肥前國河内大掾(以下切)(藤原正廣)

肥前國河内大掾(以下切)(藤原正廣)
– Hizen no kuni Kawachi Daijo (cutted below)(Fujiwara Masahiro) –
 
 
河内大掾正廣は、信吉の子で初銘を正永と言い、寛永二年に正廣に改銘しました。一節では寛永五年に河内大掾を受領したと伝えるものもありますが、寛永十六年紀の物迄は「肥前國佐賀住正廣」或いは「肥前國正廣」等と銘しており、寛永十八年八月紀の作刀より「河内大掾」を冠した物がみられるようになることから、近年では寛永十八年頃に受領した可能性が高いとする説が有力です。寛文五年に五十九歳で没したと言われており、その間、年紀作は寛永から寛文にかけて僅かながら見受けられます。彼は傍肥前の中でも最も技量が優れており、初代忠吉歿後は二代忠廣を助け、良き協力者として大いに活躍したと考えられています。作風は乱れた刃を好んで焼き、丁字に互ノ目、小湾れ等交じる作柄が多く経眼されます。
 
この刀は元先の幅差が程好く開いた上品な姿で、地鉄は小板目がよく練れて詰み、地沸が微塵に厚く付き、地景が細かに入って精良。刃文は丁字に互ノ目丁字や互ノ目、一部に珠状の飛焼を交え、足が長く入り、匂口が深く、砂流、金筋かかり、鋩子は乱れ込んで先丸く返り、初代正廣の傑出の出来口を誇り、昭和26年香川県大名登録刀3桁台であることから、伝来の良さも窺える名品です。
 
付属の拵は目貫以外は全て時代物の本歌が用いられているものの、全体的に仕立てが悪く、本刀にはそぐわないため、余力有る方は、本刀に相応しい拵を新調して頂きたいものです。
 
刀身の出来もさることながら、手持ちバランスも非常に良く、武器としても扱いやすい作品を手掛けた正廣の技量の高さが窺えます。
指裏の刃中の小さな疵及び磨り上げがされていなければ、確実に重要刀剣指定を受ける傑出の出来口です。
 
裸身重量753グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,087グラム。
 
 
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定守作

定守作
– Sadamori –
 
 
うぶ中心在銘。磨り上げられることなく二尺五寸を超える刃長を堂々と保った高田派の定守の刀。
腰元からやや先で反り始める、所謂先反りで、元先の差が程良く開き、切先延び、総体に反りが深めで太刀と打刀を併用した姿である。
実用刀として名高き高田派だけあって、地鉄の鍛えは大肌が目立つも、杢目肌が良く練れて鎬地柾となり、ふくれや鍛え疵等の特筆すべき疵欠点は無く、刃文は匂口明るく冴えた互ノ目に丁子を交え、刃中肌に絡んで金筋や砂流を呈し、総体に見るに匂口は刃方にぷつりと切れ、平地に向かって煙り込むように複雑な変化を見せている。
 
附属する太刀拵は金具が素銅槌目地の一作で、鞘に渡り巻きが無いのは、足金物(二ノ足)を可動とし、平常時には打刀としても使用できるよう配慮されたもの。そのため太鼓革や佩緒が始めから取り付けられていない。
柄は親鮫をぐるりと腹合着せにし、柄糸は蛇腹巻きで漆をかけ、堅牢に仕立てられており、柄巻きの間から大振りの赤銅の虎が睨みを利かせ、猛々しくも雅さを感じさせます。
 
当店にて観賞用上研磨を施しました。研ぎ上がったばかりの清々しい地刃の冴えと、見事な太刀拵を存分にお楽しみください。内外共に保存審査御受審をお薦め致します。
 
裸身重量801グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,214グラム。
 
 
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無銘(尻懸)

