山城大掾藤原義行

山城大掾藤原義行

山城大掾藤原義行
– Yamashiro daijo Fujiwara Yoshiyuki –
 
江戸前期の寛文頃に豊後の高田で槌を振るった義行の脇指です。
緻密に練られた杢交じりの小板目が詰み、少しく肌立って精美。刃文は匂口明るく冴え、一切の破綻が無く、刃縁には繊細な働きが観取されます。
 
裸身重量516グラム。

大好評! 初心者応援価格! キリリとした脇指の御案内です

備州長船盛光 應永二十八年二月吉
備州長船盛光 應永二十八年二月吉
– Bishu Osafune Morimitsu –
 
古の士達が闊歩した時代、刀剣は家柄を象徴するものでもありました。そのためそれらしい出来の物や、新たに刀剣を鍛えさせ、己が欲する刀匠銘を切らせました。当時の士達にとっては、己の指料を鑑定会に出品するわけではなかったので、銘の真贋は二の次であったことが窺い知れます。
この脇指は應永備前を代表する盛光の銘が切られていますが、勿論偽銘。無銘の脇指としてお求めください。
しっかりとした下地研磨がなされているので、帽子がきりりと引き締まった、実に見映えする作品です。
杢目鍛えに柾が交じり、淡く映り立った地鉄に、互ノ目乱れを焼きあげています。刃中には足がよく入り、金筋も見受けられ、美術鑑賞刀としての力をしっかりと持っており、銘を潰して無銘にすれば、保存刀剣鑑定もゆうに合格するでしょう。
 
裸身重量338グラム。

うぶ無銘新刀脇指 ~これから刀剣趣味を始められる方へ~

うぶ無銘新刀脇指 ~これから刀剣趣味を始められる方へ~

無銘
– Mumei –
 
杢目鍛えのよく練れて詰んだ地鉄に直刃を焼いた作品。刃中には鼠足が入り、刃境には沸筋が絡むなど、単調な刃文に見えながらも、仔細に見ると細やかな変化を楽しめる一刀で、金と銀を着せた二重はばきが添えられている点からも、上士の下で大切に伝来されてきた様が窺えます。
 
裸身重量399グラム。

大磨上無銘古刀脇指 ~これから刀剣趣味を始められる方へ~

大磨上無銘古刀脇指 ~これから刀剣趣味を始められる方へ~
無銘
– Mumei –
 
元は太刀或いは刀であったものを、後の時代に大磨り上げにして脇指に仕立て直された作品です。
板目に杢交じりのよく練れた地鉄が判然とした肌立った地鉄に、湾れ調子の刃を焼きあげ、刃中には砂流や金筋、稲妻、また、砂を撒いたかの如き沸の粒が見られ、古刀ならではの趣を感じさせます。
しっかりとした下地研磨がなされているので、帽子付近の三ツ角や三ツ頭もキリリとしていて、如何にも日本刀らしさを誇る一刀です。
 
裸身重量325グラム。

5-56の刀剣使用について

先のブログ記事の補足として私個人の見解を追記します。

 

まず、私は刀剣の手入れ用油に5-56を使用することを推薦しているわけではないことをご理解下さい。

5-56のような揮発性溶剤入りの油に関し、その溶剤がどのような悪影響をもたらすかは、実際に一振の拵入りの刀を用い、百年、二百年と使い続けないことには、地鉄や美術研磨への影響及び、鞘や漆への影響も確認はできないものと考えます。

ですから、5-56を使い続けても全く影響がないかもしれませんし、逆に数百年後にはなんらかの影響が出る可能性も否定できません。

ただ、私の経験と実際に使用している刀職の方々の経験からは、今のところこれといった悪影響は確認できていません。

 

揮発性を問題視するご意見も頂戴していますが、5-56を厚く塗布して大気中に放置するわけでもなく、ティッシュで拭い、薄い膜を作る程度に使用して鞘に納める分には、私個人的にはさして揮発による影響はないように感じられますが、これも私の一個人の見解と言えばそれまでです。

実際、私は高価な漆塗りの鞘に納められている刀剣には、5-56を使用せず、刀剣用として販売されている油を使用しています。このことからもわかるように、私自身も100%5-56を過信しているわけではないということです。

刀剣の手入れ保管に関しては、眺めて楽しまれるだけの愛刀家と、実際に使う側の愛刀家とで、想い入れも価値観も異なることでしょうから、そこに温度差が生まれるのも仕方ないものと思います。

