無銘 ~黒蝋塗鞘打刀拵入り~

無銘 ~黒蝋塗鞘打刀拵入り~
無銘
– Mumei –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/706/00.html

小板目肌よく錬れて詰み、地景入った地鉄に小沸本位の明るい直刃を焼いた作品。
粗見すると単調な直刃に見えるも、仔細に眺めると細やかな景色を見せてくれます。
気持ち細目で刃長に比してやや長めの中心に、元先の差が開いた寛文新刀体配は、手に取ると実際の重さより軽く感じられ、居合等の片手操作に非常に適しています。

現状古研ぎながらも地刃の観賞に支障はありませんが、所々に極小さな刃毀れが見られます。
附属の拵は江戸時代の作で、大粒の親粒を用いた柄。凹凸が無い磨地に平象嵌の縁頭、敵の太刀を容易く受け止めることが出来よう鉄の板鐔など、質素ながらも無骨で実用を主眼に誂えられた拵です。

買取時鞘に擦れ傷や小さな凹みが数箇所見られましたので、当店にて鞘を塗り直しました。気持ち良く居合の稽古にも御観賞にもお楽しみ頂けます。はばきの飲み込みがありませんので、実際の刃長より5ミリ程長くなりますので、実質二尺三寸七分六厘程となります。
刃毀れ除去、再研磨ご希望の方はお気軽にお申し付け下さい。(要別途工作費)

裸身重量735グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,028グラム。

紀府住助義造之

紀府住助義造之
紀府住助義造之
– Kifu ju Sukeyoshi –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/705/00.html

紀州石堂系鍛冶、助義の刃長堂々たる刀です。
反り浅目の姿で、元先の差が開き、元幅に比して帽子が小さい様相から、寛文期の刀姿の名残をとどめた延宝初期頃の作刀と鑑てよいでしょう。

小板目肌に小沸本位の明るく冴えた直刃を焼き、刃縁には盛んに金筋や稲妻が看取され、食い違い刃を見せるなど見所多く、控え目釘が中心尻に穿かれており、実用裁断を考慮した造り込みの一刀です。

現状古研ぎながら地刃の観賞に支障はありませんが、切先先端が極僅かに欠けています。出来良い刀ですので是非とも美術観賞用研磨を施し、大切に後世に伝えて頂きたく思います。

裸身重量989グラム。

(葵紋)以南蛮鉄於武州江戸越前康継

(葵紋)以南蛮鉄於武州江戸越前康継
(葵紋)以南蛮鉄於武州江戸越前康継
– Motte Nanbantetsu Oite Bushu Edo Echizen Yasutsugu –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/704/00.html

銘に関しては首肯しかねますので、彫り身の無銘刀としてお求め下さい。
葵紋や康継銘も上手に切られており、康継の雰囲気を楽しめる一刀です。

裸身重量596グラム。

濃州住村山兼俊作之 ~大業物~

濃州住村山兼俊作之
濃州住村山兼俊作之
– Noshu ju Murayama Kanetoshi –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/703/00.html

本名村山喜之一。明治36年生まれ。岐阜県加茂郡富田村羽生住。元陸軍受命刀匠で国工院会員名誉宗匠も務めた昭和初期の関の名工。陸軍受命刀匠として利刀を鍛えました。
兼俊の作品は地刃の美はさることながら、その斬れ味にも定評があり、聖代刀匠位列に於いては上工の列、大業物の位を得、大戦前夜・軍刀展刀匠第1部に於いては第二席、準国工の栄誉を得ています。
昭和13年5月には「関刀剣株式会社」の専属刀匠となり、丹羽兼信・丹羽兼延・交告兼上・土岐亮信・村山兼俊らの専属刀匠が鍛錬した昭和の名刀は、専属研師20名にて研磨され、それを約100名に及ぶ従業員達が外装を手がけ、大部分は軍部に納入されましたので、一般の注文には応じきれない状況だったと言われています。

この刀は古式鍛錬法にて鍛え上げられた軍刀で、特筆すべき疵欠点無く、尖り互ノ目が覇気溢れる刃取りを形成し、地景顕著に見られ、刃中の働きも豊かに、尖り互ノ目丁子を交えた力作です。是非とも美術観賞用研磨を施していただき、兼俊の地刃の冴えをお楽しみ頂きたく思います。

附属の陸軍九八式軍刀拵は保存状態良く、石突金具の桜花模様も擦れることなくしっかりとしており、鉄鞘には目立った凹みもありません。

裸身重量781グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,164グラム。

無銘 ~状態が良い半太刀拵~

無銘 ~状態が良い半太刀拵~無銘
– Mumei –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/701/00.html

反りやや高い優雅な姿。匂口明るい互ノ目乱れ。保存状態が良い半太刀拵入りのこの刀は、内外共に価値ある一刀。切羽の一枚もすり替えられず、製作当時の姿そのままであることは大変貴重です。
今は錆びていますが、下地もしっかりとした研磨がかけられており、大切に伝来されてきた様子を窺がい知ることができます。
研磨を施した後は、内外共に保存審査を御受審下さい。
古い時代物の健全な拵は年々姿を消しつつあります。つきましては美術鑑賞用としてではなく、居合・試斬にお使いになられる方への販売はお断りさせて頂きます。

