笄色々

笄四点追加しました。
昔の人の仕事って、本当に凄いですよね。
ルーペもない時代にこんなに細かい作業をしていたなんて。

伯州住華悠斉義輝

伯州住華悠斉義輝
伯州住華悠斉義輝 応播州姫路城下横田氏需昭和癸亥年八月日
– Hakushu ju Kayusai Yoshiteru –
 
本名前田喜太郎。明治35年生まれ。鳥取県日野郡江府町住。川島忠善に作刀を学びました。
 
この刀は元先の幅差が開き、腰元より上で反りが付き、刀と言うよりは太刀姿と言えます。茎を見ると元々は太刀として銘切っていたようで、注文主である横田氏の希望によるものか、銘を消して再び同銘を刀銘に切り直しています。もう少し目立たぬよう銘を消して切り直せば見た目も良かったのでしょうが、処々に鏨の跡が見られるのが少し残念に思われます。
地鉄は小板目がよく練れて詰み、刃文は互ノ目に互ノ目丁字を交え、刃縁に荒沸が付き、刃中には砂流が見られ、鋩子は直ぐ調且つ焼詰風になっています。
総じて相州伝に倣って鍛えた作品で、焼刃の荒々しさに力強を感じさせる作品です。
 
附属の拵は、一風変わった色の牛革(表革)で柄巻がなされ、柄にがたつきはありません。鞘を払って構えてみると、バランスは比較的良く、重さの割には使い勝手が良さそうです。
 
裸身重量920グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,158グラム。

脇指 無銘 ~保存状態が良い拵に映り立つ刀身!~

cm752

焼き出し部分を見るに磨り上げのようです。現状でも元先の幅差が開いた優雅な姿が印象的で、地鉄は杢目がよく練れて刃縁柾がかり、肌立って美しく、直ぐ映りが立っています。刃文は直刃で匂口は明る目。刃縁に細く肆なやかな金筋が見られ、鋩子は直ぐに先丸く返っています。

附属の拵は金着切羽や鐔に至るまで全てがオリジナルで、今や貴重な存在。現状では柄に極僅かに遊びがありますが、さほど気にならない程度の物で、簡単に直すことが可能です。水車図の鐔には金覆輪がかけられており、面白いことに鐔の表裏を逆にして、通常なら笄用として用いられる穴を小柄用の穴ととしています。
鞘に大きな凹みや傷みも見られず、総じて保存状態が良い。植物や花に関連する粋な小柄を添えて更に本刀の価値を高め、末永くお楽しみ頂きたく思います。

製作年代を室町後期から江戸前期と表記しましたが、再研磨の上更に地刃を確認すれば、もう少し時代が上がるかも知れません。
内外共に保存審査を是非御受審頂きたい一刀です。

裸身重量320グラム。  拵に納めて鞘を払った重量579グラム。

脇指 無銘 ~美しい杢目に映り立つ地鉄で白鞘と継木も附属!~

cm751

無銘
– Mumei –
 
元先の幅差頃好く中切先。茎は太く力強い造り込みで、地鉄は杢目がよく練れて少しく肌立ち、地景入り、乱れ映り立つ。刃文は互ノ目に互ノ目丁字が混じり、匂口は明るく冴え、刃中には足が良く入り、砂流、金筋入る。鋩子は横手で互ノ目を一つ焼き込み、直ぐに先丸く返る。
 
附属の拵は鞘の長さに比して柄が短く、傷みあるも小柄が添えられており、柄にがたつきは無くしっかりとしています。白鞘と継木も附属しているので、刀身の移し替えもお楽しみ頂けます。

刀 肥州八代住吉次作 昭和五十六年二二月日 ~まるで短刀や脇指を手にするような手持ちバランスの良さ!~

cm1410

肥州八代住吉次作 昭和五十六年二二月日
– Hishu Yatsushiro ju Yoshitsugu –
 
山田純次。昭和6年生まれ。八代萩原町住。昭和27年より県重要無形文化財、無鑑査であった谷川盛吉刀匠の下で作刀を学び、新作名刀展では数々の賞を受賞しています。
 
元先の幅差程好く開いて中切先延びごころ。小板目肌柾交じりよく練れた地鉄に匂口明るい直刃を焼き上げた作品で、刃縁は地鉄に絡んで長い砂流や金筋が随所に見られ、鋩子は直ぐに先丸く返っています。
現状では総体に変色程度の薄錆が見られますが、再研磨を施すことで見違える程良くなります。何よりも手持ちバランスが最高に良く、鞘を払って構えてみると、まるで脇指か短刀を手にしたような錯覚すら覚えます。まさに片手操作を重視して鍛えられた一刀で、居合稽古に最適な一刀と言えます。
 
