修心流居合術兵法 シアトル支部直伝稽古

修心流居合術兵法では実技だけでなく、それぞれの時代姿の刀に応じた手の内や振り方、日本刀の構造や疵などについても教授しています。

下に紹介する写真は刃切と、 “刃切がある刀は使い方次第で折れることは無い” という物理の教授風景です。

シアトル支部はベルビュー(Bellevue)にある日本人学校の講堂をお借りして活動しています。

米国シアトル支部直伝講習

13日に日本を出発し、現地時間同日にタコマ空港に到着。

夕方からサクラコン(シアトルで開催される日本アニメ祭典)でのサイン会に出席し、14日、15日の両日は1時間ほどの演武を披露させていただきました。

シアトルサクラコンでの演武

今回の渡米には東京道場から中臺も同行し、現地で共に汗を流しました。

サクラコンではアニメ業界で活躍される素敵な先生方とのご縁も出来、得るものが非常に大きかったです。

海外でこうした演武を行うと、必ず登場するのが腕試しを臨む人。案の定今回の観覧者による体験稽古の折にも数名そのような力自慢の外国人の方がいらっしゃいまして、お伝えしたいことを完全に無視した攻撃態勢への対応には苦労しましたが、そこでまた気付くことも多く、相手に怪我をさせることなく応じなければならないため、対応しづらい半面、私自身にとっても良い勉強になっています。

 

演武の合間に散策すると、様々なキャラクターに扮したコスプレイヤーを楽しめました。写真は進撃の巨人に登場する調査兵団に扮した方々。

進撃の巨人 調査兵団と

 

15日は夕方から、16日は朝から夕方までOFFでしたので、この時間に直伝指導を行いました。

稽古会発足から一年半ほどでしょうか。昨年7月に正式に支部として活動を始めたシアトル支部は、尾中泰氏を支部長に、尾中氏不在の折には太田一郎氏がその留守を守ります。

まずは稽古開始前に支部認定書並びに支部長任命、主席指導員任命書を尾中氏に授与。

支部認定書授与

 

続いて太田氏に次席指導員任命書。

次席指導員任命書授与

 

その後この日の稽古に参加した門弟に、門弟証を授与しました。

門弟証製作には中臺やUTE㈱の稲田様にも多大なるご尽力を頂き、素敵な品が完成しました。

門弟証授与

サクラコンで演武をご覧下さった若者達が、支部の稽古にも興味を持ってくださってご参加下さり、大刀を腰に帯びたままでの受身など、自分達が学ぶ英信流との違いにとても驚いておられました。

サクラコン、また機会があれば是非伺いたく思います。

 

現地での通訳、食事手配など、お骨折り下さったSTAFFの皆様、ありがとうございました。

 

16日の稽古に参加した門弟達と

米国シアトル支部にご興味ある方は、お気軽にお問い合わせ下さい。稽古場所はBellevueにある小学校の講堂です。体験、入門をご希望の方には、尾中氏の連絡先と稽古場所をお知らせ致します。

 

 

 

江藤新平、島義勇が愛した肥前刀 幕末肥前三名工の一人“吉包”

江藤新平、島義勇が愛した肥前刀 幕末肥前三名工の一人“吉包”

江藤新平、島義勇が愛した肥前刀 幕末肥前三名工の一人“吉包”

http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/586/00.html

 

吉包は九代忠吉、吉宗と共に、幕末に活躍した肥前の名工で、佐賀七賢人に数えられ、佐賀の乱の首謀者でもある江藤新平島義勇両名の蔵刀も手がけました。
九代忠吉や吉包、吉宗らの存在は広く一般に知られることなく、その現存する作品も極めて少ないところから、八代忠吉の影となり、代作を担っていたものと推測され、彼らの技量が高かったからこそ、八代忠吉が、初代、二代、三代と並び称されるに至った事は容易に想像されることであります。それだけの高き技量を持ちながらも、幕末から明治、そして廃刀令と言う時代の波に翻弄され、刀鍛冶として存分に活躍する機会に恵まれず、その名を知られることもないまま、近年まで高く評価されることがなかった不遇の名匠で、それ故にこの吉包の刀は、幕末の肥前三名工(九代忠吉・吉包・吉宗)の貴重な資料としての価値高く、入手困難なる隠れた名刀です。 地刃晴れ晴れと冴えたその出来口は、師である八代忠吉を卓越したもので、上代の作にも引けをとりません。心境としては売りに出さず、独り密かにこの刀の出来を、生涯に渡って独占したい思いに駆られます。昭和63年の遅い登録ではあるものの、当店所蔵の九代忠吉と拵の様式が酷似している点から鑑みて、この刀も鍋島家に縁ある家やかなりの上士の所有であったものと推測されます。

薄っすらと錆に包まれ、風化してボロボロの柄巻きの状態で発見された本刀ですが、当店にて日本美術刀剣保存協会主催研磨コンクール入賞研師による上研磨を施し、白鞘、継木、正絹柄巻き等の諸工作を全て行いました。
数少ない幕末肥前三名工の一人、今尚中心が光っている極めて保存状態が良い、吉包の刀を是非この機会に御入手下さい。

裸身重量651グラム。  拵に納めて鞘を払った重量984グラム。

諸刃造短刀 二王清光

諸刃造短刀 二王清光

諸刃造短刀 二王清光

http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/tantou/149/00.html

 