無銘(尻懸)
– Mumei(Shikkake) –
 
 
大和五派(当麻・保昌・手掻・尻懸・千手院)中、尻懸派は則長を事実上の祖として大いに繁栄した、現在の奈良県天理市岸田町尻懸の刀工郡で、尻懸との名の由来は大和神社の神輿が休息する為に設けられた四角い台石(尻懸石)からきています。 尻懸派の事実上の祖とされるのは、則弘の子と伝えられる初代則長で、文保三年(1319)48歳の行年銘が入った作品や暦応三年(1340)69歳の行年銘が入った作品が残されており、それによって逆算すると、文永9年の生まれであることが窺がえます。 この時期の大和物は地鉄が極めて精美な作が多く、尻懸派の特徴としては、鎬が高く、鎬幅広く、板目が流れごころで刃文は直刃基調ながら小互の目が連れて焼かれている点が挙げられます。
 
この刀は大きく磨り上げられるも、今尚身幅重ね共にごりっと健全な姿を留めており、地鉄は小板目流れて柾がかり、良く練れて詰むも少しく肌立って地景入り、直ぐ映り立つ。刃文は匂口明るく冴えた直刃調で僅かに湾れ、小足入って小互ノ目を成し、刃縁は盛んに砂流がかかり、打除風の刃を交える等、古雅で趣深い出来口を示しており、帽子の焼刃も焼幅広くしっかりと残っています。
是非とも重要刀剣審査を御受審下さい。
 
裸身重量830グラム。
 
 
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豊州高田住藤原統行

豊州高田住藤原統行
– Hoshu Takada ju Muneyuki –
 
 
豊州高田派は、豊後国高田地区(現大分市鶴崎近辺)で栄えた刀工一派で、南北朝時代豊後高田(現在の大分市内で大分郡高田村)を中心として栄えた一派で、建武頃の筑前左文字の門人『友行』を始祖としています。
古刀期の作に平姓を銘切るものが多いことから、それらを平高田と称し、新刀期以降は藤原姓を銘切るようになったことから藤原高田と汎称し、古来より実用刀としての評価が高い一派で、武用刀として数多の武将に愛用されました。
戦国時代の同派は豊後国の大友宗隣のお抱え工となり、また九州各地の豪族達の需めに応じて美濃国の関鍛冶や備前国の長船鍛冶に匹敵する繁盛をしました。作風は備前・相州に私淑した物や、美濃伝風の三本杉尖り互の目、山城風の腰反り付いた姿の良い作に直刃を焼くなど広範囲で、直刃は刃中に針で突いた様なと形容される葉の働きが特徴的で、新刀期に入ると高田を中心として豊前小倉や豊後中津などで鞴を構えて鍛刀しています。
 
統行は新刀高田物を代表する刀工で俗名を中摩新五郎。戦国大名大友義統より一字を賜り統行と名乗り、新刀高田の祖と呼ばれ、業物としても知られる名工です。
 
この刀は二代辺りの作と鑑せられ、元先の差がさほど開かず、先幅広めで切先延びごころの力強い姿。地鉄はやや黒味を帯び、小板目が詰んで流れ肌が交じり、淡く映りごころがあり、刃文は匂口明るく、締まった直刃を基調に処々小湾れを交え、刃中には足や葉が頻りに入り、古調な雰囲気を漂わせ、帽子は直調に焼きたっぷりと丸く返っています。
 
附属の拵はうぶの品ではありませんが、四分一磨地の一作金具で、殊更鞘の仕立てが面白く、網を掛けた上から漆で塗り固めて研ぎ出した蜂の巣模様が印象的。現在このような特注鞘を誂えようと思えば相当な費用が必要でしょう。雰囲気良く拵だけでも独り歩きできる逸品です。柄にガタツキは無くしっかりとしています。
美術鑑賞刀として内外共に価値ある一刀を是非この機会にご入手下さい。
※鐔鳴りが気になる方は責金をなさってください。
 
