修心流居合術兵法 アメリカシアトル支部直伝講習

9月8日に関空を発ち、アメリカのシアトル空港に降りました。
半年間、支部としてではなく、修心流居合術兵法稽古会と題して活動していたシアトル(カークランド)の方々を、このたび正式にシアトル支部として認定する記念すべき稽古会。

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9ヶ月ぶりに訪れるカークランド

9日は尾中シアトル支部長の御厚意により、シアトルの街を観光。
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清々しい朝

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ブルース・リーの葬儀が行われた教会。今はバーになっているそうです。
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珈琲豆焙煎工場が附属しているスターバックス。一号店と並び人気が高いそうです。
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店前のタイルには珈琲豆があしらわれています。
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ブルース・リーが眠る墓地へ。
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同墓地でフリーメイソンのマークを発見。
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昼食は生牡蠣。
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提供される牡蠣の産地を示した地図。
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ブルース・リーの母校でもあるワシントン大学。とにかく敷地が広大です。
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校内のこの広場が、ブルース・リーがジークンドーを教え始めた場所とのこと。
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水上飛行機が空を舞う。
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夕食はシアトルで有名なフライドチキン屋へ。
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夕方からはシアトル支部定例稽古に赴き、門弟一人一人に直伝指導。

シアトル支部稽古場。
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10日と11日の二日間は、10:00~17:00まで、みっちりと直伝講習会。
しかし時間が過ぎるのはあっという間で、時間が足りないと思うほど熱が入った稽古ができました。
今回の講習会には遠くコロラドからも三名の合気道経験者が参加され、日頃合気道で学ぶ剣の術理を、修心流居合術兵法の稽古の中で再確認されました。

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稽古課題は

・居合初伝形初伝之抜
・二刀
・脇指組居合居業之部数本
・居合柔術
・剣術(主に請流)

など。

今後の活動が期待されるシアトル支部。次回の直伝指導が楽しみです。

盗む

居合術を教授する時、私がよく門弟に言う言葉。

眼で盗め!

手取り足取り教えるのは簡単で、教わる方も「なんて親切な指導」と思うことでしょう。
しかし、RPGを攻略本を見ながら安易にクリアするようで私は嫌いです。

そう言う指導は短期間で形は上手になれても、技術としては身につかないのではないかと考えます。

とにかく「眼で盗め!」と口うるさく指導するのですが、正直なところ「何を見てたの?」と落胆することが多い。
形の手順をすぐに覚えることができなくても、一刀一刀における刀の位置、角度くらいはせめて一度で覚えてもらいたい。
一度で覚えることができなくても、10ある動きならその中の1だけでもいいから、己の眼で見て覚え、身につけてもらいたい。

どうしてそんなことをするんですか?

と言った質問も良いが、初心者のうちはただ黙って師の動きを忠実に写すことに専念すべし。

本部道場定例稽古

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前半は初伝形を八本目まで。
後半は久々に剣術形七本目まで。

まだまだ冷や汗かくほどの激しい稽古はできない。
今はしっかりと基礎を叩き込むことが先決。

修心館本部道場定例稽古(2016年8月18日)

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何事も基礎が大切とは言われますが、居合も同じで初伝形の一本目がまともに出来ずして居合を極めることなどできません。

近頃の門弟の動きを見るに、根本ができていないように感じられるため、形稽古は行わず、ただひたすら基本のみを稽古させました。

納刀時の刀の棟を載せる腕の位置。
納刀時の身体捌き。
大血振りの意味と確認稽古。
影抜き確認稽古。

上記四つのみに絞り稽古させました。

各連盟での英信流演武を見るに、大血振りの意味と所作が出来ている人は皆無と言って良いでしょう。
皆一様に手首で刀を捻る。腕を横に持っていく意味も理解できていない。それどころか腕をさっと丸く動かすだけ。
真向に振り下ろしたら後は単なる残心だと勘違いしていてはいけません。

