三条 マサヒラ (天下五剣 名物三日月宗近写)
– Sanjo Msahira –
平安後期に三条宗近によって造られた名物『三日月宗近』は、天下五剣(三日月宗近、鬼丸國綱、童子切安綱、大典太光世、数珠丸恒次)の中でも最も美しいと評され、名物中の名物と呼び慣わされており、我が国の国宝に指定され、現在は東京国立博物館が所蔵しています。
三日月の号の由来は、刀身に三日月形の打除が数多くみられることにより、文献上、室町中期には既に三日月の号が知られていたようです。
人気ゲーム、刀剣乱舞に発する近年の刀剣ブームの中、数多の現代刀匠達が三日月宗近の写しを鍛えましたが、それらは姿を真似ただけのもので、刀剣趣味玄人の鑑識眼からみれば、姿が弱いだけの現代刀であり、その姿も完成度は低く、到底写しとは言い難いものばかりと言えます。
古刀の写しを造るにあたっては、大きく二つの手法があり、押形から姿を写し、鋼をキャンバスに土取りで刃文をデッサンする方法と、当時の鍛錬法を探り、地鉄を再現することによって、自然な土置きながら、炎と水、つまり焼き入れによって本歌に迫る出来を目指すものとに分かれます。
今現在我々が経眼する多くの写し物は、この前者の手法で造られており、そのため、古刀ではなく、現代刀にしか見えない地刃の出来なのです。
古刀再現の第一人者である藤安将平刀匠は、上述にある後者の技法を用い、古刀写しに挑んでいます。
氏の写し製作は、現物を仔細に観察し、地鉄の練り方や疵の出方などを調査することから始まり、材料となる鋼の製作から入ります。
この三日月宗近写しは、平成27年に鍛えた品で、平成30年7月11日、約三年の月日をかけて諸工作を終えた逸品です。
出来としては完全なる古刀と断言して良い出来口で、本歌三日月程ではないものの、人工的な土置きでは再現できない、自然な打除が物打に見られ、匂口は明るく冴えて刃中まで沸え、豊後行平等を彷彿とさせます。
中心の仕立ても入念に、錆を付け、本歌同様に三条の三の第三画の一部と、薄らと判読することができる条の銘をも見事に再現。更に驚くべきは、本歌にある埋められた目釘穴まで忠実に再現していることで、本太刀を仕上げ研磨した研師も、驚くほど地鉄が柔らかく、粘りがあり、当時の刀剣同様の映りが鎬地に現れていたため、鎬地を針で磨くのが惜しまれたとのこと。
※平安後期や鎌倉初期の名刀の映りは、鎬地の中に現れ、時代が下がるにつれ、刃縁に寄って現れる傾向がある。
藤安将平の最高傑作、是非この機会にお求めください。本歌三日月を手に入れることは叶いませんが、この写し太刀なら御入手可能です!!
裸身重量671グラム。
各種クレジットカード、セディナショッピングローンによる分割購入も承っております。お気軽にお申し付け下さい。