大和守國行眞鍛作之 ~石川県昭和26年登録大名刀~

大和守國行眞鍛作之
大和守國行眞鍛作之
– Yamatonokami Kuniyuki –
http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/407/00.html

豊州高田派は、豊後国高田地区(現大分市鶴崎近辺)で栄えた刀工一派で、古刀期の作に平姓を銘切るものが多いことから、それらを平高田と称し、新刀期以降、藤原姓を銘切るようになってからは、藤原高田と汎称します。
古来より実用刀としての評価が高い一派で、武用刀として数多の武将に愛用されました。
藤原高田の中でも、とりわけ大和守藤原國行は名工として名高く、時代は江戸の虎鉄や大坂の助廣、真改と同時代の寛文頃(1661年)の業物として著名であり、刃文は当時、肥前刀として一世風靡した近江大掾忠廣の如き匂口の深い直刃を明るく焼き上げることから、國行をはじめとした豊後刀の多くが、肥前刀の偽物に改竄された悲しき歴史もあるほどです。

本刀は昭和26年石川県登録であることから察するに、前田家が旧蔵していたものと思われ、小疵があるも大名刀に相応しく地刃の出来は頗る良く、杢目柾流れでよく練られた地鉄には地沸が付いて地景が入り、明るく冴えた直刃を巧みに焼き上げ、帽子は上品にすぐに丸く、先細かに掃き掛けながら丸く返り、なるほど肥前刀として数多の豊後刀が改竄されるだけある技量の高さを感じさせます。
姿は寛文新刀然たる反り浅目で元先の差がやや開き、重ねは元先共に厚目で頑丈な造り込み。実用刀として定評あった豊後刀の気質を現在に伝える、まさに実用兼備の利刀です。

現状では手入れを知らぬ遺族によって、長年手入れを怠われたがために生じた油染みと若干の小錆が見られますが、大切に伝世してきた様子は研磨や工作からもひしひしと感じられ、特に研磨に関しては下地も良く、仕上げも丁寧になされた上研磨がかけられています。
現状のままでも地刃の御鑑賞に支障はございませんが、出来良い脇指だけに、再び上研磨を施し、保存刀剣鑑定も御受審頂いて、美しい姿で後世に残し伝えて頂きたく、研磨代金を考慮した低価格で御紹介致します。
つきましては安価だからと言う理由からこの脇指をお求めになり、無謀な試斬や武術使用を目的とされる方からのお申し込みは、固くお断りさせていただきますので悪しからず御了承ください。
本気でこの脇指を愛で、健全な姿で次の時代に伝えてくださる心あるお客様からのお申し込みをお待ち致しております。

裸身重量593グラム。

無銘(平長盛)

無銘(平長盛)
無銘(平長盛)
– Mumei(Taira Nagamori) –
 
豊州高田派は、豊後国高田地区(現大分市鶴崎近辺)で栄えた刀工一派で、古刀期の作に平姓を銘切るものが多いことから、それらを平高田と称し、新刀期以降は藤原姓を銘切るようになったことから、藤原高田と汎称します。
古来より実用刀としての評価が高い一派で武用刀として数多の武将に愛用されました。中でも長盛は高田派屈指の名工で、末備前上工の作に紛う見事な作品を遺しており、それらは重要刀剣にも指定されています。
 
この刀は日本美術刀剣保存協会に於いて平長盛と極められた一刀です。緻密に練られた板目肌が上品に肌立っており、匂口明るく、乱れに高低を持たせて腰が開いた感じの互ノ目丁子乱れを見事に焼き上げた傑作。
現状では切先付近に一部錆が見受けられますが、地刃の観賞には支障ありません。しかしながらこれだけ出来が良い一刀ですから、現状のままご所持になるなんて手はございません。然るべき上手な研磨をかけて頂き、現行の保存審査を御受審頂いた上で、後世まで大切に伝え遺して頂きたいとの思いから、研磨代等工作代を考慮致しました価格で御案内差し上げます次第です。
 
つきましては試斬抜刀術の稽古にお使いになられる目的で、この刀をお求めになられる方への販売はご遠慮申し上げます。美術鑑賞刀として大切に御所持下さる方からのお申し込みを心よりお待ち致しております。
尚、附属の拵の鞘に割れはございませんが、刃方の塗りが一部、鞘の合わせ目に沿って筋状に割れている箇所があります。※あくまで漆の塗りのみの皹割れです。
 
裸身重量816グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,105グラム。

刀 無銘(平鎮教) ~名物、権藤鎮教の作者~

刀 無銘(平鎮教) ~名物、権藤鎮教の作者~

刀 無銘(平鎮教) - Mumei(Taira Shigenori) –

http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/katana/593/00.html

 

平鎮教は天文頃に初代、天正頃に二代が活躍しています。本刀は代別には至っていませんが、日本美術刀剣保存協会による鎮教極めの一刀。
鎮教は黒田家の名物薙刀、権藤鎮教の作者としてその名を知られる豊後高田派の名工。
本刀は元先の差が開いた優雅な姿を杢目鍛えで鍛錬し、飛焼を交えた激しい乱れを元に焼き、上に行くにしたがって互ノ目丁子が大人しくなり、刃縁は地鉄に絡んで砂流や足、葉、蛇の目を交えた賑やか且つ古美な出来口となっています。
現状古研ぎでヒケあるも、地刃の観賞に支障はありませんが、再研磨で物打から帽子の下地を整えれば、更にキリッとした姿をお楽しみ頂ける事でしょう。
附属する拵の縁金具は吉久在銘で、花を題として纏められた上品な品です。

裸身重量726グラム。  拵に納めて鞘を払った重量959グラム。