形の所作にはそれぞれ意味があり、稽古課題が秘められているものです。

上に掲げた写真は大血振りでの所作を二人一組で確認稽古させているものです。
この写真一枚を見て、何を稽古しているのか悟れた人は武術的鑑識力が高い方と言えますが、「?」と思われた方は居合の理念を全く理解できていない方と言えましょう。

大血振りがうまく決まれば… とても面白い現象が起きます。
これを世間一般では合気と呼びますが、合気でもなんでもありません。いつも言うように単なる物理現象です。

敵は単独ではない。常に不利な条件下で稽古することこそ大切なのです。

修心館大阪豊中岡町道場定例稽古(2016年8月13日)

お盆ということもあって参加者は二名のみでした。

この日の前半は、居合形全てを抜かせました。
課題は奥之抜。
同じ形でも初伝之抜、中伝之抜、奥伝之抜ではそれぞれ身体捌きが異なって見えます。
やっていることは全て同じなのですが、奥伝之抜になると所作が省略されていくわけです。
当然ながら納刀も全て奥納刀となります。

ネットに掲載されている奥納刀を見るに、とてつもない勘違いをされていらっしゃる方が多いように見受けられます。
納刀時、腕に触れ始める部分がはばき元であるのを初伝の納刀、中程になるのが中伝の納刀、物打辺りになるのが奥伝の納刀と言う様に修心流では指導しています。
この奥納刀を勘違いされている方の殆どが、手首だけをくるっと返し、切先を鞘に納めるというものなのですが、私はこれを奥納刀とは認めません。理に適っていないからです。

抜刀と納刀は同じものであるべき

との古の教えがありますが、果たしてこの真意を知る居合家はどれほど居るのでしょうか?
その答えに関して、今回の記事には記しませんが、常に己が不利な状況下にあって納刀の稽古をしてみれば、自ずと答えは出てくるものです。

後半は私が創案編纂した組居合居業之部を一人で抜かせました。
この組居合居業之部、単独で抜かせてみると傍から見て何を稽古しているのかさっぱり解りません。そこがまた面白い。

一通り抜かせた後は二人一組で組居合立業之部を一通り稽古。
毎回門弟達に教えながら、自分自身新たな発見があるもので、日々修心流の術理は進化しています。

ちょっとした身体使いを意識するだけで、大きく業が活かされる様に門弟達も驚いていました。
たった二時間の稽古では物足りなさを感じる充実した稽古ができました。

敢えて無駄と思える動きを組み入れる

形稽古をさせてみると、どうも基礎ができていない。動きの意味を理解できていない者が多いように感じられる。
そのため最近、初伝形の初伝之抜での形に、一見無駄と思える動きを組み入れる事にしました。

大きく変更したのは抜付後の振りかぶりまでの所作。

その意味を動画で門弟に配信したところ、初めてその意味を知ったという者も…

特に各種連盟の居合などに見られるこの傾向。
実戦を想定していない独りよがりの演武思考によって発生している。

己の抜付が敵より確実に速く、一刀のもとで敵を切り伏せていたのなら、振りかぶりまでの所作はどんなものでも良いでしょう。
しかし、抜付を外されると同時に相手が抜刀し終わっていて、上段から振り下ろしてきたら??
連盟で教わる振りかぶり方では確実に己が死に至るか、或いは指や腕を切られること必須。

つまり、振りかぶりと振り下ろしの所作は受け流しの延長になければならないのです。
かと言って、諸手で振り下ろしてくる相手の刀を片手で受け流すにはそれ相応の技術が必要となります。
正しい形と所作を覚えれば、片手で諸手に対抗できることは、物理的にも可能。それを身につけさせるために敢えて動きを一つ加える。

古の英信流もひょっとすると私が指導するのと同じ形で稽古させていたのかもしれません。
それが出来て初めて全ての所作を片手で行う。
手順としても物理的にも理に適ったものと思います。

