http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/345/00.html
豊州高田派は、豊後国高田地区(現大分市鶴崎近辺)で栄えた刀工一派で、古刀期の作に平姓を銘切るものが多いことから、それらを平高田と称し、新刀期以降は藤原姓を銘切るようになったことから、藤原高田と汎称します。
古来より実用刀としての評価が高い一派で武用刀として数多の武将に愛用されました。
この脇指は身幅が広く、切先がやや延びた豪壮な造り込みで、刀樋に添え樋をあしらった手の込んだ作品で、良く練れた地鉄には一切の破綻がなく精美で、一見単調な直刃に見える匂口には、随所に鼠足が見られ、高田派の作の中ではかなりの上出来。銘を切らなかったのは、刀工の作品に対する不満足からではなく、高貴な方からの注文に対し、銘を切るのを憚ってのことかと推測されます。
古研ぎ身ながらも手をかける必要はなく、研磨状態は良好ですが、刀身中央に刃先を何かに当ててしまったことによる、極小の刃毀れがございます。
裸身重量490グラム。