昨日は修心流居合術兵法東京道場直伝稽古日でした。
私が関西に住んでいるため、頻繁には東京に指導に行けない都合上、一カ月に一回乃至二回、1日6時間ぶっ通しで稽古指導するのですが、昨日の稽古は6時間ずっと袈裟の角度作りの稽古、つまり、袈裟の構えの稽古を行いました。
居合形を稽古するわけでもなく、ただひたすら上段に構えた刀を袈裟の構えまでもっていくだけの単純な稽古。
多くの人はつまらなくて辞めてしまうことでしょうが、今現在稽古に励む修心流の門弟達は皆熱心で、黙って私の指導に従ってくれます。
6時間ずっと同じことばかりさせる側としても、やはり少しは気が引けるもので、
「もう3時間もこればっかりやってるけど、もし飽きたなら他の稽古にしましょうか?」
と問えば、嬉しいことに
「いえ、このままこの稽古でいいです。」
と言ってくれました。
この日6時間もぶっ続けで同じ所作の稽古ばかりした甲斐があり、目覚ましく進歩した門弟も(嬉
しかしながら、私も驚く程理想的な動きが出来るようになったのに、暫くするとまた出来なくなっている。
6時間の稽古が無意味だったのかと言えばそうではなく、一度でも体現することができたなら、また身体が思い出す時が必ず来ますし、過剰な意識が出来ないようにさせているので、その意識を捨て、壁を超えることができた時、その所作と業は真にその人の物となるのです。
できたものができなくなる。その繰り返しで業は昇華されていきます。
さて、表題にあります「袈裟の角度を作る」というものですが、上に記しました稽古法にて習得します。
単に斜めに刀を振ることが袈裟ではないと、過日の記事で書きましたが、1度ずつ角度を変えた場合、袈裟は左右それぞれ88通り存在することになります。
皆さんは1度ずつ角度を変えて88通りの袈裟に刀を振ることができますか?
いくら刀を水平に近い角度にしたところで、腕で角度を作っている間は全88通りの袈裟はできないものです。
1度ずつ角度に応じて身体を変化させることが出来るようになれば88通り全ての袈裟ができるようになります。するとピンポイントで甲冑の隙を狙い斬ることも理論上可能になるわけです。