初伝居合形二本目『左敵』

無雙直傳英信流では単に『右』と呼称しますが、修心流居合術兵法では『左敵(さてき)』と呼称しています。

仮想敵との間合については一本目と同じです。

形手順
・左手首を前に出し、小指と薬指を太腿に添えたまま鯉口に手をかける。
・右手薬指の方向に指先を伸ばし、手首を反り返して肘を曲げ、柄に手をかける。
・膝を閉じ鞘を前に送りながら両膝立ちとなる。
・腰を落として軸をとりなおしつつ、左螺旋の動きにて身体で抜刀。
・前方に傾斜する身体の勢いを右足を立て、一気に切先に重さを乗せ、横一文字に斬る。狙う場所はこめかみ。
・一刀目をかわされ、敵が上段より切り下げてきても応じることができるよう、請流の形をとりながら真向に構える。
・右足半歩前に送り、身体を前に進めるその勢いと体重を載せて真向に切り下ろす。刀は切先下がらず水平であること。
・左手は鞘に、右手は弛み、切先より後方へ刀を送る。この時右腕は後ろに行かず、身体の真横にあるべきこと。
・右肘を支点に腕を曲げる。この時肘が下がらぬよう、また、刀の長さが前方から見えぬよう、鐔と腕にて覆い隠す。
・側頭部に鐔を当て、指先伸ばして敬礼が如き形をとり、大血振を行う。
・切先が下に落ちる反作用にて身体が浮き上がるが如く立ち上がる。この時左足を右足に寄せ、踵はつけ、つま先は概ね60度に開き、居合腰となる。刀の長さを見せぬ様、刃の方向は真横とするべし。
・寄せた足の反対の足を引くも、この時縦横どちらの方向にも軸を崩さぬよう下半身にて捌く。
・身体の中心より動き出し、切先は水平やや水流しの角度にてはばき上部分を左腕に載せ、身体捌きにて納刀。この時切先を見せぬよう。
・片膝をつきながら静かに納刀。後ろ足を前足に揃え、臍前に鐔くるを、柄に右手の五指を載せ、肘伸びる方向へ腕を伸ばし、柄頭を親指で押さえ、柄頭が臍前に来るよう元に戻す。
・居合を解き、手は両股関節上に添える。

ざっと箇条書きしましたが、肝心な部分は文字表現もしておりません。
何分秘匿主義なものですからご容赦ください。

居合初伝形一本目『前敵』

無雙直傳英信流では単に『前』と呼称しますが、修心流居合術兵法では『前敵(ぜんてき)』と呼称しています。

初伝形における仮想敵との間合いは、己の軸と相手の軸とで畳一畳分(約180センチ)と言うのは、記述していたと思います。

修心流居合術兵法ではこの『前敵』の形でも、初伝、中伝、奥伝と、三種に分け、段階に応じて稽古しています。

今回はあくまで初伝の抜きでのお話しです。

形手順
・左手首を前に出し、小指と薬指を太腿に添えたまま鯉口に手をかける。
・右手薬指の方向に指先を伸ばし、手首を反り返して肘を曲げ、柄に手をかける。
・膝を閉じ半身を切る。
・頭の高さを変えぬよう意識しながら身体で抜刀。
・前方に傾斜する身体の勢いを右足を立て、一気に切先に重さを乗せ、横一文字に斬る。狙う場所はこめかみ。
・一刀目をかわされ、敵が上段より切り下げてきても応じることができるよう、請流の形をとりながら真向に構える。
・右足半歩前に送り、身体を前に進めるその勢いと体重を載せて真向に切り下ろす。刀は切先下がらず水平であること。
・左手は鞘に、右手は弛み、切先より後方へ刀を送る。この時右腕は後ろに行かず、身体の真横にあるべきこと。
・右肘を支点に腕を曲げる。この時肘が下がらぬよう、また、刀の長さが前方から見えぬよう、鐔と腕にて覆い隠す。
・側頭部に鐔を当て、指先伸ばして敬礼が如き形をとり、大血振を行う。
・切先が下に落ちる反作用にて身体が浮き上がるが如く立ち上がる。この時左足を右足に寄せ、踵はつけ、つま先は概ね60度に開き、居合腰となる。刀の長さを見せぬ様、刃の方向は真横とするべし。
・寄せた足の反対の足を引くも、この時縦横どちらの方向にも軸を崩さぬよう下半身にて捌く。
・身体の中心より動き出し、切先は水平やや水流しの角度にてはばき上部分を左腕に載せ、身体捌きにて納刀。この時切先を見せぬよう。
・方膝をつきながら静かに納刀。後ろ足を前足に揃え、臍前に鐔くるを、柄に右手の五指を載せ、肘伸びる方向へ腕を伸ばし、柄頭を親指で押さえ、柄頭が臍前に来るよう元に戻す。
・居合を解き、手は両股関節上に添える。

