越前住下坂貞廣
– Echizen ju Shimosaka Sadahiro –
貞廣は康継一門越前下坂派の刀工で、寛永17年(1640年)越前下坂に生まれ、越前の他、京でも作刀しました。
この刀は杢目肌良く練れて詰んだ精良な地鉄に、匂口明るく冴えた直刃を焼き上げ、刃縁に小沸が付き、刃中には細かな働きや鼠足、ほつれ等が見られます。
反り浅目で帽子がやや延び、身幅広目で重ねもしっかりとした丈夫な姿に、控え目釘を穿った様は、単なる美術鑑賞刀ではなく、刀本来の実用面も考慮した造り込み。どのような武辺者の腰に添えられていたのでしょうか。想像するのもまた一興。
裸身重量828グラム。
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