4月 2018のアーカイブ
太閤園淀川邸での演武
本日は柳原と共に、大阪の太閤園にあります淀川邸にて居合術演武を披露させていただきました。
軽く凹凸がある石畳での演武、受け身をとりそこなっては大怪我を負うことにもなるので、いつも以上に柳原も緊張していたようです。
形演武は約束演武であり、打太刀(負ける方)、仕太刀(勝つ方)が予め決められているのですが、修心流の公開演武では真剣勝負で行っています。
また、剣道の世界などでは打太刀を上手が担当するのですが、残念ながら今現在、本当に業を繰り出せる者が私しかいないため、毎回演武は仕太刀を私が担当し、打太刀を受身をとることができる古参門弟が担当しています。
また、打太刀を演じる門弟には、手加減することなく打ち込むよう指示しています。それで受け損なったり、流し損なって私が怪我を負ったとしても、それは私が未熟な証拠だから、気にすることはない。と言い含めているのです。
そのため業が決まらない場合は、打太刀が勝を得る形で演武を終えても構わない。ということで、毎回演武は真剣勝負なのです。そうしないと単なる剣舞にしかならず、迫力ある形演武はできないものと考えています。
本日の演目は…
組居合居業之部(大刀)
・柄捕捌
・亀甲返
組居合立業之部(大刀)
・請流(間)
・中心立(表)
・小手返(真)
・鐔迫(草)
・月光
・柄留返
・柄留返別伝
・切先返
・必勝
剣術(大刀)
・諸手斬
・脇袈裟
・総下段
・影抜
・冠落
・袈裟崩
二刀
・刀合切
・清眼破
・鷹ノ羽別伝請流
試斬
・襷からの襟返
・蜉蝣
・据斬
上記の通り真剣勝負での演武のため、中心立と諸手斬の二つの演目に関しては、本来の形とは少し異なる形となりました。
中心立では、本来真向に斬り込んで来るものを受け止めてから剣を立てつつ相手の中心をとるべきところが、柳原の打ち込み(二の太刀)が思いの他速かったため、受け止めずに身体捌きで外して中心を捕る形となり、諸手斬では小手を抑えるべきところが少し間合いが遠かったため、本来の小手ではなく、拳を押さえ込んでの落とし込みとなりました。
互いに本気で勝を争う約束演武だからこその迫力故に、演武終了後、柳原と今回の演武の反省をしている時、記録係として同行していた美術刀剣 刀心スタッフのS君が、「えっ!? あの演武に失敗があったんですか??」と驚く程、演武を見ている人には本来の形と異なる演武になっていたこと、つまり失敗を気付けない演武であったことが何よりの収穫でした。
今月15日に新潟で行います演武(AMJ アートミックスジャパン)におきましても、私と柳原の真剣勝負の形演武をご覧頂けます。
新潟での演武では、形通りに演目を終えることができるよう、腕を磨きたいと思います。
皆様是非私と柳原の演武を生でご覧下さい。
http://artmixjapan.com/program2018/artist18.php ←AMJチケット購入はこちらからどうぞ
リハの際に石畳で木刀の柄の先端が欠け、滅入る柳原と「あ~ぁ」と見守る私。
組居合居業之部 柄捕捌
柳原に反撃の隙を与えず勝負を決める。
組居合立業之部 請流
組居合立業之部 小手返
組居合立業之部 鐔迫
本気で打ち合っている様子、お判り頂けますでしょうか。
組居合立業之部 柄留返
組居合立業之部 柄留返別伝
組居合立業之部 切先返
組居合立業之部 必勝
剣術 諸手斬
二刀 清眼破
試斬演武
挟み納刀 ガイド納刀
私が嫌う納刀に「挟み納刀」と「ガイド納刀」があります。この呼び方は私が付けた呼称なので、他所ではどのように呼ぶのかはわかりません。
それぞれどのような納刀かと言うと、挟み納刀とは親指と人差指で刀身を挟んで行う納刀。ガイド納刀とは指で挟まないまでも、人差指を伸ばしてガイドを作り、そこに刀身を乗せて行う納刀です。
これらの納刀は時代劇で役者さんが多用しています。役者さんは役者さんなので、これらの納刀しかできなくても仕方在りませんが、日頃から居合等、刀に携わっている武術家や武道家がこれをするのはいかがなものかと私は考えています。※流儀の教えとして挟み納刀をするなどの例外を除く
私が居合術を指導している修心館では、上にあげた二種の納刀を行うと私から叱責を受けます。
たかが納刀、別にどうだっていいじゃない。
そう思われる方もおられるかもしれませんが、指で挟んだり、ガイドを作らなくても、身体捌きがしっかりとできていれば納刀はスムーズにできるのです。むしろ、指を使わず納刀することこそが、身体捌きを学ぶためには絶対不可欠と言った方が良いでしょう。更には指を使わないようにすると、刀の発錆を防ぐことにもつながり、二重で良いこと尽くしなのです。
また、挟み納刀やガイド納刀をする人は、身体捌きができておらず、右手主体での抜刀納刀になっている証拠でもあります。
鯉口を見れば実力が判るとは常々私が言っていることですが、納刀時の左手の動きを見ても、実力の有無が判るのです。
ili
これは使えるかも!
そう思ってiliという翻訳機を買ってみました!!
京都での居合・試斬の指導で、海外から来られる方を相手に大活躍してもらおうと思ったのですが…
ダメでした…
iliがダメというわけではなく、武術指導には不向きであるという結論です。
海外旅行などでちょっとした会話をするには良い機械なのでしょうが…
例えば、
「力は必要ありません。」
と、脱力することを伝えたいのに、iliが訳した私の言葉は…
「あなたの手助けは必要ありません。」
でした… 残念!!!
言葉を変えて「力は不要です。」ならどうだ?
結果は同じ。あなたの手助けは必要ありません…
じゃぁ、リラックスして下さいならどうだ?
結果は、「リラックスプリーズ。」
…ili使わなくてもこれくらいなら自分で言えます…
あと、
「○○さん、○○して下さい。」
というフレーズも、○○さんという名詞を理解していないようで、とんでもない翻訳になってしまいました…
iliを使うときには、彼とかあなたといったように言わないとダメみたいです。
折角購入したのに… 伝えたいことを伝えることができない… 残念…
京都河原町にて居合術体験、試斬体験を開催しています。
京都河原町にて修心流居合術兵法の居合術体験及び試斬体験ができます。
場所は