– Mumei –
大きく磨り上げられ、中心に比して元幅が狭く感じられる。今日まで相当働いてきた一刀。
三ツ棟の鎬造りで柾目主体のよく練れて詰みごころの地鉄には淡く映りが立ち、小互ノ目連れた刃文は砂流や金筋がかかり、刃中良く沸え、匂口は刃先に向かって煙り込まず、肥前刀の如くブッツリと途絶えた箇所が見られます。
製作年代を前・中・後に区分せず、大きく室町時代と表記しましたが、南北朝末期~室町初期迄遡る可能性がございますので、是非一度保存刀剣審査を御受審下さい。
附属の半太刀脇指拵は、色の良い青貝を散らした渦模様の変わり塗り鞘に、赤銅磨地の一作金具を用い、目貫は文具図の粋なものが巻かれ、保存状態は良好。小柄と笄の二所物が失われているのが惜しまれますので、お客様の手でこの拵に相応しい小柄と笄をお付け頂き、拵の方も是非保存刀装鑑定を御受審下さい。
尚、本刀には素銅地に雲龍を刻した上等なる金着はばきが附属しておりましたが、はばき脱着がし辛いがために何度も木槌で叩かれ、金の薄板が破れ、はばき自体も痛んでしまっていますので、当店にて銀はばきを新調してお納め致します。
裸身重量359グラム。 拵に納めて鞘を払った重量未計測。