稽古の中で、油を引きかえる人は皆無に近い状態でした。時折油を引く姿があっても、それは刀身の保護が目的ではなく、納刀時の滑りを良くする為だけの行為でした。

そんな稽古をするものですから、館長はしょっちゅう刀を研ぎに出されていました。微々たるものとはいえ、着実に刀は痩せ、身幅が細くなっていきます。

 

修心流居合術兵法では斬り稽古以外での真剣使用は禁じています。稽古はあくまで技術向上が目的であって、道具自慢の場ではないのです。まともに真剣の手入も出来ない者が真剣を持つこと自体が間違いであり、手入作法すらまともに教えられない者が人の上に立って教えることもおかしいことなのです。

そもそも真剣と模擬刀、居合稽古に使って何の違いがありますか?

模擬刀だと振ったときに左右に刀身がぶれる… 等という人がおられますが、はっきりと言わせて頂くと、それはその人自身がヘタクソだからです。道具のせいにする前に、自身の技量を鑑み、技量不足を反省すべきです。

私は居合稽古に於いて模擬刀で不都合を感じたことはありません。技術があれば模擬刀ですら真剣のように見せることができるものと考えます。

しかし、居合形の撮影に於いては、不本意ながら真剣を使わざるをえない場面があります。模擬刀ではどうしても真剣に及ばない問題があるためです。

それは寄り。つまり刀身のアップ。地鉄や刃文はどうしても模擬刀では再現できません。それからもう一つ、刃を横に向けての刺突時に模擬刀と真剣の違いが明瞭に現れるので、こうした所作の撮影時も真剣を使わざるをえません。模擬刀では材質が柔らかいため、どうしても平に向けた刀身の先が上下に揺れるからです。それ以外では不憫を感じたことはありません。

真剣を使うか模擬刀を使うかは、単なる見栄とエゴであると私は考えています。

油を引き換える時間を惜しんで稽古に没頭したいのなら、真剣は使わず、錆の心配が不要な模擬刀を使うべし。

 

私が連盟のTOPなら、高段者は真剣使用と言う馬鹿げた決まりを即排し、段位とは別に“真剣使用許可”の審査を行います。

鯉口や鞘を削る事無く、正しく居合が出来る者、刀を錆びさせぬ正しい知識を持ち合わせる者だけが、希望するなら真剣で稽古しても良いというものに変えるわけです。

 

今一度居合を嗜む方々に問います。

貴方はまともな刀剣取扱作法(手入作法含)が出来ますか?

貴方は鞘や鯉口を削ってはいませんか?

必要以上に刀身にヒケをつけていませんか?

 

上記一つでも該当するなら、あなた自身の身の安全と刀剣保護のために、即真剣の使用をおやめになってください。

居合稽古は模擬刀で

修心流居合術兵法 セミナー

時折、個人指導やセミナーを依頼されることがあります。

基本的に門人以外には深いところまで詳しく伝授することはできませんが、修心流に興味を持ってくださった方々に対し、お教えしても良い範疇のものに限っては、セミナー(講習会)と言う形式で門弟外にも公開指導しています。

近頃は世界各地からのセミナー依頼の御相談を頂きますが、地域や治安問題、セミナー料金の折り合いがつかないなどが理由で、お断りさせていただくことが多いです。

私が湯水のようにお金を使える資産家であれば、安い料金でも喜んでセミナーを引き受けるのでしょうが、悲しいかな、未だ居合術の教授だけでは生計を立てることができない身です。更には子沢山の大家族ですから、毎月の生活費を稼ぐだけで精一杯。

とても交通費+α程の料金でセミナーをお引き受けすることなど叶いません。

また、現在のところ、セミナーをお引き受けする大前提としまして、修心流の支部を作りたい、修心流傘下で活動したいという方を対象にさせていただいております。

よく日本の武道好きな外国人の方で、あちこち方々の流派をかじられる方がおられますが、現在の私の考えと致しましては、そのようなどっちつかずの方に、これまで苦労して身につけてきた技術を公開指導する気持ちにはなれず、真摯に私が創流した修心流だけを、一生涯を通じて修業していきたいと考えて下さる方だけに、指導させて頂きたいと思っています。

2016年現在では、誠にありがたいことに、私の技術を真摯に学びたいと、北京支部並びにシアトル支部が誕生しました。

北京やシアトルにお住まいの方で、私の居合“修心流”にご興味をもたれた方は、是非とも各支部道場を訪ねられてください。

修心館 東京道場

己の中心を護り、敵の中心を捕る

今夜の定例稽古課題。

 

・初伝居合形五本目迄。丁寧にゆっくりと抜く。

・模擬刀での紙斬りを少々。

・各々で稽古したい形を抜く。速さについてもそれぞれに任せる。

・剣術(鐔留)

 

動画を撮ろうかと思っていたのですが、稽古に集中して撮り忘れてしまいました。

また機会があれば御紹介致します。

剣術“鐔留”は、怖がって横に逃げたり、腰を捻る動きでは、自ら自滅してしまいます。己の中心をしっかりと護りながら、敵の中心を瞬時に捕ることが成功の秘訣。

地に伏す相手を斬る ~八重垣等での斬り下ろし~


切り倒しまたは引き倒して、地面に伏す相手を真向に斬るには、振り下ろす刀を地面すれすれでビシッと止める技術が必要。
この動画は刃がついていない居合稽古用模擬刀を用い、低い位置に垂らしたコピー用紙を、地に刀を当てずに斬る様子を映しています。