二王の名の由来については諸説あるものの、周防国の仁王堂が火事に遭った時、仁王像を繋いでいた鎖を清綱の太刀で断ち切って、仁王像を救い出したことに由来するとされるものが通説となっており、二王清重の工銘は室町時代に始まり、戦国最盛期を経て江戸時代前期寛文頃に栄え、幕末まで続いています。

二王派の作品は、大和発祥であるだけに大和色濃が濃く、直刃出来の優作が多く見られ、この諸刃造りの短刀はよく練られて詰んだ精良な地鉄に破綻無く直刃を焼き、その匂口は明るく、見事な出来口を示しており、六寸に満たない小振りな刃長から、製作年代を室町中期と鑑て宜しいかと存じます。

現状古研ぎで一部変色程度の錆が見られます。現状でも地刃を御観賞頂けますが、物が良いだけに是非ともしかるべき研磨を施し、末永く御所蔵頂きたい逸品です。

裸身重量104グラム。

刀 備州長船祐定 天正二年八月日

刀 備州長船祐定 天正二年八月日

刀 備州長船祐定 天正二年八月日

http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/584/00.html

 

末備前物と称される室町末期の刀工中、祐定銘の作刀は多く、中でも与三左衛門尉、源兵衛尉、彦兵衛尉が有名です。 刀剣の需要が多く求められた戦国期、備前刀は数多の戦に向けて数多く鍛えられ、そうした実用刀で俗名を銘切っていない末備前物を、数打と卑下する悪習が刀剣界にはありますが、粗製乱造されたわけではなく、俗名を銘切っていない作品の中にも、驚く程出来が良い作品が多々見受けられ、中には俗名個銘極めまで可能な出来優れた作も見られます。

杢目肌が柾に流れ、淡く映り立った地鉄に互ノ目を焼いた末備前らしい出来口を示す本刀は、大阪の旧家から出たうぶ出し品で、薄っすらと錆に包まれていた状態のものを、当店にて上研磨、白鞘、銀はばき、銀切羽、拵の補修、保存刀剣審査等、全ての諸工作を行いました。それらコストの関係もあって、割高に感じられるかもしれませんが、同じ諸工作を個人で行いますと、ゆうに40万円を越えますので、それらを考えますと大変お買い得です。一切手をかける必要がない真面目な年紀入り祐定を、是非この機会に御入手下さい。

大東亜戦争時、家伝の祐定を軍刀として携えたため、柄頭付近に猿手鐶が取り付けられています。野戦用革覆は当店にて取外し、国産本漆にて傷んでいた箇所は全て補修済み。研磨は日本美術刀剣保存協会主催のコンクールで入賞を果たす名手による上研磨です。

裸身重量735グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,078グラム。

刀 無銘(三原正信)

刀 無銘(三原正信)

刀 無銘(三原正信)

http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/583/00.html

 

鎌倉初期から大和鍛冶が移住したと言われる備後では、隣地備前の影響を受けず大和伝が踏襲され、備後三原派の祖である正家も大和包永のような出来映えを見せています。
三原派の中でも古三原に分類される三原正信は、南北朝期永徳(1381)から室町初期明徳(1390)に掛けて活躍しました。その正信の子は三原から鞆(とも)に移り、鞆三原の祖となっています。

本刀は板目に杢交じりのよく練れた地鉄に地景が入り、匂口明るく冴えた直刃は大和気質で解れ風の刃を交え、帽子掃き掛けて長く返りを焼いた古三原らしい出来口を示しています。

附属の素銅はばきは金もしくは銀着せであったものが、経年の劣化により剥離したもので、昭和26年の大名登録刀であることからも、伝来の良さを窺い知ることができる逸品です。上白鞘新調済み。

裸身重量557グラム。

アートミックスジャパン 修心流居合術兵法公開演武の御案内

アートミックスジャパン 修心流居合術兵法公開演武

http://artmixjapan.com/program/artist07.php

アートミックスジャパン 修心流居合術兵法公開演武

いよいよ3日後となりました。

今回は趣向を変え、単に演武を披露するだけではなく、“古の士達が何を目的に形を創案したのか?” “各々の形で何を学ぶのか?”を居合形解説やその術理を解説しながら実演させていただきます。

巷の居合教本には記述されていない古流居合術の奥深さと真髄を、会場に集う皆様に少しでも知っていただければ幸いに存じます。

平日の夜ということもあって、なかなかお出かけしづらいかもしれませんが、是非ともお足をお運びください。

刀 無銘(越前下坂)

刀 無銘(越前下坂)

刀 無銘(越前下坂)

http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/582/00.html

 

下坂派は安土桃山時代の天正頃(1573年頃)の近江の西坂本下坂に住んでいた、「下坂八郎左衛門」が祖と言われており、同工は越前康継の父又は兄と伝えられています。「下坂」を銘する刀工は全国に散在していますが、源流はすべて近江の下坂に発しています。

破綻無く美しく纏められた地鉄が見事な一刀で、直刃調に小さく湾れ、互ノ目を交えています。元の研磨レベル並びに現状の研磨状態も良く、お手を煩わせる事無く、下坂派の優品を存分にお楽しみいただけます。

5月3日までは消費税を当店が負担致します。お得な期間中にお求め下さい。

裸身重量885グラム。