– Mumei –
元差の差が開いた優雅な造り込みで切先やや延びた体配に、匂口明るく冴えた互ノ目乱れを焼いた作品。
江戸時代に入ってから、中心の反りを伏せられた形跡がみられます。これは斬撃力を向上するために当時頻繁に行われたもので、欠点の内には入りません。
現状では点状に軽い錆が見られますが、居合のお稽古にお使い頂く分にも支障無く、地刃の観賞も可能です。
指裏はばき上の平地に軽い朽ち込み錆が見られますが、次回研磨で除去可能な範疇です。
附属の拵には覆輪に傷みあるも、桃山時代頃の古金工の作による鐔が添えられており、縁頭は宗典在銘の仁王図、目貫は梅花図と、華やかな金具が用いられており、鞘の状態も良く、御案内致します価格以上の一刀です。
手持ちバランスが非常に良く、とても軽く感じられ、居合の片手操作にも最上の一振ですが、良い金具が用いられていますので、手擦れによって折角の金具を傷めてしまうのが惜しまれます故、居合にお使いになられる場合には、新たに新作金具を用いて柄前を新調して頂きたく存じます。
これから刀剣趣味を始められる方へ、最初の一振として、観賞用としてもお薦めの一刀です。
裸身重量グラム669。 拵に納めて鞘を払った重量950グラム。