肥前國忠孝作 昭和五十年五月日
– Hizen no kuni Tadataka-
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本名、井上慶昭。明治37年生まれ。昭和10年より父である井上勘三郎國包より作刀を学び、昭和16年堀井俊秀系の田口正次に入門。昭和18年小倉陸軍工廠受命刀匠となり、戦中は軍刀の鍛錬に従事。戦後は東松浦郡肥前町(現唐津市肥前町)にて作刀しました。
この刀は元先の幅差さほど目立たず、先幅広めの体配。地鉄は小板目が大きく柾流れ、どちらかと言えば柾目に小板目が交じると言った肌合い。刃文は湾れで刃縁や刃中、肌に絡んで渦巻き状の刃や金筋・砂流を顕著に見せ、鋩子は表裏共にすぐ調に丸く返る。
元先の幅差が少ないため、見た目重そうに感じますが、鞘を払って構えてみると、見た目とは裏腹に手元重心でバランスが良く、試斬の稽古に適した一刀です。
附属の拵は鞘が傷んでいたため、当店にて簡易武用鞘を新調しました。柄や鐔は全て時代物の金具が用いられており、無骨ながらも上品さを感じさせます。
裸身重量805グラム。 拵に納めて鞘を払った重量1,054グラム。
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