附属の拵は居合稽古時の鞘割れにも強いように、栗形下迄藤で巻き、その上から塗りを施した手が込んだ造りで、金具は鐔以外は全て時代物を使用しており、柄糸は鹿革による上撮巻で、切羽は銀無垢で綱目模様を刻んだ高級品。本刀の拵を誂えた先の所有者の思い入れがひしひしと感じられる逸品です。柄にガタツキも無く、非常にしっかりとしています。

短刀 宗壽 ~鋭い造り込みが特徴である刺刀造の短刀!~

cm271

宗壽
– Munetoshi –
 
銘鑑を繙くに宗壽なる刀工は古刀期に一名、新々刀期に三名見られ、本刀は製作年代から見て、兼宣・元興・元平門で、初銘を重國と切り、俗名を皆川今右衛門と称した会津の宗壽(宗俊同人)と鑑せられます。明治四年没。
平造りで元先の幅差が開き、鋭さを感じさせる体配は、所謂刺刀造であり、小板目杢混じりの地鉄には地景がちりちりと入り、刃文は匂口明るい直刃調で、刃縁に砂流や地鉄に絡んだ働きが顕著に見られ、鋩子は直ぐに先丸く返っています。
 
現状でも地刃の鑑賞は可能ですが、研磨を施した方が本刀の出来を更にお楽しみ頂けます。
付属の拵は青貝を散らして刷毛目に牡丹塗りを加えた変わり塗りで、特に眼を惹くのが、11.3ミリもの厚さがある食出鐔。切羽もすり替えられること無く伝来してきた完全なオリジナルで、現在では大変貴重な存在です。
柄に僅かに遊びが見られますが、柄巻きをし直すことで改善されます。
 
裸身重量165グラム。  拵に納めて鞘を払った重量344グラム。

短刀 無銘 ~兵庫県下の旧家からのうぶだし!~

cm270

無銘
– Mumei –
 
兵庫県下の旧家からのうぶだし短刀のご案内です。
平造りで刀身の半分余りを削ぎ落として冠落としとした体配。現状は錆に包まれており、地刃の確認はできませんが、焼刃はしっかりとあるようです。切先先端が欠けていますうが研磨で修復可能。
付属の拵は栗形と瓦が欠損していますが、木目を活かした渋い合口拵で、鮫は腹合着せにして磨き出しています。
研磨諸工作費はかかってしまいますが、その分お求め易い価格でご案内致しますので、是非とも諸工作を施して頂き、本刀を製作当時の姿で後世に残してあげてください。
 
裸身重量183グラム。  拵に納めて鞘を払った重量268グラム。

刀  陸奥守包保 ~佐竹家所以の一刀!~

cm1409

こんにちは!

本日2振り目の御刀になります。

下記URLからすぐご覧いただけますので是非ご覧ください!(*^_^*)

https://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/1409/00.html

 

刀 近江守法城寺橘正弘 ~兵庫県下の旧家からのうぶだし刀!~

cm1408

こんにちは! 連日雨ばかりでしたが今日はとても天気が良くて気持ちいいですね!(*´∀`*)

この寒さとももうすぐお別れです(^^)/

さて、本日は刀二振りUPしてます! 下記URLからすぐご覧いただけますので是非ご覧ください!(*^_^*)

https://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/1408/00.html

兵庫県下の旧家からのうぶだしの一刀

兵庫県下の旧家からのうぶだしの一刀
無銘
– Mumei –
元先の幅差開いて中切先やや延びごころ。地鉄は小板目が良く練れて詰んで地沸付いて地景入り、刃文は匂口明るく冴えた互ノ目乱れ。刃中に砂流見られ、処々に大粒の沸が絡み、鋩子は現状でははっきりとは見えないものの、直ぐに先小丸に返っているようです。
GHQによる刀狩りから隠し守るために、刀身にニスのような物が塗られていました。写真で見える斑模様はそのニスのような物によるものです。
刀身には特筆すべき鍛錬疵は見られず、地鉄、刃文、共に出来が良く、研磨費用を捻出するだけの価値があります。

附属の拵は実用を重視してのことでしょう。鯉口には大振りの口金が装着され、鐺金具も大きな異型の物が付いています。縁頭や目貫等、使用されている金具廻りも仕事が良く、柄にガタツキはありません。
鞘を払って構えてみると、手元重心でバランスが良く、片手でも易々扱えるであろう手持ちの良さです。
※現状軽く刃引きしてある状態です。

研磨代金参考価格
並研磨… 140,250円(税込)
中上研磨… 224,400円(税込)
上研磨… 275,000円(税込)

裸身重量788グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,117グラム。