無銘(長船祐光)
– Mumei(Osafune Sukemitsu) –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/390/00.html
六郎左衛門尉祐光は、小反利光の子で、右京亮勝光、左京進宗光兄弟の父であり、永享から文明頃にかけて活躍しました。同時期の「寛正則光」で名高い五郎左衛門則光とは作風や銘字が似ている点から、兄弟ではなくとも同じ長船の一家内にあったと思われます。作風は則光と比して優しいものが多く、両者は応永備前から末備前の中間に位置する長船正系の良工です。
本刀は小疵在るも、備前刀の代名詞とも言うべき“映り”を楽しめる地鉄に、刃取り大人し目の明るく冴えた互ノ目乱れを焼いた、いかにも祐光らしい出来で、脇指としてではなく、二尺程の短寸の片手打ち打刀として鍛えられたものです。
刀剣書籍等を紐解きながら、『映りとはなんぞや?』と疑問に思われておられる方、是非ともこの一刀を御入手され、映りと、備前刀について学んでみては如何でしょうか?
裸身重量406グラム。