備州長船住祐定 ~十六葉菊花紋が伝来の良さを物語る一刀~

備州長船住祐定 ~十六葉菊花紋が伝来の良さを物語る一刀~
備州長船住祐定
– Bishu Osafune ju Sukesada –
反り浅目で元﨑の幅差頃好く開いて切先延びごころ。杢目鍛えの地鉄はよく練れて少しく肌立って映り立ち、刃文は匂口明るく、中直刃調子に互ノ目乱れを焼き上げ、小足入り、刃縁から平地にかけて煙り込むかの如く沸が散り、湯走状を成す。鋩子は表裏共に直ぐ調に先掃き掛けて丸く返る。
 
附属の拵は趣ある変わり塗りで、縁頭には十六葉の菊紋が繊細な彫金技術によって施されている。鐔や切羽もすり替えられること無くうぶのままと思われ、全体的に上品に仕上がっている。切羽は素銅地金鍍金。
惜しいことに鯉口の棟方が欠けていますが、こちらは修復可能。柄にガタツキはありませんが、鐔に遊びがあります。経年劣化によりはばきが弱っているので、観賞用としてではなく、武用刀として楽しまれたい方は、はばきを新調した方が良いかと思います。
手元重心でバランスが良く、縁頭の菊紋を見るに、伝来の良さを感じさせる一刀です。
 
裸身重量811グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,094グラム。

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