ツイッターではまだ5-56についての議論が続いていますが、5-56否定派の方も刀剣を愛するが故に使用を反対するのであり、刀剣に対する想いは同じです。故に私は否定派の方の意見を全否定する気はありません。

ひとまず私が皆様にお伝えしたい私一個人の意見として、以下に箇条書き致しますので、それをご参考にしていただければと思います。

 

・本漆塗りの拵に納められた刀剣には使用を控えたほうが良い。

・塗布してそのまま鞘に納めるのではなく、ティッシュで拭って薄い膜程度にしてから納めるようにする。

・朱銘や樋に漆がかけられた刀剣には使用しないほうが良い。

 

今回は5-56に関しての記述ですが、WD-40と言う浸透性防錆潤滑剤もよく使用されています。こちらは5-56に比べると、プラスチックやゴム、織物に付着しても悪影響が出にくいようですので、5-56が心配と感じた方はこちらの製品の方が適しているかもしれません。

上記2製品の他で刀剣の手入れ保管用に主力となっているのはシリコンオイルです。5-56と同じくスプレー噴射で使いやすい物も販売されていますので、5-56等の揮発性溶剤を懸念される方はこちらの方が良いでしょう。

5-56を使用する上で一番理想的なのは、居合や試斬抜刀等の後の刀剣清掃にさっと一噴きしてすぐに拭い、改めて刀剣油を塗布するのが宜しいかと思います。

 

本漆の鞘にどれ程の影響と、刀身に対してもどれ程の影響が出るのかは、私個人が孫の代まで時間をかけて一振の刀で実験してみたいと思います。※孫や曾孫の代までしっかりと実験を続けてくれれば良いのですが…

 

刀剣の保管に5-56は良くないのか??

この問題は数日前、私がツイッターで知り合った槍のコレクターに

「長期手入れが出来ないときには5-56が有効ですよ。」

とツイートしたことから、一部の愛刀家の間で問題になった議題です。

 

刀剣=伝統文化

 

そう頭堅く考えている人にとっては、5-56での刀の手入れ保管はもっての外と決め付けて止まないようですが、科学は日々進化しており、従来の手入れ保管方法より優れた方法が生まれているのは事実です。

例えば刀に塗布された古い油を拭い取るのに、昔は拭紙と打粉を使ったものですが、打粉は元来、内曇砥の粉末ですから、研磨状態の劣化を招き、拭いボケと称される状態になります。

それを抑えるべく、近頃ではレンズ用のクロスが打粉に代わりつつあります。このクロスで拭うと、打粉を使わずともほぼ油膜を除去することが出来るのですから、大いに良いことだと思います。

しかしながら刀剣に塗布する油の問題ともなると、刀剣用の油にこだわったり、シリコンオイルを代用しても、なぜか5-56だけはダメだと言う人が多いのです。

 

私は現在かなりの数の刀剣を在庫に抱えており、また、自他共に認める槍コレクターでもあるため、手入れしなければならない数は膨大です。当然ながらこまめに手入れをすることもままなりません。

そこで私が使用しているのが5-56なのです。

皆さんが知らないだけで、無鑑査の称号を持つ刀職をはじめ、刀に携わる職方の多くが実は5-56を使用しています。勿論、イメージを損なわないよう、表立っては公表していません。

今回の5-56ツイッター事件に関しては、とある刀剣愛好家の方が、思い込みによって事実とは異なることをさも事実のようにツイートされていましたので、この機会に5-56都市伝説を打破しようと、今回このブログを記述する次第です。

調査にご助力頂きました刀友の皆様や、数々の有意義な情報を御提供下さった皆様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。

 

 

呉工業様の公式サイトにある問い合わせフォームより、呉工業様に以下のような質問を致しました。

 

5-56について、現在ツイッター上にて日本刀やそれ以外の物について使用法の議論を行っているのですが、様々な意見が錯綜(さくそう)しており、御社の御見解を頂きたく存じます。

1.鍛接した鋼製の日本刀の保管時に、5-56を使用すると、浸潤効果により刀の金属がスポンジ状になる、という意見がありましたが、鍛接レベルで結合させた鉄に於いて、そのような事はあり得るのでしょうか。

2.バイク等のチェーンに、走行時の潤滑用として556を使用する方がいるようですが、これは誤った使用法と思います。FAQでは見つけられなかったのですが、バイクに乗る方達の安全性の為、敢えてお尋ねさせて頂きます。