裸身重量673グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,010グラム。

万延元年遣米使節 ~本物の士のスナップ写真~

万延元年遣米使節
皆さんは上の写真をご存知でしょうか?
ブログ表題にもあるように万延元年遣米使節の写真です。
ごく自然に撮影された日常の武士の写真と言えるでしょう。
ポーズづけされた幕末や明治初期の写真と異なり、誰一人として杖太刀(刀を杖のように地につけて両腕をのせる所作)をしていません。

この写真の他、エジプトのスフィンクスをバックに撮影された横浜鎖港談判使節団の写真においても、誰一人として刀を杖にしている者はいません。

自分達を正当化しようと嘘偽りの所作をゴリ押しする捏造流派の戯言に耳を傾け、鵜呑みにすることなく、こうした古写真から古の士の所作を学ばれて下さい。

出先での四男の一言

昨日、妻と四男、五男、次女を連れて住宅展示場に行った時のことです。
ダイワハウスのモデルハウス内でリフォームの相談をしていると、
「ご主人、お仕事は何をされてますか?」
との質問に、
「刀屋です」
と答えたところ、
「刀を造ってるんですか?」
と尋ねられました。
そこに四男が間髪いれずに
「刀造るのは鍛冶屋やで。刀屋は刀を売るのが仕事やで。」
と真面目なツッコミ(笑
ダイワハウスの社員さんも私も思わず吹いてしまいました。

肥前國忠吉 ~手持ちバランスが良く、緻密に練られた地鉄が美しい一刀~

肥前國忠吉 ~手持ちバランスが良く、緻密に練られた地鉄が美しい一刀~
肥前國忠吉
– Hizen no kuni Tadayoshi –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/700/00.html

偽銘なれど姿良く、手持ちバランスが良い一刀。
小板目杢交じりの地鉄がよく練れて肌立ち、中直刃を巧みに焼き上げた作品。
古研ぎ身につき、一部錆を擦り落とした痕や小さな刃毀れが見られますが、現状でも地刃の御観賞は可能で、居合形稽古にも支障はございません。
出来が良い刀ですので将来的には是非とも研磨を施して頂きたく思います。

裸身重量694グラム。  拵に納めて鞘を払った重量952グラム。

刀心(未銘切) ~居合・試斬等 武術修行者垂涎の一刀~

刀心(未銘切) ~居合・試斬等 武術修行者垂涎の一刀~
刀心(未銘切)
– Toushin –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/699/00.html

畳表を斬るだけだから安い刀でいい。
斬るだけだから安い研ぎでいい。
日頃からそのような声をよく聞かされます…
お客様にはそう言った考えを根本から改めて頂きたく思います。
走ればいいから。そんな軽い気持ちで激安の中古車を買うと、あちこち修理しなければならない箇所が頻繁に出てきて、かえって高くつくものです。
これは武用に用いる刀にも言えること。長年居合を研鑽してきましたが、居合や抜刀を嗜む方の殆どが武用刀の選び方を御存知在りません。
床の間飾りの観賞用ならいざ知らず、実用刀こそ吟味が必要!! 刀身の曲がりや捩れ、柄に捩れはないか? 柄に対して刀身が真っ直ぐに入っているか? 研磨は表裏肉置が同じか? このように精査すべき点が多々あります。
百均のカッターと有名メーカーのカッターとでは、切れ味に大きな差があるように、試斬稽古に使う刀だからこそ、しっかりとした下地研磨が必要です。

刀心店主 町井勲がプロデュースする武用刀『刀心』は、町井勲と藤安将平監修の下、上記の厳しい条件をクリアした刀です。
粘りある地鉄、刃毀れしにくい強靭な刃。まさに武術修業者が探し求める理想の刀です。
製作にはかなりのコストがかかっていますが、模擬刀の拵を転用し、居合用研磨を施すことで廉価での御提供を叶えることができました。
居合、試斬抜刀用の刀をお探しの方、一生涯使っていただける武用刀『刀心』は、トータル的に見て頂くと確実に安い買い物だと実感頂けますので、是非この機会に本物の吟味された最上の武用刀を御入手下さい。
精美な地鉄、ふわりと柔らかい感じの明るく冴えた匂口、この刀、大業物です。

裸身重量833グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,112グラム。

平正良 ~贅を尽くした小脇指拵~

平正良 ~贅を尽くした小脇指拵~
平正良
– Taira Masayoshi –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/389/00.html

薩摩の正良は江戸中期元文頃の初代から享和に活躍した四代までを数える薩摩を代表する刀工です。
この脇指は残念ながら偽銘ではありますが、附属する拵は縁頭と鐔が肥後象嵌唐草図の一作物で鐔は英周在銘。目貫は美濃の蟷螂図、小柄小刀には信國美直金象嵌銘で、小柄袋は永壽在銘と、シンプルながらも贅を尽くした高級品。刀身よりも外装が高く評価される一刀ですが、床の間飾りにも、外装コレクションとしてもお薦めの逸品です。

裸身重量296グラム。  拵に納めて鞘を払った重量460グラム。