ざっと箇条書きしましたが、肝心な部分は文字表現もしておりません。
何分秘匿主義なものですからご容赦ください。

下緒捌き

下緒捌

居合を習うと始めに教わるのが下緒捌きかと思いますが、この下緒捌きと言う所作は非常に大切な武術としての身体の使い方のいろはを教えてくれるものです。
近頃ではこの下緒捌きを重視しない道場が多いように見受けられます。
何故なら教えている方々が下緒捌きの本当の意味を知らないからです。
かく言う私も下緒捌きの重要性に気づいたのはこの10年内。
ある日ふと
「何故このようなまどろっこしい所作が残されているのだろう?」
と疑問に思い、下緒捌きのことを考えてみたことがきっかけでした。

~下緒捌きで学べる身体の使い方~

手解き(俗に言う合気上げ)。
切り下げ(俗に言う合気下げ)。
初動を読ませず極小さな動きで相手の軸を奪い崩す。
隅落。
抑え込み(合気道で言う一教表と裏)

と、その効用は様々です。

下緒捌
下緒捌きにおける合気上げ

修心流居合術兵法 居合初伝形 ~帯刀での正座~

修心流居合術兵法で教授している居合形は、無雙直傳英信流を踏襲し、私が改編したものとなっています。

新参者や海外の修心流居合術兵法稽古会メンバーのために、今回は初伝形について記述します。

まず最初に初伝形についてですが、現在のところ全十一本あり、錬度に応じて同じ形でも“初・中・奥”の三種に分けて稽古を行っています。
連盟居合の英信流を稽古されている方から見ると、修心流居合術兵法の居合形は奇怪に見えるかもしれませんが、それぞれの動きには細かく意味と目的が隠されています。

初伝形の想定は己と敵、互いの間合いは畳一畳(約180センチ)。
これは膝頭から膝頭までの位置ではなく、己と敵の中心軸の距離です。

正座して背筋を正すと言えば、L字形に座する方が多いように見受けますが、L字に座すのは隙を作るだけですので、修心流居合術兵法では良しとしません。頭の位置は膝頭と足親指の丁度中間となり、そうして軽く傾斜がかかることで刀の柄は上を向かず、水平またはやや水流しの角度となり、手をかけるまでの時間短縮を図ることができます。

左右の膝頭は拳二つ分開け、刀は帯を中心に前半分、後ろ半分均等となるように、また柄頭は必ず臍前に来るように帯刀します。刀が水平に近い角度となるこの帯刀を“閂指(かんぬきざし)”と称します。

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二条城の門に見る閂

単に水平に近い角度で帯刀するのを閂指と称しているのではなく、上の写真に見るように、左右の門扉の閉じ目を中心に、閂が左右対称となる同じ長さになるように帯刀することを、修心流居合術兵法では閂指と考えています。

両足の親指は重ねません。
両手は指先を広げず、軽く閉じた状態で、鯉口の左右延長線上に左右の手の人差指拳が来る様に、また、手首は左右に曲がらず、肘肩張らず、肘から薬指までが一直線となるよう膝上に載せます。
下緒は単に鞘に掛けるのではなく、捩れが無い様綺麗に揃えながら左脚の横に添わせ、下緒先は膝頭の位置に置きます。

大刀を帯刀したままでの正座は有り得ない

そう考え、発言される方も稀に見かけますが、著書“最強のすすめ”でも記述しておりますように、武士と侍は異なる身分ですので、侍が大刀を帯刀したままで正座することは、おかしいことでも、作法に適わぬものでもありません。
江戸時代、当時としては至極当たり前のことです。