3.5-56の塗布後、皮膜が形成された後に、ずっと匂いが残る、という意見があるのですが、皮膜が形成された時点で揮発性の匂い成分は揮発して無臭の状態になる、と経験上認識しているのですが、塗布後、長期にわたって匂いが残る事はあるのでしょうか。

 

上記の質問に関する呉工業様からの回答は以下の通りです。

 

1. 鍛接した鋼製の日本刀の保管時に、5-56を使用すると、浸潤効果により刀の金属がスポンジ状になる、という意見がありましたが、鍛接レベルで結合させた鉄に於いて、そのような事はあり得るのでしょうか。
→回答
「5-56」の効果において、鍛接された鉄がスポンジ状になることはございません。

2. 5-56の塗布後、皮膜が形成された後に、ずっと匂いが残る、という意見があるのですが、皮膜が形成された時点で揮発性の匂い成分は揮発して無臭の状態になる、と経験上認識しているのですが、塗布後、長期にわたって匂いが残る事はあるのでしょうか。
→回答
おっしゃられる通り、5-56を塗布した後、塗布量や塗布面積によりますが、ある程度時間がたてば、匂いが残る事はございません。

3. バイク等のチェーンに、走行時の潤滑用として5-56を使用する方がいるようですが、これは誤った使用法と思います。FAQでは見つけられなかったのですが、バイクに乗る方達の安全性の為、敢えてお尋ねさせて頂きます。
→回答
オートバイのチェーンの潤滑には専用の「チェーンルブ」や「スーパーチェーンルブ」をお勧めいたします。製品の詳細は次のURLをご参照ください。「チェーンルブ」https://www.kure.com/product/detail.php?item_id=26 「スーパーチェーンルブ」https://www.kure.com/product/detail.php?item_id=28

 

上記の通り、刀剣の手入れ保管用として5-56を使用することに問題はございません。

スポンジ状になり、内部から発錆を起こす等と言った情報は、愛刀家の間で生まれた都市伝説と認定して過言はないでしょう。

この議題で私はツイッターにも記載しましたが、本当にスポンジ状になったり、5-56によって金属疲労を起こした、内部から錆びた。と言う症例があるのなら、その現物を提示して見せて頂きたいと考えています。もし、私の見解が誤りであって、刀剣を損なうことを助長することになっては本末転倒だからです。

但し、漆塗りの鞘等に、どのような影響があるのかまでは調べていませんので、使用は白鞘に納められているものに限定し、樋の中を朱漆などで塗られた物に関しては、5-56の使用は避けたほうが良いかと考えます。これは樋の下の錆に5-56が浸透することで、朱漆が剥離してしまう可能性がないとは言えないからです。中心に朱銘があるものに関しても、現段階では使用は控えた方が良いかもしれません。

こうした漆に関する影響については、また後日、呉工業様他諸先輩方の見解もお聞きしたいと思います。

 

上記の他にも、5-56を用いることで金属疲労を起こすと言うツイートもありましたが、どうやらそれも都市伝説のようです。どうも5-56の謳い文句である「サビをとる」の一言が、5-56に研磨剤混入やその他勝手な妄想を刀剣愛好家に植え付ける元になっている気がしてなりません。

 

とかく刀剣の世界は閉鎖的な考えが多いようで、電動工具を用いて諸工作をすることに対しても、邪道だと言われる方がおられますが、何も全て人力でしなければならない掟はありません。刀の下地研磨に電動円砥やベルトサンダーを使うことは、いまや刀剣界(職方の世界)では常識ですし、鞘を作るにしても、昔通りに全て手で鞘の材料を二つに割っているわけではなく、帯鋸を用いて時間短縮を図っています。

全て手仕事で行う伝統も大切です。一通りの技術を身につける必要性は絶対にありますが、文明の利器を用いた工作に関しては、もっと認められるべきだと考えます。

むしろ大々的に問題にしなければならない問題は、研師の下でまともな修行すらしていないのに、近頃では研師を騙る人が増え、その拙い技術で人様から研磨代金や諸工作代金を取って生計を立てようとしているにわか刀職の存在かと思います。文化財としての刀剣を後世に健全な姿で残していくためには、刀鍛冶と同じく、研師や鞘師に関しても、国家資格制度にすべきではないかと考えます。

 