裸身重量704グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,037グラム。
 
 
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関住兼門

関住兼門
– Seki ju Kanekado –
 
 
銘鑑を繙くに、新刀期に兼門と名乗る刀工が四名見られますが、この刀は寛文頃の作品かと思われます。
緻密に練られた地鉄は詰んで精美であり、小さな鍛錬疵一つない見事な鍛えには感嘆するばかり。刃文は匂口明るい互ノ目乱れで、焼頭は丸く、高低差が少ないため上品であり、刃縁には細かな砂流が看取され、帽子は表はやや乱れ、裏は直ぐに乱れごころに先丸く返っています。
古研ぎではありますが、研磨は下地も仕上げも良い真面目なもの施されているため、姿は凛としており、地刃のご観賞も清々しい心持でお楽しみ頂けます。
手元重心でバランスが頗る良く、手にとって構えてみると非常に軽く感じられます。本刀のような刃長短い刀は上士の註文による物が多く、現存する作品には名品が多く残されています。
 
尚、既製品の鞘に綺麗に刀身が納まりますので、安価にて拵の製作が可能です。御希望の方はお気軽に御用命下さい。
 
裸身重量665グラム。
 
 
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相州住助廣

相州住助廣
– Soshu ju Sukehiro –
 
 
この刀は元先の差が開き、切先延びた豪壮な造り込みで、茎はいかにも相州物らしい舟形。地鉄は小板目がよく練れて詰み、地沸付いて少しく肌立ち精美。刃文は沸本位で湾れ調子に互ノ目を焼き上げ、刃中には砂流や金筋が入り、飛焼風や打除風、湯走風の刃が交じり、鋩子は直ぐに丸く返っており、賑やかな出来口を誇っています。
 
残念ながら銘は感心できませんが、美術鑑賞刀としての力は強く、ご所持頂くに恥じない出来栄えの良刀ですので、是非とも銘を潰し、無銘にして保存刀剣鑑定を御受審下さい。
 
裸身重量746グラム。
 
 
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鐔3点追加いたしました。

鐔3点追加いたしました。

無銘


無銘
– Mumei –
 
 
元先の幅差程好く開いて反り浅目。如何にも物斬れしそうな姿。地鉄は杢目肌よく練れて肌立ち、ほのかに白気映りごころがあり、地景入る。刃文は兼元に代表される三本杉。匂口は明るく、乱れの谷に足入り、尖りごころの互ノ目を交え、細かな砂流見られ、沸筋、金筋入る。後代の兼元のような仰々しい尖り三本杉ではなく、総体に丸みを帯びた三本杉故に、柔らかみを感じさせる出来口。帽子は乱れこんで先丸く返る。
保存刀剣鑑定を受審された場合、後代兼元や末関辺りで極めがつくかと思われます。
 
裸身重量618グラム。
 
 
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杉王正友作 昭和五十年十月日

杉王正友作 昭和五十年十月日
– Sugio Masatomo –
 
 
元先の幅差さほど開かず、先幅広い豪壮な造り込み。地鉄は小板目肌よく練れて詰み、地沸ついて細かな地景入り、刃縁柾となる。刃文は小沸本位で緩やかな湾れ調子に互ノ目を焼くも、互ノ目が丸く独立し、あたかも直刃の上に数珠を並べたような面白い刃文。刃縁には所々大粒の沸が絡み、刃中には砂流も顕著に見られ、帽子は直ぐに先掃き掛けて焼き詰め風となる。
手元重心で手持ちバランス良く、武用刀としてもお薦め。
現在店主町井勲監修の下、武用拵を製作中です。
 
裸身重量858グラム。
 
 
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無銘


無銘
– Mumei –
 
 
元先の幅差程好く開き、切先延びた鋭い姿。地鉄は小板目杢交じりで柾流れ、少しく肌立ち、地景入り、刃文は湾れ調子に互ノ目と丁子を焼き、尖りごころの刃や蛙子丁子風の刃を交え、刃中砂流顕著に見られ、足入る。
 
付属の拵には柄にがたつきもなく、柄の金具は全て三ツ星紋で統一されており、格式の高さを感じさせます。鞘を払って構えてみると、手元重心でバランスが良く、片手操作にも適しています。
時代を江戸前期と表記しましたが、室町末期迄遡るかもしれません。
 
裸身重量769グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,082グラム。
 
 
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