今回のまとめ…

5-56を刀剣の保存保管に使用しても差し支えは無い。※但し、使用する条件による。

あと、私のようにこまめに手入れが出来ないほどの量は抱えるべきではありません。やはり常日頃からこまめな手入れができる範疇に留めるのが一番の手入れ保管方法かと思います。

緩むことの大切さ

今夜の稽古。

FBアカウントをお持ちの方は是非、他の居合道場と修心館での指導の質の違いを比較なさってください。

無銘(伝 甲州住廣正)

無銘(伝 甲州住廣正)
無銘(伝 甲州住廣正)
– Mumei(Den Koshu ju Hiromasa) –
 
俗名、市川彦三郎。廣次の父であり、貞享頃に活躍した甲斐の刀工です。
 
板目肌に杢交じり、よく練れて詰んだ地鉄には乱れ映りが鮮明に現れ、直刃調の小乱れを匂口明るく焼き上げた作品で、二重刃も随所に見られ、美術鑑賞刀として見所多い優刀です。
乱れ映りの妙をお楽しみください。
※白鞘には目釘穴が開けられておりません。
 
裸身重量437グラム。

昭和26年3月大名登録刀 大磨上無銘冬廣

昭和26年3月大名登録刀 大磨上無銘冬廣
無銘(冬廣)
– Mumei (Fuyuhiro) –
 
初代冬廣は相州二代廣次の子で、若州小浜に移住して作刀し、後に相州綱廣に学びました。以下同銘数代が同地に続いて大いに繁栄し、現存する作品には天文・永禄等の年紀のものがありますが、殆んど時代を同じくして伯州・雲州・備中等の居住地銘を切った作が残されており、これ等が同人か否かについては判別できないのが現状です。
 
この刀は切先が延びた鋭い造り込みで、手持ち軽く、冬廣らしい大湾れ調の刃を、匂口極めて明るく焼き上げた作品。刃中に現れた金筋や砂流も見事で、刃縁についた沸の粒など、如何にも末相州物らしい出来口を示しています。
昭和26年大名登録の中でも極めて早い3月の登録であることから、大大名が所持していたことが窺い知れます。現状は地刃の観賞はできるものの、拭いぼけが目立ちますので、是非美術鑑賞用研磨を施して御所持下さい。
 
裸身重量564グラム。

無銘 ~桜皮包みの細身の仕込杖です。~

無銘
– Mumei –
 
様々な理由により刀剣を剥き出しで携行できない場合において、護身用や暗殺用途に用いるために製作された仕込と称される武具。仕込と呼ばれるだけあって、外見からは刀剣とは分からないように偽装されており、その多くは扇子や煙管、杖などの日用品を装っていることが多い。
特に日用品に偽装したものは、大っぴらに武器を持つ事ができないが、武装の必要性のある町人が護身用として持っていたようで、その中でも時代劇『座頭市』の主人公・市の得物である仕込杖は有名で、欧州でも中世頃からソードスティック(Swordstick)・剣杖(CaneSword)と呼ばれる仕込杖が存在しています。
暗殺用具として用いられたものの他に、近代になって市民社会が発達し、たとえ貴族であっても刀剣を公然と携行することができなくなると、護身用具として杖や傘などの「通常携行していても違和感のない日用品」に偽装、もしくは刀身を内蔵した刀剣類が所持されるようになった(これは後に拳銃の発達によって廃れてゆく)。
日本では、明治時代に廃刀令が発布されると、士族階級に刀を仕込んだ杖を所持、携行することが流行。その後、明治政府によって「刀剣を内蔵した杖」にも禁止令が発布され、現在は銃刀法によって「仕込み刀として製作された刀剣の拵(外装)に刀身を内蔵させたもの」は所持及び所有が禁止されていますので、この脇指を保管される際には、拵に納めることなく、必ず別々で保管されますようお願い致します。
 
この脇指は仕込杖の刀身として鍛えられたもので、かなり細身な造り込み。現状では地刃は観賞できませんが、その分研磨代を考慮した特化にて御案内致します。※刃文写真は割愛させていただきます。
柄に目釘穴は空いておらず、振り回すというよりは、主に刺突を重きを置いた一刀のようです。
 
裸身重量130グラム。  拵に納めて鞘を払った重量479グラム。
 
 
各種クレジットカード、セディナショッピングローンによる分割購入も承っております。お気軽にお申し付け下さい。